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撮影機能が強化されたソニー「Xperia 1 VIII」発表会
シーンに応じて「AIカメラアシスタント」がテイストを提案
2026年5月18日 07:00
ソニーが新型スマートフォン「Xperia 1 VIII」のメディア向け体験会を5月15日に都内で開催した。ここではその模様をお伝えする。Xperia 1 VIIIは同社のフラグシップスマートフォン。発売は6月11日(木)で、実勢価格は23万6,000円前後~の見込み。
レンズ配置の変更で横持ちしやすく
まず外観の特徴だが、原石をコンセプトにした「ORE」(オーア)と呼ばれるテクスチャを採用した。つや消しで触るとサラサラしている。指紋が付きにくいのもポイントだ。
カメラの配置は従来の縦一直線から2つずつ並べる形式になった。それに伴ってカメラバンプの形状は正方形を思わせるデザインになり、高級感が増したように感じる。
アウトカメラは引き続き3カメラだが、新たな配置でレンズ間を近づけることでズームの際の画角ズレを抑えたという。
アウトカメラは16mm、24mm、70mmの3つ。今回70mmカメラのイメージセンサーを従来の1/3.5型から1/1.56型と約4倍に大型化。3つのカメラ全てで「フルサイズ並みの暗所性能」とアナウンスしている。なお70mmカメラはクロップで140mmカメラとしても使える。
また、カメラバンプの上部のスペースが増えて、横持ちの広角撮影時に指が写り込みにくくなったのも改良点になっている。
前機種に引き続きmicroSDカードスロットや3.5mmオーディオジャックなど、今となっては希少な装備も利用可能となっている。
AIがルックを提案。”メシウマ写真”も簡単に
Xperia 1 VIIIに新搭載された目玉機能が「AIカメラアシスタント」だ。被写体にカメラを向けるとAIが認識したシーンに応じて、4種類のルックを提示してくれるというもの。
α事業で培われた知見を活かして開発されたということで、ルックはαシリーズに採用されている「クリエイティブルック」をベースに提案される。シーンによっては、ボケや画角変更の提案も出てくる。
撮影画像を生成AIで加工するといったものではなく、AIが行うのはあくまで提案にとどまるため、撮るかどうかはユーザー自身が選択できる。
実際の操作は、「写真」モードでカメラを向けると、画面隅に「^」アイコンが出る。それをタップすると4種類の提案がサムネイルで表示される。それを選んだ後に撮影することで、提案が反映される仕組みだ。
次の作例の1枚目はAIカメラアシスタント機能を使わずに撮影したもの。白い食器が白く写っており、適切なホワイトバランスの標準的な仕上がりだ。これはこれで良く、フルーツもみずみずしい。
一方、2枚目の作例は提案のうち暖色系のルックを選んだもの。温かみのある仕上がりで、映える写真になっていると感じる。
調整値を確認することもでき、気に入った調整値は登録しておいて別の撮影で使うことも可能。人とは違ったルックで撮りたいというクリエイティブ志向のユーザーにも向いていると思う。
AIカメラアシスタント機能は、自分では思いもよらないルックも提案されるので、表現の幅が広がりそうな機能だった。料理の写真などはホワイトバランスの微妙な違いで、美味しそうに見えるかどうかが変わってくる。それを撮影時点で簡単に選べるのは失敗写真を減らす意味でも有用だろう。
ソニー イメージングコミュニケーション事業部門長の大澤斉氏は、「一億総クリエイター時代になった。もっと簡単に良い写真を撮りたいというお客様がどんどん増えている。今回はそうしたお客様にもきちんとXperia 1シリーズを使っていただけるようなアプローチをした」と述べた。
暗所でノイズが低減。解像力もアップ
静止画を撮る際にはアウトカメラすべてで、「RAWマルチフレームプロセッシング」が使える。複数のRAW(枚数は非公開)を重ね合わせることで解像力を高めるほか、白とびや黒つぶれを改善する機能。新たに重ね合わせ処理を見直すことで、低ノイズ化や広ダイナミックレンジ化を実現している。
ここではほぼ照明を落とした暗い環境での暗所画質を新旧比較した。写真モードの望遠カメラで撮影したところ、新機種では旧機種で目立っていたノイズ(特に背景の黒い部分)が大幅に減り、全体的にすっきりした写真になった。
また人物に注目すると、旧機種では髪の毛の分離が悪くモサッとした印象になっていた。新機種では前髪などは特に1本1本まで見えるレベルに解像しているのがわかった。こうした高画質化にはセンサーの大型化も寄与しているそうだ。
オートホワイトバランスのチューニングも変えたとのこと。ここでは旧機種ではやや暖色でグリーン寄りだったのが、新機種では赤みやグリーンが取れて、明瞭感のある描写になっていた。
なお同じ場所から撮影して人物の大きさが違うのは、望遠カメラの焦点距離が変更になったため。イメージセンサーの大型化に伴って、旧機種では85mmだった望遠レンズが新機種では70mmになった。
続いては同じシーンでぼけモードをためした。これは人物と背景を分離して、ソフトウェアでボケの処理を適用するモードだ。旧機種の作例を見ると輪郭の分離が不十分で、首の周囲がボケている反面、背景が均等にボカせていないように見える。
その点新機種は、人物と背景がきちんと分離されている上、背景が均一にボケていてとても自然に仕上がっていた。進化したボケ処理によって、望遠レンズが短くなった分もカバーできそうな性能だった。
スピーカーも高音質化
SoCは最新、最上位の「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を採用。高負荷に対応できる反面、省電力化も実現したとする。バッテリーは2日持ち、4年使用後も80%以上の容量があるとのこと。
今回はスピーカーも一新している。旧機種では左右別サイズのスピーカーユニットだったが、新機種では左右同一のユニットを搭載した。ユニット自体も新世代品となり、低音と高音のレンジが伸びているとする。
旧機種と聴き比べたところ、全体的に音がクリアになっているのが感じ取れた。出せる音量も上がっているそうで、動画視聴などでもより没入感が味わえそうだ。
専用アクセサリーとしては、ケース「Style Cover with Stand for Xperia 1 VIII」が用意される。直販価格は5,500円。本体カラーに合わせた半透明のデザインで、装着するとカメラバンプと同じ厚みになる。スタンドにもなるほか、リングストラップが付属する。
価格が前機種から値上げとなっている点に関して大澤氏は、「昨今のメモリー需要の急増をはじめ、人件費、製造費、物流費などいろいろなものが値上がりしている。メーカーとして価格を抑える努力を引き続きしている中で、こうした価格にさせていただいた」とした。
その上で、旧機種から単に値上げということではなく「価値に対する価格の目安」との考えを示した。「AIカメラアシスタント機能や、3カメラともフルサイズ並みの暗所性能といった価値をどのようにお客様に受け入れていただけるかを注視しているところ」(大澤氏)と話した。






































