雨宮真理写真展「SYNCHRONICITY」(EIZOガレリア銀座)



―車人形に命が宿る瞬―

人形に描かれた顔はひとつだけ。しかし、舞台ではその表情は実に豊かだ。

語り手は物語の台詞のひとつひとつを全身全霊を込めて語り、人形遣いは語り手が作り出す哀しみや怒りの世界を受けとめ我が心として演じる。

そうしたとき初めて人形に命が宿るのである。

観客は語りに引きずり込まれ、自らの感情を人形に投射する。

そして、物語と観客の意識の融合が、さらに舞台を盛りあげ、涙や感動を引き出し始める。

私は物語の世界に入り込み、人形遣いが演じる人形の感情とシンクロしていく。

今回の写真展は、9月1日に北千住シアター1010で平井澄子生誕100年記念公演車人形 佐倉義民伝「甚兵衛渡し場の段」と同時開催です。

語りに込められた人間どうしの美しい結びつきと日本の楽器が奏でるどこか懐かしい響きを聞きながら、独りで一体を操る車人形の公演も是非ご覧下さい。


(写真展情報より作者寄稿文を引用)

  • 名称:雨宮真理写真展「SYNCHRONICITY」
  • 会場:EIZOガレリア銀座
  • 住所:東京都中央区銀座3-10-6 マルイト銀座第3ビル1F
  • 会期:2012年8月28日~2012年9月8日
  • 時間:10時~18時30分(最終日16時まで)
  • 休館:月曜・日曜・祝日

(本誌:鈴木誠)

2012/8/28 12:41