ニコンサロン連続企画展 Remembrance 3.11 吉野正起「道路2011 -岩手・宮城・福島-」(大阪ニコンサロン)


町のすべてが瓦礫の原になった絶望の現場に、即座にとりついて道路の復旧にとりかかる人々がいた。とにかくなにがなんでもそこへ行くために、一人でも生存者を助けるために、医療と食料を届けるために。
私たちはまずはじめに道路を必要とした。道路は、自衛隊もマスコミも泥棒も医者もヤジ馬も、無差別に誰でもつれてくる公共施設だが、少々の不都合は仕方ない。道路は、私たちが一人では生きていけない証拠だ。ある道路は跡形もなく崩壊し、ある道路は水中にしずみ、ある道路はずたずたになってしまったけれど、人はあきらめることなく工事をつづける。
道路は、どんなことをしてでも私たちが生きていく意志でもある。だから、たった一夏放置されただけで雑草の海になった田畑の中を、誰一人とおる者のない空っぽの道路がのびている時、その場所は今でも私たちの意志さえゆるさない、恐怖が支配しているということだ。
カラー約60点。
(写真展情報より)

  • 名称:ニコンサロン連続企画展 Remembrance 3.11 吉野正起「道路2011 -岩手・宮城・福島-」
  • 会場:大阪ニコンサロン
  • 住所:大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 開催日:2012年4月12日~2012年4月18日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休




(本誌:武石修)

2012/3/29 00:00