社会貢献学会、被災写真の修復マニュアルを提供


 社会貢献学会は、東日本大震災における写真修復活動のノウハウをまとめた「写真修復マニュアル」の提供を21日に開始した。同様の活動を行なう団体などに無償で提供する。

工学院大学(東京・新宿)での写真修復作業の様子(昨年秋に小山安博氏が取材)

 同マニュアルは、東北福祉大学、神戸学院大学、工学院大学が共同で設立した社会貢献学会が2011年4月から行なっている被災した写真(アルバム)を修復するボランティア活動「あなたの思い出まもり隊」が約10カ月活動した成果やノウハウを元に作成したもの。

 プリントそのものを修復するのではなく、プリントをデジタルデータ化して写真加工ソフトを用いて修正する手順をまとめた。実際に作業をする中でしか得られない作業方法をマニュアル化したという。同学会が対応できる量を遙かに上回る写真が被災地に残されていることから、マニュアルを提供することで写真修復作業を行なう団体の増加を期待する。

 修正作業にはAdobe Photoshop CS5の「コンテンツに応じた塗り」を使用。同機能により、汚れや破損箇所の修正作業を短縮できた経験からのアドバイスなども盛り込んだ。なおPhotoshop CS5は、アドビが支援しているNPO向けIT支援制度「Tech Soup Japan」を通じて、特別価格で提供されている。

 社会貢献学会では2011年12月までに学生と一般のボランティアのべ562人を動員し、1,043枚の写真を修復した。





(本誌:武石修)

2012/2/21 18:28