ペンタックスと女子美術大学、K-xのデザインコンペを実施


 ペンタックスと女子美術大学は、デジタル一眼レフカメラのデザインを学生に募る「デジタル一眼レフ グラフィックデザインコンペ」を共同で実施し、17日に上位入賞者の表彰式を行なった。

コンペ入賞作品上位入賞者。左から5人目が最優秀賞受賞者の清水美里さん

 ペンタックスと女子美術大学による産学連携コラボレーション。「デジタル一眼レフのまったく新しいカラーリング提案」をテーマに、デジタル一眼レフカメラのコンセプトデザインを学生から募った。ベースモデルはペンタックスのデジタル一眼レフカメラ「K-x」。ペンタックスの「一般的な常識の枠を超えた、グラフィックデザインの可能性を探る」目的と、女子美術大学の「民間企業の工業デザインに触れることで、学生の経験値を向上させる」目的が合致することで実現したとしている。

 7月よりコンセプトの募集を学内で実施。応募総数約50点の中から書類審査を通過した23名の学生が、配布されたK-xのモックに塗装および加工を施した。

デジタル一眼レフカメラのカラーやデザインに関する調査を行なった若い世代の感性に触れたいとする

 神奈川・相模原の女子美術大学キャンパス内で行なわれた表彰式では、HOYA株式会社ペンタックスイメージングシステム事業部長の井植敏彰氏、女子美術大学学長の佐野ぬい氏、ザリガニワークスの武笠太郎氏と坂元嘉種氏が登壇した。

 井植氏は、普段の仕事では“何が売れるか”という基準でデザインを検討するという。審査にあたってはその基準を取り払い、“どれが面白いか”という基準で考えたと話した。「今回は色んな観点からものごとを見て、全く基準の異なるものを比べるという得がたい経験ができた。入賞作品は、我々には絶対にできないものを選出した」(井植氏)

 「応募作品は、やりたいだけのことをやりきったな、という感じで、楽しく審査させていただいた」と話すのは女子美術大学学長の佐野氏。今回のコラボレーションは、女子美術大学創立110周年の節目に開催するイベントのひとつとしても位置付けていると話した。

HOYA株式会社ペンタックスイメージングシステム事業部長の井植敏彰氏女子美術大学学長の佐野ぬい氏
ザリガニワークスの武笠太郎氏(左)と坂元嘉種氏(右)

 特別審査員として参加しているザリガニワークスの武笠氏は、「普段はおもちゃのデザインや企画をしているが、それも物を売る前提。色んな要素が絡む中でものづくりをしている」と言及。応募作品については「今回、みなさんの素直な表現に触れて、久々に“こういうものが作りたい”というものづくりの源泉に触れたような気がして、楽しかった」と感想を述べた。

 最優秀賞に選ばれたのは、絵画学科洋画専攻2年の清水美里さん。「これから作品を作る上での励みになる」とコメントした。

 なお、2011年2月14日から19日にかけて、銀座gallery女子美において、今回の応募作品23点を展示する。また、時期は未定となるものの、新宿のペンタックスフォーラムでも同様の内容を展示する予定。

●入賞作品

 下記は応募作品約50点から書類審査を通過した23点。上位入賞者のみ記名する。

最優秀賞受賞作品。作者は絵画学科2年 清水美里さん女子美術大学賞受賞作品。作者はメディアアート3年 徳永彩華さん
PENTAX賞受賞作品。作者は絵画学科洋画選考4年 岩下円さんザリガニワークス賞受賞作品。作者は美術学科1年 水野愛里さん
佳作受賞作品。作者は工芸学科4年 林理恵子さん佳作受賞作品。作者は絵画学科4年 斉藤はるかさん
佳作受賞作品。作者は立体アート学科3年 山梨美緒さん佳作受賞作品。作者は絵画学科洋画専攻3年 中山沙織さん

()

2010/11/18 16:48