ソニー、2010年度の連結利益予想を上方修正


 ソニー株式会社は29日、2010年度第1四半期の連結業績を発表した。売上高および営業収入は、前年同期比3.8%増の1兆6610億円。営業利益は670億円(前年同期は257億円の損失)、税引前利益は789億円(前年同期は329億円の損失)となった。

 デジタルカメラを含むコンスーマー・プロフェッショナル&デバイス(CPD)分野は、売上高が8,895億円(前年同期比7%増)、営業利益501億円(前年同期は89億円の損失)。

 営業損益の改善は、売上原価率の改善、増収による売上総利益の増加、構造改革費用の減少などが貢献した結果という。構造改革費用は39億円。前年同期は235億円だった。

 CPD分野のうち、デジタルイメージングにおける売上高は、1,722億3,100万円。前年同期に対し、4.5%の減少となっている。イメージセンサーを含む半導体の売上高は、前年同期比33.1%増の902億3,300万円。ソニーはCPD分野の損益改善要因のひとつとして、イメージセンサーの売上増を挙げている。

 コンパクトデジタルカメラの売上台数は600万台。前年同期は500万台だった。通期では2,300万台を見込んでいる。

 そのほかの分野の業績は次の通り。

 ネットワークプロダクツ&サービス(NPS)分野は、売上高3,259億円(前年同期比32.4%増)、営業損失38億円(前年同期は367億円の損失)。

 映画分野は、売上高1,321億円(前年同期比22.3%減)、営業利益29億円(前年同期比58.2%増)。

 音楽分野は、売上高1,103億円(前年同期比1.3%増)、営業利益75億円(前年同期比39.4%増)。

 金融分野は、金融ビジネス収入が1,690億円(前年同期比25.7%減)、営業利益が300億円(前年同期比37.8%減)。

 同日、ソニーは2010年度の連結利益予想を上方修正すると発表した。5月13日の発表時点から、営業利益を13%増の1,800億円(前年度比467%増)、税引前利益を21%増の1,700億円(前年度比532%増)とした。

 上方修正の主な要因は、営業損益見通しが5月時点の想定より、CPD分野で上回るとの予想から。第1四半期の損益が想定を上回ったことと、対ユーロ為替レートを円高に見直した上で、第2四半期以降の好調なビジネスオペレーションが見込まれるためとしている。

 ただし、第2四半期以降のNPS分野は、為替レートの見直しにより、想定を下回ると見ている。


(本誌:折本幸治)

2010/7/29 18:02