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ソニー、クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」をアップデート…音声分離機能やAI映像解析など

M2 Live操作GUIイメージ

ソニーは11月10日、クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」の各種サービスを順次アップデートすると発表した。11月15日から始まる「Inter BEE 2023」の同社およびアマゾン ウェブ サービスのブースでも展示する。

アップデートの対象となるのは、以下のサービス。
  • 映像制作クラウド「A2 Production カスタマイズソリューション」
  • クラウド中継システム「M2 Live」
  • クラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」
  • クラウドカメラポータル「C3 Portal」

映像制作クラウド「A2 Production カスタマイズソリューション」

SaaS型の映像制作クラウドソリューション。11月から最新バージョンのV1.2を提供開始する。アップデート内容は3つ。

1つ目は「音声解析サービスの追加」。音声分離や音声認識(文字おこし)、盛り上がり編集といった音声解析を中心としたサービスを追加する。音声分離機能は、ミックスされた音声情報をAIで解析し、話者、BGM、環境音を自動分離。映像作品から話者のみを分離するなど、アーカイブコンテンツの二次利用にも活用できるという。

音声分離エンジンのイメージ

2つ目は、AIによる映像解析を手軽にするという「Web GUIツール」の追加。任意のファイルをアップロードするだけで簡単にAI解析できるなど、直感的な操作が可能になるとしている。

3つ目は利用プランの追加。割安の料金で利用できるよう、機能を制限した「ベーシックプラン」と「ビジネスプラン」を用意する。今回のアップデートで追加された「音声分離サービス」や、AI映像解析を手軽に利用しやすくなるという。

クラウド中継システム「M2 Live」

ライブ制作向けのクラウド型スイッチャーシステム。10月下旬からバージョンV1.2を提供開始している。

新たに「収録映像のスロー&リプレイ機能」、「各入力ストリーミング信号の収録機能(ISO収録機能)」に対応した。スポーツライブ制作運用での活用の幅を広げられるという。

クラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」

Windowsまたはmac OSで利用できるデータ転送アプリ「Ci Transfer」を10月下旬から提供開始している。ローカルストレージとクラウドストレージ間での高速かつ信頼性の高いデータ転送が可能になるという。

フォルダー単位でのデータ転送にも対応。大量データの一括アップロード/ダウンロードが容易になり、「Ci Media Cloud」へのデータ転送がより円滑になるとしている。転送状況のステータス確認やレポート出力の機能も備えた。

クラウドカメラポータル「C3 Portal」

最新バージョンV2023.3を10月下旬に提供開始。新たにSRT形式のストリーミング入力に対応し、同社製カメラやサードパーティ製エンコーダーからのストリーミング映像を、複数系統ファイル収録できる。収録映像はクラウドもしくはオンプレミス環境の編集システムで編集可能になるため、制作工程の効率化やスピードアップが図れるという。

スマートフォンアプリ「Creators’ App for Enterprise」もアップデート。最新バージョンV2023.3を11月下旬から提供予定としている。シネマカメラ「BURANO」(2024年発以降発売)や「FX3」「FX30」にも対応することで、報道のみでなく、シネマ/番組制作領域でも現場からクラウドへのダイレクト転送が可能になる。

本誌:宮本義朗