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キヤノンMJと博報堂、オンラインアート鑑賞サービス「ZOOOOOM ART MUSEUM」を事業検証。ライブ配信で質疑応答も

株式会社博報堂とキヤノンマーケティングジャパン株式会社は共同で、オンラインアート鑑賞サービス「ZOOOOOM ART MUSEUM(ズーム アート ミュージアム)」の事業検証を6月より開始すると発表した。第1弾として6月6日(月)に、第2弾として6月18日(土)にライブ配信を実施する。いずれも料金は500円。

「ZOOOOOM ART MUSEUM」は、世界中のアート作品から1作品を取り上げ、学芸員の解説を交えながらライブ配信で鑑賞できるサービス。「神は、細部に宿る。」をコンセプトに、1つの美術作品にとことんズームすることで、家にいながら作者の作品への並々ならぬこだわりを知ることができる、新しい“没入型オンライン鑑賞体験”としている。

配信にはキヤノンの最新イメージング技術を搭載したカメラ(映像制作向けリモートカメラシステム「CR-N500」など)を活用し、作品のタッチや線の繊細さ、色使いや陰影の作り方などのディティールを撮影。出演者による作者が影響を受けた人物や当時の時代背景の説明のほか、普段はなかなか聞けない学芸員の研究成果などにも触れることで、時代を超えて人を惹きつける魅力の源泉を探るという。

なお、解説では作品にまつわる情報を一方的に伝えるだけでなく、作品に込めた作者の想いやメッセージを参加者とともに考察。オンラインだからこそ実現できる新たなスタイルの鑑賞体験を目指す。

本サービス導入の経緯について同社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、美術館でアートを鑑賞したくても気軽に楽しむことができない状況が続いていると説明。入場制限や予約制の導入などにより、美術館の入館者数が大幅に減少し、新たなアート鑑賞の在り方が模索されているという。そこで、これまでとは違った角度からアートを鑑賞できるオンラインサービスとして、「ZOOOOOM ART MUSEUM」の事業検証を開始することになったとしている。

今回の事業検証では、公益財団法人石橋財団アーティゾン美術館が協力。ベルト・モリゾ「バルコニーの女と子ども」(6月6日)、ポール・セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」(6月18日)の2作品について配信を行う。また、検証で得られた利用者ニーズを踏まえ、今後本格的なサービスとしての展開を目指し、美術館との連携や配信する作品を増やすなど、規模を拡大した事業検証を進めていく予定。

今後は、西洋美術だけでなく、日本美術や彫刻、建造物といったあらゆる芸術作品における鑑賞体験を模索し、年内のβ版リリースを目指す。また、両社によると、将来的にはインバウンド向けの展開や教育コンテンツとしての展開など、文化芸術作品の価値を高めていく構想だという。

イベント名

ZOOOOOM ART MUSEUM

開催日程と内容

第1回

6月6日(月)18時00分~18時30分:ベルト・モリゾ作「バルコニーの女と子ども」

第2回

6月18日(土)14時00分~14時30分:ポール・セザンヌ作「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」

申し込み期間

5月18日(水)~各回開催日まで

料金

500円

参加方法

キヤノンマーケティングジャパンの公式サイトより参加イベントを選択の上、電子チケット販売サービス「teket」からチケットを購入

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。