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キヤノン、小型軽量化した複合現実ヘッドマウントディスプレイ「MREAL S1」

ポータビリティを向上 建造物などのデザイン確認に

MREAL S1

キヤノンは、MR(Mixed Reality:複合現実)用ヘッドマウントディスプレイ「MREAL S1」を2月下旬に発売する。価格はオープン。法人向けで、導入費用は用途により変わるが、1システムあたり約400万円から(本体、ソフトウェア、PC、保守費など込み)だという。

内蔵CMOSセンサーから取得した映像にCG映像をリアルタイムで合成して表示する、ビデオシースルー型のヘッドマウントディスプレイ。ディスプレイ単体を従来製品に比べて小型軽量化した点や、モバイルワークステーションに対応することで機材総重量を軽くし、持ち出しが容易になる点を特徴としている。

CG映像を融合した例
小型可搬ケースへの収納例(左)、手のひらサイズのディスプレイ本体(右)

現実映像とCG映像の位置合わせには、周囲の静止物から特徴点を抽出し、自身の位置座標を推定する空間特徴位置合わせ技術を利用。このことから、別売の位置合わせ用光学センサーを現場に設置しなくても運用できるのだという。

具体的な想定用途としては、建設予定地で完成後の姿を表現して共有することや、工場に持ち込んで新たな製造ラインを表現し、作業性や動線を体験することが挙げられている。現場で実寸大CGを確認することにより、コミュニケーションの効率化や試作回数の削減を通じたコスト削減に貢献するとしている。

空間特徴位置合わせのイメージ
周囲の静止物から特徴点を抽出(左)、位置を特定してCGを融合(右)
MREALシリーズにおけるMR(Mixed Reality)技術の仕組み
MREAL S1紹介動画【キヤノン公式】

本誌:鈴木誠