岡嶋和幸の「あとで買う」

920点目:写真鑑賞の楽しみ方のヒントになるエッセイ

大竹昭子『迷走写真館へようこそ』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

大竹昭子『迷走写真館へようこそ』

大竹昭子さんの最新の写真エッセイです。36名の写真家の作品が飾られた“迷走写真館”にて、写真を見ることの可能性を掘り下げる内容です。でもそれぞれの作品に作家名は記載されていません。著名な写真家がほとんどなので、見たことのある作品や、作風から誰のものなのか分かるかもしれませんが、先入観を持たずに画面の中を観察してみると良いでしょう。

本書ではいつ、どこで、何を写したのかなど撮影者だけが知っている「実際の現実」を紐解くのではなく、とらえられた写真と対話しながら想像を膨らませ、言葉で綴られています。

写真展や写真集を鑑賞したときに、何が良いのか分からないことがあるかもしれませんが、写真の見方や感じ方など、そのような人へのヒントにもなる1冊だと思います。販売価格は1,980円です。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。