岡嶋和幸の「あとで買う」

767点目:昭和レトロな雰囲気が楽しめるカラーネガフィルム

Escura「昭和カメラフィルム」

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

Escura「昭和カメラフィルム」

近年はフィルムがどんどん値上がりし、しかも品薄で入手しづらくなっています。特にカラーネガフィルムやポジフィルムは状況があまり良くないようです。私はモノクロフィルムがメインなので今のところ大丈夫ですが、それでも以前より高価になりました。選べるフィルムの種類も減っています。長く愛用していたコダックのTRI-X 400から、今年に入りイルフォードのHP5 PLUSに変えました。

今回紹介する製品はISO 400のカラーネガフィルムです。35mm判の30枚撮りです。販売価格は3,300円前後と安くありません。1枚あたり110円くらいの計算になります。缶コーヒー1本分ですが、こちらも5月から値上げされています。フィルムの場合はさらに現像代やプリント代が必要となります。最近はフィルム現像のみで、プリントせずにデジタルデータ化して利用する人が多いようです。

このフィルムは外箱とパトローネのデザインが気に入りました。いわゆる“ジャケ買い”に近い感覚です。もちろん撮影してみたいのですが、外箱とパトローネは捨てずに飾っておきたいです。私も昭和生まれですが、この雰囲気はもっと上の世代の人が懐かしむのでは。コントラストと彩度が控えめに仕上がるようなので、味わいのある発色や調子を好む人に合っていると思います。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。