岡嶋和幸の「あとで買う」

717点目:日本各地の絶景を巡る55ルートを紹介!

阿部淳一『よくばり撮影地ガイド』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

阿部淳一『よくばり撮影地ガイド』

私事の作品制作では目的地を決めずに車を走らせたり、当てもなく歩き回ったり、撮りたい何かを求めてひたすら移動を繰り返す感じです。これに対し仕事の作例写真では、スナップ系を除けば、必要なカットが撮れる場所や時間を選ぶなど、計画的に行動するケースがほとんどです。国内外を問わず下調べが重要ですが、近年はGoogleマップを活用することが多く、どこでどのような写真が撮れるのか知ることができます。天候との兼ね合いもありますが、昔のように無駄骨に終わることは少なくなり確実性が高まりました。

絶景と呼ばれる撮影スポットに行くこともあります。でも使える写真が1枚だけしか撮れないのは非効率です。同じエリアや道中にほかに撮れるものがないか、インターネットであらかじめ調べてルートを決めるようにしていますが、3月に発売になった本書ではそのあたりがうまくまとめられています。駅や空港などを起点としたお勧めのモデルコースが紹介されていて、メインスポット以外に複数のプラスαスポットが組み込まれていて便利です。販売価格は1,980円で、Kindle版もあります。

各スポット間の移動時間なども分かりやすく、詳しいルートマップも掲載されていて効率良く回ることができます。季節毎に絶景スポットが紹介されているので、撮影旅行の計画を立てるときの参考にすると良いでしょう。ちょうど今、長崎の五島列島を旅行中なのですが、今年は友人が住む佐渡島、本書にも掲載されている屋久島に行ってみようと思います。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。