クルマとカメラ、車中泊

車載ホルダーが撮影アクセサリーに。コールドシュー付きMagSafeホルダーの二刀流的活用術

今回の1枚
撮影カメラはニコンZ8。焦点距離1,600mmの天体望遠鏡で撮影

写真は12月5日の月。2025年最後の満月です。そう気づくともう師走気分。だけどまだもう少し、今年が続くのでまとめをするにはまだ早いかな。

11月後半からは晴れも多く、毎晩天体観測しています。まあ、見ているだけですけど。星景写真や天体写真に夢中になると星そのものを見ていなかったりすることもしばしば。でもね、望遠鏡を使うにしても肉眼で見ることがとても大事です。

肉眼というか人間の視覚にはメモリー機能とも言うべき能力があると思うんですが、同じ機材を使い続けて同じ天体を長く観測していると、ゆっくりとだけどそれまで見えていなかったものが、見えてくるようになるんです。

イメージしたものを感じているのかも知れません。情報が視覚を補完しているとも言えるでしょう。そしてもう一つ、星座の形や星雲・星団の位置を自然と覚えることができます。体に染み込む感じですかねえ。

これ写真撮る時にもすごく大事で、目的の星や星座を見つけていち早く構図を決めることができるようになるんです。まあ、星景写真に限らずこう言うことは、どのジャンルの写真でも一緒ですよね。まず、被写体をよく観察してその特徴や性質をしっかりと覚えること。どのジャンルの写真家も自分の被写体にはとーっても詳しいものですからね!

コールドシューとカメラネジを装備したスマホホルダー

冒険者たるワタクシは密林でのアーティファクト探索に明け暮れる日々であります。んで、本日、見つけた価値あるアイテムは「Ulanzi マグロック コールドシュー フォンマウント MA07」であります!

コールドシューでカメラに取り付けられる他、カメラネジが切られているので三脚や一脚にも取り付けできる

スマホをカメラに取り付けるためのアイテムですね。カメラの上についているホットシューに差し込みます。同様の製品はスマホホルダーとしてカー用品ですでにたくさん出てますが、カメラのシューに取り付けるものは少ないのです。

マグロック MA07はカメラのホットシューに取り付ける
スマホを載せれば磁石でしっかり保持される

ちなみにカメラ側はストロボのための接点があるのでホットシュー、Ulanzi マグロックには電気接点はないのでコールドシューと呼んでいます。あ、余計な蘊蓄でしたね。

使い方は至って簡単。カメラに取り付けたらMagSafe対応のスマホを載せるだけ。MagSafe未対応でも大丈夫、取り付けのための鉄製リングが1枚付属してます。

僕のiPhoneは古くMagSafeに対応していないので、付属のリングをケースに貼り付けました。というか3台あるんですよ、iPhone。昨今はアプリコントロールの製品が多いので古いiPhoneも下取りに出さずにコントローラーとして使っています。

また、カラビナみたいに途中が折れるようになっています。ベルトなどに簡単に引っ掛けられたりするんですが、それよりもこれを内側におりつつスマホを外すと簡単に外すことができて楽ちんなんですね。

なにしろ強力な磁石で取り付けてますから、ただ外そうとするとうまくいかなかったり、せっかく貼り付けた鉄のリングがペリペリ剥がれてきちゃったり。それがこの仕掛けのおかげで軽い力でスマホを外せるってわけです。

マグネットリングが途中で折れる構造。スマホはこの状態で取り外すと簡単に外せる

同製品のシューにはカメラネジが切ってあるので、マグネットマウントと組み合わせることで写真のようになります。これなら、鉄製のところならどこにでも着くようになるわけです。

大きめのマグネットマウントをチョイスすれば自立させて使うことも可能

車載ホルダーとしても使える

車の車載ホルダーとして使う場合は、ダッシュボードにスチールプレートを貼り付ければ、完成です。そこにマグロック MA07を取り付けて使用します。

車のダッシュボードにはスチールプレートを貼り付ける
マグネットマウントをつけたMA07をおけば、車載スマホホルダーに
フロントガラス越しに見たところ

ピラー部分に貼り付ければ休憩中に動画視聴する際にも有用。バックドアに貼り付けてオンラインミーティングをしたりします。

ピラーに貼り付けて動画視聴など
バックドアに貼り付けてオンラインミーティング

車載グッズだけど、撮影現場で手放せないアクセサリーの1つになっています。撮影での活用方法をご紹介しましょう。

モバイルバッテリーに応用すればカメラへの給電が便利に

まず、今回のマグロック MA07を買うなら、以下の製品も一緒に買っておきましょう。予備の鉄リングです。これはどこのメーカーのものでもいいんですが、取り付け用の型紙がついていたのでこれにしました。

型紙に合わせてリングを貼り付ければ失敗がない

そしてこれをモバイルバッテリーに貼ります! なるべく平べったいかたちのモバイルバッテリーがいいですね。僕はちょうど手持ちのものがあったので、それに貼りました。

手持ちのモバイルバッテリにスチールリングを貼り付けた

するとこう! モバイルバッテリーをカメラに乗せることができるってわけです。最新のデジタルカメラではUSB給電に対応してるものが多いですからね。上に載せたモバイルバッテリーからカメラに電源を供給しちゃおうってわけです。

星景撮影、タイムラプス撮影、動画撮影など、カメラバッテリーだけでは電源が足りなくなることも多いのです。そこで、こんなふうにするとスマートに外部バッテリーを追加できるわけです。

このモバイルバッテリーは285g。そこそこの重量だが三脚での撮影ならまったく問題ない

星景撮影での実践的な使い方

星空関連になるけど、僕の使い方を紹介しておきます。まずはカメラにiPhoneを載せてますがiPhoneに表示されているのはSkysafari7(有料)という星空シミュレーションアプリです。

Skysafari7では、スマホを向けた方向の星空を表示し、さらにカメラの撮影画角を表示できるので自分がどの星座を撮っているのか即座にわかるんです。

青い四角がカメラの撮影画角。画角は自分で設定しなければならないが、しっかりと星座をフレーミングできる。

実際に使うとこんな感じ。まず、Skysafari7を使いつつ構図を決めます。

Skysafari7の画角表示を参考にしながら構図を決める

構図が決まったら、iPhoneを外してモバイルバッテリーに載せ替え、カメラとレンズヒーターに給電するんです。星景撮影に限らず夜景など夜の撮影では夜露対策が必須。だからモバイルバッテリーも必須のものになっちゃうんです。

構図が決まったら、スマホをモバイルバッテリーに載せ替えてヒーターとカメラに給電する
月明かりもあって地表もよく写っている。

そしてもう1つ。今夜は彗星を撮影しようと思い、天体望遠鏡を用意してるところです。最新の天体望遠鏡ではスマホアプリでのコントロールがほぼ標準になってきています。なので、天体撮影の際もカメラにスマホが載せられると便利なんですよねえ。というか必須ですな。

もちろんデジタルカメラはメーカー純正アプリを使うとライブビューも見られますから、ピント合わせの際にも便利なのです。こんなふうに天体撮影をするときは天体望遠鏡を撮影レンズとしてつかうんですが、今日準備した天体望遠鏡では焦点距離が1,600mmもあるんですよ。ピント合わせはシビアです。

迅速に撮影をするために、明るいうちに準備する

いかがでしょう。Ulanzi マグロック コールドシュー フォンマウント MA07、いろいろ便利に使えるでしょ。コールドシューが付いてなければ、単なる車載スマホホルダーでしかありませんが、コールドシューとカメラネジ穴がついているだけで、使いこなしの幅がすごく広がるんです。

便利なものだけに車載でつかうだけじゃもったいないですよね。僕は撮影場所に行くまではiPhoneにGoogleマップを表示してナビとして使い、撮影場所に着いたら、カメラにiPhoneを乗せるってことですが、そのどちらにも必要なアイテムですね!

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。ニコンカレッジで、星景写真講座を担当。星空に興味ある方は「こちら」へ