コラム
Apple、最新RAW現像エンジン「RAW 9」を発表。デモザイクとノイズ低減が強化
富士フイルムX-Trans CMOSのデータにも適用
2026年6月28日 12:00
Appleは6月9日、今秋公開予定のiOS 27、iPadOS 27、macOS 27、visionOS 27で利用可能となる「RAW 9」について、ソフトウェア開発者向けの説明を公開した。
RAW 9とは、iOS、iPadOS、macOS、visionOSといったAppleのOSに搭載されている画像処理フレームワーク「Core Image」が備えるRAW現像機能の最新版。RAWファイルの形式ではなく、RAW現像エンジンのアップデートを指す。MacやiPhoneはこの機能によりデジタルカメラのRAWデータを表示・編集できる。
また、Core ImageのRAW現像機能を使っているApple製やサードパーティ製のソフトウェアも、今回の進化の恩恵を受けられる。
機械学習モデルによるデモザイクとノイズ低減
RAW 9における最大の変化は、「Core ML」による機械学習モデルを用いてデモザイク処理とノイズ除去を行うようになったところ。この処理はApple製チップに搭載されるAI処理専用のプロセッサ「Apple Neural Engine」を使ってデバイス上で行われる。
その効果について、従来のRAW 8で処理したRAWデータとの比較作例が示されている。
また、高感度設定におけるノイズ低減の比較も示している。
一般的なベイヤーセンサーだけではなく、モザイクパターンが異なる富士フイルムX-T5のRAWデータについても比較例を示した。
RAW現像の処理とは?
RAWデータを表示するには、カメラメーカーやカメラ機種ごとに特別な処理が必要。メタデータを解析して機種を特定したうえで、元々は各画素がRGBのうち1色だけの輝度情報を持っているセンサーの生データにデモザイクを施し、各画素がRGB値を持つ画像に変換。ノイズ低減や色再現などの処理を経て表示画像が生成される。
動画内ではRAWデータのメリットについて、「何年も前の写真を最新アルゴリズムで再処理できる」と説明している。古いデジタルカメラで記録したRAWデータを最新のアルゴリズムで現像すると、当時よりも高画質の写真が仕上がるという意味だ。
Core ImageのRAW処理も、2006年のRAW 1から約2年おきのバージョンアップを続け、デモザイク処理、ノイズ除去、色再現を向上してきた。しかし2017年の「RAW 8」から今回のRAW 9までは約9年の期間があった。同社ではRAW 9の進化について「これまでで最大のアップデート」と説明している。
現時点での対応機種は、主要メーカー製のカメラやiPhoneを含む784機種。DNG形式でネイティブ撮影できるカメラにも対応する。今後もアップデートにより対応機種を拡大するという。











