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【New Kiss Digital活用講座】猫写真編
~交換レンズ4本による実戦的指南


 身近な被写体として人気の高い「猫」。個人ページでもアマチュアによる作例が多数掲載されている。そこで編集部では、写真家の安孫子卓郎氏に最新のデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital N」(New Kiss Digital)での撮影をお願いし、同時に氏の「のら猫写真術」を披露してもらった。(編集部)


軽いカメラと猫写真の関係

EOS Kiss Digital Nで撮影。18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/100秒 / F7.1 / ISO100 / 0EV / WBオート / 55mm
 筆者の場合、猫を撮るときに特別なスペックは求めない。撮影スタイルとして、猫の自然な姿を基本としているため、「0.1秒で起動したい」とか、「高速連写がほしい」などの要求は特にない。もちろん画質がひどく悪かったり、AFが当てにならないようでは困るのだが、現在販売されているデジタル一眼レフならどの機種も問題なく使用できる。

 とはいえ、町中を歩き回りながら撮影することも多いので、重たいハイエンドのボディより、普及クラスのボディの方が好みである。さらにストロボが内蔵されていることも好ましい。EOS Kiss Digital NはAFも早く、精度も高い。ボディも小型軽量なので、好適な部類に入る。

 また、Kiss Digital Nはバッテリーの持ちも良く、5時間ほどで650枚(JPEG、Fineモード)を撮影しても、まだ残量警告が点灯しなかった。時々パワーOFFにしていたが、これだけ持てば十分である。予備バッテリーを持って行くにしても小さいし、充電器もコンセントに直接差し込むコードレスタイプで小型だ。旅行用としても万全といえよう。

 ただ、悩ましいのはレンズである。基本的に標準ズームクラスで良いのだが、今回使用したレンズキットの「EF-S18-55mm F3.5-5.6 II USM」は、開放F値がF3.5-5.6と暗い。もちろん増感するのも手だが、最初からレンズが明るければそれにこしたことはない。しかし、キヤノン製F2.8のレンズは高価で少々重い。例えば「EF70-200mm F2.8L IS USM」の方が利便性が高く、実際に買われる方も多いと思うが、20万円以上するし、重さも1.5kg近い。使い込むなら高くても我慢できるが、重たいと使う気がうせる可能性もあるため、なおのこと価格が引っかかる。

 そういう意味で、手ブレ補正(IS)付きレンズもよい選択かも知れない。筆者が使用しているのは「EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM」。やや設計が古いという評価もあるが、あまり近寄れない野良猫を撮影するには、このあたりの焦点距離のレンズが使いやすい。あるいは「EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」も良い。


 ●使用レンズ(ズーム)


キヤノンEF-S18-55mm F3.5-5.6 II USM キヤノンEF28-135mm F3.5-5.6 IS USM

 ただしIS付きレンズはF5.6と暗いため、今回は大きくボカすことのできる「EF135mm F2.0L USM」と、暗いところで威力を発揮するシグマの「24mm F1.8EX DG ASPHERICAL MACRO」も使用した。IS付きは手ブレは防げても被写体ブレを防げない。

 これまで、シグマの24mmは、20mm、24mm、28mmのF1.8というラインナップの真ん中のため、どうも買いにくかった。しかし、まもなくデジタル専用の30mm F1.4がリリースされるので、24mmと30mm、あるいは20mmと28mmという組み合わせで購入でき、選択しやすくなった。135mm F2.0は、大きくボカすためのレンズとしてチョイスした。


 ●使用レンズ(単焦点)


キヤノンEF135mm F2.0L USM シグマ24mm F1.8EX DG ASPHERICAL MACRO

撮影モード

 撮影モードは、一眼レフでは絞り優先が基本となる。しかしコンパクトデジカメと一眼レフの標準ズームの場合、筆者はプログラムAEを多用する。たとえば今回使用した18-55mmの場合、筆者の好みでワイド側を使うことが多いこともあり、焦点距離18mm相当では絞りをいくつにしようがほとんどパンフォーカスに近いので、あえて絞り優先にしても意味が薄い。また望遠側といっても55mmで開放F5.6ではあまりボケない。したがって絞り優先にする意味が薄く、プログラムAEで撮影することが多い。

 ただしKiss Digital NのプログラムAEの場合、プログラムラインが絞りすぎるきらいがある。今回の撮影の中でも、F6.3で1/8秒などという撮影データが出てきた。いくら何でも1/8秒になってまだ絞るプログラムラインに疑問が残る。確かにF5.6の開放にしてもたいしてシャッター速度が稼げるわけではないが、それでもさらに絞るのはいかがなものだろう。こうした理由のため、後半戦からは絞り優先AEで撮影した。


※作例のリンク先は、撮影した画像データをコピー後にリネームしたものです。クリックすると別ウィンドウで表示されます。
※すべてEOS Kiss Digital Nで撮影しています。
※画像サイズ=3,456×2,304ピクセル、画質(圧縮率)=ファインで統一しています。
※現像パラメータはコントラスト=0、シャープネス=1、色の濃さ=1、色合い=0です。
※キャプション内の撮影データは、使用レンズ / 露出プログラム / 露出時間 / 絞り値 / ISO感度 / 露出補正値 / 焦点距離です。


まずは猫に近寄る

18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/100秒 / 6.3 / 100 / 0 / オート / 52
 さて、猫に近寄る場合だが、まず猫の安全を考えていただきたい。

 この写真、道路に面した植え込みの横に猫がいる。植え込みを利用し、右から回ってそっと近づけば、猫に気づかれず接近できる可能性がある。しかし、気づかれたときに猫が驚いて道路に飛び出し、交通事故にあう可能性がある。正面から近づけば猫は奥に逃げるかもしれないが、道路に飛び出す可能性は低くなる。こうした安全面での配慮もお願いしたい。

 正面から近付くのはもうひとつ理由がある。猫にいきなり逃げられないためだ。

 猫に限らず動物には、安全か危険かを判断する警戒距離というものがある。その距離は猫によって、あるいは場所によって異なるため、「何m」といった基準はないものの、接近するものが警戒距離を超えると猫は逃げる。撮影者がこっそり忍び寄った場合、猫が気付いたときには警戒距離をすでに超えている場合があり、猫はいきなり逃げだす。野生の世界でこっそり忍び寄るのは間違いなく敵なので、忍び寄っているこちらに気が付くと、イコール逃げろという本能が働くのも当然だ。

 そこで、筆者が猫に近付くときは、まず猫にこちらの存在を気付かせるようにしている。そして視線を合わせないようにしながら、少しずつ近づく。じっと見つめるのも捕食者の行動であるから、視線を彷徨わせながら、自然に近寄るのだ。警戒距離まで来ると猫は逃げようとする。そのそぶりが見えたら立ち止まり、時間を掛ける。一定時間その距離を保って安全が見極められると、猫の警戒距離が短くなるので、また少し近寄る。こうして少しずつ近づくのである。

 それでも逃げる猫はいるし、逃げるのではなく他所へ行ってしまう猫も多いのだが、猫に限らず動物に近寄る場合のテクニックなので、覚えておくと良いだろう。


18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/100秒 / 7.1 / 100 / 0 / 太陽光 / 55
 ただし、どうしても近寄れない猫もいるので、そのような場合は左の写真のように構図でカバーすることも必要だ。

 今回は本記事のため、筆者の知るいわゆる猫スポットで近寄りやすい猫を選んでいる。常にここまで近寄れるわけではないが、効果は高い。

 ちなみに、マタタビなどで引き寄せる方もいるが、猫の自然な姿を撮ることができないため、筆者は使用していない。


構図

 ここからは撮影結果を見ながら、具体的な撮影テクニックを紹介したい。まずは構図から。

 まず、一般的にいわれるように、ど真ん中でピントを合わせる日の丸構図はあまりよろしくない。わずかな移動でも写真には大きな差が出るものだからだ。基本的に中央でピントを合わせることはない、と思っていただきたい。


こちらはいわゆる日の丸構図。
18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/125秒 / 8 / 200 / -0.3 / 太陽光 / 55
意識して被写体をセンターから外した例。
18-55mm F3.5-5.6 / 3,456×2,304 / プログラムAE / 1/125秒 / 8 / 200 / -0.3 / 55

 ズームがあるとついアップで撮りがちだが、アップにしてしまうとどこで撮っても同じような写真になってしまう。広角を使って背景を考えること。猫に限らず重要な事柄だ。


ついズームでアップにしてしまうが……
18-55mm F3.5-5.6 / 3,456×2,304 / プログラムAE / 1/320秒 / 14 / 200 / 0 / 43
広角側で背景を入れてみる
18-55mm F3.5-5.6 / 3,456×2,304 / プログラムAE / 1/320秒 / 11 / 200 / 0 / 18

 Kiss Digital Nはフォーカスポイントが7つあるので、こまめに移動させて撮影しよう。オートにしておくのは適切ではない。カメラマンである貴方の意志でピントの位置を決めて撮影しよう。


135mm F2 / 3,456×2,304 / 絞り優先AE / 1/50秒 / 2 / 100 / -0.3 / 135

 普通なら左下の写真の方がバランスの良い構図だが、猫と反対側の背景が幹からはみ出して見えている。こうなると不安定で、あまりの出ている構図になる。この場合、左端に背景が見えない、右下の写真のような構図にすることもある。


18-55mm F3.5-5.6 / 3456×2304 / プログラムAE / 1/50秒 / 5.6 / 200 / -0.3 / 太陽光 / 55 18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/50秒 / 5.6 / 200 / -0.3 / 太陽光 / 55

 階段に手すりがある。横位置ではどうにもじゃまな手すりであるから、手すりの下をくぐって避けて撮影することが考えられる。逆に手すりを入れて、階段らしさを演出してみる手もある。


街中では手すりが邪魔になることも。
28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/1250秒 / 3.5 / 100 / 0 / 太陽光 / 28
そこで手すりの下をくぐって撮影。
28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/1000秒 / 3.5 / 100 / 0 / 太陽光 / 28

あえて手すりを構図にとり入れた例。
28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/1250秒 / 3.5 / 100 / 0 / 太陽光 / 28

 また、そのまま撮る、しゃがんで撮る、縦位置にするなど、変化を考えよう。わずかな作業でも、結果には大きく差が出てくる。普段からいつも意識しながら撮影したい。


135mm F2 / 絞り優先AE / 1/1250秒 / 2 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135 135mm F2 / 絞り優先AE / 1/1250秒 / 2 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135

135mm F2 / 絞り優先AE / 1/1,000秒 / 2 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135

角度を変える

 猫が塀の上で寝ていたため、まずは横から1枚。続いて角度を変えて、正面に回ってもう1枚。猫を驚かさないようにしながら、角度を変えて撮影してみよう。当然背景も変わるので、背景を意識して構図も変更すること。


135mm F2 / 絞り優先AE / 1/800秒 / 2.0 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135 135mm F2 / 絞り優先AE / 1/1,000秒 / 2.0 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135

ローアングルに

 基本的に猫の目線を意識して、できる限りローアングルにする。コンクリートの上なら腹這いになって撮影することもしばしば。汚れても良い服装で撮影に出かけよう。階段などを利用して、楽にローアングルが撮れる場合はチャンスを逃さず撮影しておく。


18-55mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/320秒 / 3.5 / 200 / 0 / 太陽光 / 18 18-55mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/1000秒 / 5.6 / 200 / 0 / 太陽光 / 55

 猫もそうだが、犬は庭や玄関先にいることが多く、柵や網がじゃまになることがしばしばある。基本的に柵をよけて撮影するが、望遠レンズなら大きい柵の隙間を通り過ぎてしまうことがある。ただしボケているようでも写っていることがあるので、望遠なら柵(網)が消えてしまうなどと安易に考えないこと。


28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/1600秒 / 3.5 / 100 / 0 / 太陽光 / 28 28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/640秒 / 5.6 / 100 / 0 / 太陽光 / 135

 入り口の柵の向こうに三毛猫を発見。そのままシャッターを切るとこんな感じになる。そこで正面に回ってしゃがんで撮れば、だいぶ良くなった。


立ち位置そのままで撮影。
28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/60秒 / 5.6 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135
しゃがんで正面に回ってみる。
28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/125秒 / 5.6 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135

 さらに柵の位置を計算して、顔が間から抜け出して見える瞬間をねらい、シャッターを押す。


28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/100秒 / 5.6 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135

 なお、縦位置でローアングルの場合、ボディの右側、シャッターボタンが下になるように構えた方がより低く構えられる。カメラの構え方として、シャッターボタンを上にするよう教える本も多いが、臨機応変で使い分けたい。


ボケ

 EF135mm F2の大きなボケは魅力的だ。筆者は基本的に背景を入れて撮影するが、時には大きくボカして撮ることも一眼レフならではの醍醐味である。


135mm F2 / 絞り優先AE / 1/4,000秒 / 2 / 100 / 0 / 太陽光 / 135 135mm F2 / 絞り優先AE / 1/4000秒 / 2 / 100 / 0 / 太陽光 / 135

 さらに24mm F1.8なら、相当暗いところでも撮影できる。この猫はこれ以上近寄らせてくれなかったが、もっと寄れば背景も大きくぼけるので、面白い作品作りも可能である。


24mm F1.8 / 絞り優先AE / 1/640秒 / 1.8 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 24

 猫たちの見せる様々なポーズや表情も見逃せない。猫たちのポーズは長続きしないので、撮り始めたら油断無くどんどん撮る方がよい。構図を整えることは忘れてならない大切な要素だが、シャッターチャンスを逃してまで構図にこだわるものでもない。まず1枚撮る。次の1枚で、構図を整えよう。


28-135mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/800秒 / 5.6 / 100 / 0 / 太陽光 / 90 18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/125秒 / 8 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 55

18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/160秒 / 8 / 200 / -0.3 / 太陽光 / 18 135mm F2 / 絞り優先AE / 1/400秒 / 2 / 200 / 0 / 太陽光 / 135

ラチチュード

 日向と日陰に猫がいる。これだけのことなのだが、コンパクトデジカメクラスだと日陰がつぶれるか、日向が飛ぶか、案外苦労してしまう。

 Kiss Digital Nは800万画素と画素数が増えたが、ラチチュードも犠牲にならずにちゃんと画質を確保しているようだ。


18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/200秒 / 10 / 100 / 0 / 太陽光 / 55

ストロボ

 やや日陰気味の所に黒猫がいる。この状況では、背景が飛ぶか猫がつぶれるか、どうしても二者択一。そんなときに内蔵ストロボを発光させると、光を補うことができる。


【ストロボ非発光】
18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/200秒 / 9 / 100 / 0 / 太陽光 / 18
【ストロボ発光】
18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/200秒 / 9 / 100 / 0 / 太陽光 / 18

 ただし内蔵ストロボの光量は限られるので、数m以内でないと効果がない。背景のタワーもできるだけ入れられるところで、下がりすぎないようにと距離を調整しながらの1枚。


背景を活かす

 筆者が標準ズームを多用し、また広角側をメインで使っているのは、背景を入れての情景描写を大切だと考えているからだ。

 猫好きにとってはアップの写真でもかまわないが、望遠でも広角でも、背景を意識して作画してこそ、写真としても良い作品になる。


18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/100秒 / 6.3 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 18 135mm F2 / 絞り優先AE / 1/125秒 / 2 / 100 / -0.7 / 太陽光 / 135

18-55mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/1,600秒 / 3.5 / 100 / 0 / 太陽光 / 18

猫と人

 猫は、人と共に生きている。野良猫とは呼ばれるものの、人に餌をもらうことなく野生で生きている猫はきわめて少ない。餌をくれる人がいなくなると、飢え死にしてしまうケースも多いのである。人と共に生きているのが猫なので、人を絡めた写真というのも、今の日本の猫にとってはあるがままの、自然の姿である。


18-55mm F3.5-5.6 / 絞り優先AE / 1/400秒 / 5.6 / 100 / 0 / 太陽光 / 18 135mm F2 / 絞り優先AE / 1/100秒 / 2 / 100 / -0.3 / 太陽光 / 135

18-55mm F3.5-5.6 / プログラムAE / 1/320秒 / 11 / 200 / 0 / 太陽光 / 18

まとめに代えて

 最後に、猫の撮影について心得ていただきたいことがある。それは、猫の居場所をネットで公開しないことである。残念ながら現在の日本には、悪質な人間が存在する。無許可で猫を捕獲して実験動物として販売したり、皮を取る業者がいる。あるいは虐待して殺す変質者もいる。

 もちろん皆さんは、猫好きの良い方と思う。しかし貴方のホームページを見る第三者は、すべてが善意の人間とは限らない。それどころか、里親募集の掲示板に、里親希望を装って子猫をだまし取るような悪徳業者も存在するのが、現実なのである。猫ばかりではない。鳥が営巣していると聞けば見に行って驚かし、巣を放棄させてしまったり、ひどい場合には卵や雛を盗んでしまう輩もいる。珍しい野草が有れば、掘り返して持ち去る人間も多いのである。

 個人情報保護法が施行されたが、生き物たちの個人情報は彼らの生死に直接関わってくる。もちろん、情報が隠されると、被写体を求める筆者などには自爆になるが、猫の幸せのためにはやむを得ない。

 そのため、メールなどでお問い合わせいただいても、直接お会いしたことのない方に猫の情報は返答しかねることをご了解いただきたい。もちろん皆さんも、くれぐれもネット上での猫(や生き物)情報の取り扱いには、ご注意のほどお願いしたい。猫の幸せを願いつつ、良い写真を撮っていただきたい物である。



URL
  キヤノン
  http://canon.jp
  製品情報(EOS Kiss Digital N)
  http://cweb.canon.jp/camera/eosd/kissdn/
  製品情報(EF-S18-55mm F3.5-5.6 II USM)
  http://cweb.canon.jp/ef/lineup/ef_s/ef_s18_55_f35_56ii/
  製品情報(EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM)
  http://cweb.canon.jp/ef/lineup/standard_zoom/ef28_135_f35_56/
  製品情報(EF135mm F2.0L USM)
  http://cweb.canon.jp/ef/lineup/telephoto/ef135_f2l/
  製品情報(24mm F1.8EX DG ASPHERICAL MACRO)
  http://www.sigma-photo.co.jp/lens/wide/24_18.htm



安孫子 卓郎
(あびこたくお) きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。

2005/05/02 00:01
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