“商品写真の撮り方 完全ガイド”より
その4「屋外で撮る」
(2015/3/5 07:00)
この連載は、MdN刊「商品写真の撮り方 完全ガイド プロがやさしく教えるブツ撮りの手引き」(著者:鈴木知子)から抜粋しています。5回にわたり様々な商品写真の撮り方を紹介しますので、どうぞお楽しみに!
人物写真を屋外で撮影する場合、「光線」がポイントになります。「逆光は顔が影になるから、順光で撮影する」というのは大きな間違い。光の方向と影をしっかりと見極めて、魅力的な人物写真が撮れるようにしましょう。
Step 1 背景で写真は変わる
人物撮影では、主役となる人物だけでなく、背景も大切な要素です。背景がごちゃごちゃしていたり、ほかの人物が歩いていたりすると、見る者の視線が主役ではないところに向いてしまいます。
プロポーションよく写すには望遠レンズで撮るのが基本。ただし、望遠レンズは撮影者と人物との距離が離れるので、中望遠くらいが使いやすいでしょう。
背景までピントを合わせると人物が目立たなくなってしまいます。絞りを開けて、背景をぼかすようにします。
Step 2 逆光を使って魅力的に撮る
被写体の後ろに太陽がある状況を「逆光」といいます。顔が影になるため、一般的に逆光写真はNGと思われがちですが、撮影をする際に工夫をすれば、魅力的な写真が撮れる光線です。
逆光で上手に撮るにはいくつかの方法があります。露出補正を+側にして、顔が明るくなるように撮る、ストロボを使って日中シンクロをする、人物の手前からレフ板を当てるなど、これらの方法を状況に応じて使い分けるようにしましょう。
Step 3 晴天では逆光、半逆光を積極的に使う
被写体の斜め後ろに太陽がある半逆光は、とても魅力的な光といえます。白飛びや黒つぶれがなく、肌の質感もきれいなやわらかい写真が撮れるのです。また順光では、人物の前に太陽があるため、まぶしくて目を細めてしまうこともありますが、半逆光ならばまぶしくありません。
また髪の毛が光に照らされ光り輝くのもとてもきれいです。人物撮影では、逆光、半逆光を積極的に使うようにしましょう。また日陰に人物を立たせることで、影のやわらかい写真を撮ることもできます。