“商品写真の撮り方 完全ガイド”より
その5「木のテーブルで撮る」
(2015/3/6 08:00)
この連載は、MdN刊「商品写真の撮り方 完全ガイド プロがやさしく教えるブツ撮りの手引き」(著者:鈴木知子)から抜粋しています。5回にわたり様々な商品写真の撮り方を紹介します。
木のテーブルを使って撮影をするときは、木目を気にしながら被写体を配置するようにします。木目のある板は、継ぎ目や節が“悪目立ち”することがあります。被写体で隠すか、気にならない位置になるように工夫をしましょう。
Step 1 木目をどう見せるか考える
木目のある天板を使うときは、木目を考えて配置します。また継ぎ目や節などは、写真に撮ると気になるものです。継ぎ目ははっきりと斜めになるように使うと、画面に流れも感じ、きれいに撮ることができます。
節や天板にある傷などは“悪目立ち”するので、気になるものは被写体やフレームに入らないように配置しましょう。何もないところに節が写っていると、どうしても気になってしまうものです。節を効果的に見せるには被写体を上手にかぶせるようにします。
Step 2 イメージフォトはどんなライティングでもOK
イメージフォトは、どのようなライティングでも問題なく、雰囲気重視で撮影してかまいません。どのように見せたいかは撮影者が決めることです。
ある程度被写体の詳細を見せる場合は、露出、ライトの位置、レフ板などで工夫をしましょう。全体に光が回ると、被写体をしっかり見せることはできるのですが、イメージフォトとしては弱い印象になってしまいます。光を部分的にカットするなど、ライティングで演出するようにしましょう。
Step 3 雰囲気をつくるライティング
特別な機材を使わなくても、雰囲気のある光をつくることができます。ここでは外部ストロボにハニカムグリッドをつけて撮影をしていますが、クリップオンストロボ用も市販されています。
グリッドは光が回りづらくなるので、スポット的な効果が生まれます。丸い光は得られませんが、黒いボードを使って光をカットすれば同じような効果で演出できます。
ライトと黒ボード、被写体の距離によって、境界の硬さが変わります。ライトに近づけるほうが、やわらかく、なだらかな境界になります。