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夏こそ「防水デジカメ」のススメ(海編)

Reported by 小山安博


 夏は出かけることが多い季節だ。海に山に川にプールに、いろいろなところに出かける機会も多い。今年は節電の夏でもあるし、夏を楽しく乗り切るために遠くに出かけよう、という人も多いかも知れない。

 夏の旅行に持っていくもの、ぜひその1つに加えて欲しいのが「防水デジカメ」だ。防水、防塵、耐衝撃、耐寒性能を備えたコンパクトデジカメを1台持っていけば、夏をさらに楽しく、思い出をさらに鮮やかに記録できるようになる。

 「水に濡れたり砂が入ったりして壊れちゃいそうだからデジカメを置いていく」……防水デジカメならそんな心配は無用だ。デジカメを常に持ち歩き、海でも山でも持って行き、夏の思い出を撮影することができる。

 最近は、デザイン的にもサイズ的にも、普段の持ち歩きで苦にならない防水デジカメが増えてきた。日常のスナップから、旅行の思い出の記録まで、幅広いシーンで活躍できるのが防水デジカメなのだ。


いつでもどこでも誰でも安心して使える

 夏の旅行に最適なカメラといえば防水デジカメ。海でも山でも、どこに行っても使えるというのが最大の強みだ。

 防水デジカメといえば、数m程度の水深でも使える防水性能に加え、砂や塵などの汚れに強い防塵性能、落としても壊れにくいという耐衝撃性能を備えている。精密部品の塊であるデジタルカメラだが、防水デジカメであれば、海や川、プールといった水辺でも、アウトドアの活動中に落としてしまっても、安心して撮影ができるので、撮影を諦める必要がない。

 いまどきの防水デジカメの多くは、GPS機能を持っていることもポイント。旅行の思い出はその時の写真だけではない。「どこに行ったか」も大切な思い出だし、それを写真に記録しておけば、どこで撮影した写真かが一目瞭然。土地勘のない旅先、目印のない山中の川辺の写真を見て、「このきれいな景色、どの辺りだっけ……」と思い出せなくても、GPSで位置情報が記録されていれば、地図上に画像を表示できるようになる。位置情報で撮影場所が分かると、あとから見返したときも楽しい。

 この頑丈でシーンを選ばないという特徴は、そのまま「誰でも使える」という特徴につながる。お父さんお母さんだけでなく、小さな子どもに渡しても、多少のムチャな扱いでは壊れないし、いざ水や砂の上に落としても安心できる。


水中に入れても砂まみれにしても大丈夫。落としてもOKなので、子どもに持たせても安心だ

 いまは夏だが、冬には雪山でスキーやスノボをする場合のカメラとしても活躍できる。もちろん、雪の上に落としても心配ない。スキーウェアのポケットに入れた状態でスキー中に転んでも、壊れる心配をしないでいいのもありがたい。グローブをつけた状態でも操作しやすいように、凹凸がはっきりした大型のボタンを採用したモデルもあり、幅広いシーンでの利用が想定されている。夏から冬まで、1年を通してさまざまなシーンで活用できるのが防水デジカメだ。

 防水デジカメは、単に「水につけて撮影できる」だけのカメラではない。シーンを選ばず、今まで撮れなかったような場所・状況で撮影できる、万能選手なのだ。


いつもと同じようにも撮れる

 というわけで、実際に防水デジカメの実力をチェックしてみよう。今回試用したのは、富士フイルムの防水デジカメ「FinePix XP150」(以下XP150)、「FinePix XP50」(以下XP50)の2機種。

 XP150は、10mまでの水深まで潜れる防水性能、2mの高さからの落下衝撃に耐える耐衝撃性能、-10度まで耐えられる耐寒性能、そして防塵性能を搭載した本格的な防水デジカメ。


カラフルな防水デジカメには、ボディカラーを選ぶ楽しみも。写真はFinePix XP50。左からオレンジ、シルバー、グリーン

 XP50は、5m防水、1.5mの耐衝撃性能に、-10度までの耐寒性能と防塵性能を搭載。防水と耐衝撃の性能はXP150に劣るものの、よりコンパクトに収めたのが特徴だ。

 また、XP150のみとなるGPS機能以外の基本的な撮影機能は同等。XP50の方が低価格なので、コストや機能を考えて、自分の用途に適したモデルを選ぶといいだろう。

 そして今回、防水デジカメの真価を試そうと訪れたのは、沖縄県・宮古島。美しいビーチと海で、防水デジカメを使ってみた。

 まず、宮古島の南東にある吉野海岸に向かった。シュノーケリングのメッカとしても知られるビーチだ。流れもゆるやか。海に入ったとたん、南国の魚が現れ、すぐにサンゴ礁が広がる、シュノーケリングに最適な海岸となっている。初心者でも子どもでも、比較的安心して南国の海を堪能できる場所だ。


沖縄県宮古島の吉野海岸

 たいていの防水デジカメには水中撮影用のモードがあるので、海に入る前に設定しておくといいだろう。あとは通常通りカメラを持って水中に入り、目で見て堪能して、美しい水中の景色があれば写真を撮る。水中での撮影は姿勢が安定しないため、枚数を重ねて、ベストショットを目指すといいだろう。

 この「通常通り」というのがポイントだ。地上で撮影できるように水中でも撮影できるのが防水デジカメの強みで、どんなに地上で便利なコンパクトデジカメも、水中に持ち込むことはできないのだ。


FinePix XP150のシーンモードには、水中関連のモードが3つある。基本的にはベーシックな「水中」で問題ないだろう。そのまま動画ボタンを押すと、動画にも効果が適用される

 もちろん、マリンケースのような水中用ケースを別途購入して、普段のカメラに装着して利用することもできるが、意外に高価でかさばるもの。しかもケース越しの操作となるため、普段通りの使い勝手は実現できないし、カメラ本体も大きくなってしまう。

 マリンケースは、スキューバダイビングで数十mクラスの深度まで潜る場合には必須だが、シュノーケリングで数m潜る程度であれば、防水デジカメで十分。防水性能が5mでも10mでも、通常のシュノーケリングであれば問題がない。ベテランで深く潜れる人であれば、10m防水のXP150の方が安心できる。吉野海岸であれば、少し潜って海底の魚を撮りたい場合も、5m程度の防水で十分対応できそうだ。


防水・防塵性能について

 防水性能は、一般的に「IP○○」で表される保護等級という形で設定されている。以前は「JIS保護等級」ともいわれていたが、国際電気標準会議(IEC)が定める保護等級と統一化され、現在のように「IP」が頭に付いた数字で防水性能が表されている。もっとも、JIS保護等級もIECにのっとっていたため、その性能の表現が大幅に変わったわけではない。

 さて、IPによる保護等級は、数字2ケタが描かれ、最初の1ケタ目が固形物(いわゆるチリや砂)、2ケタ目が水に対する保護等級を示している。固形物は0〜6、水は0〜8までの段階に分かれ、所定の試験を行なってパスした場合に、それぞれの数字を設定することができる。ちなみに、どちらも「0」は保護をしていない状況だ。

 固形物に対する保護では、50mm、12.5mm、1mmといったように、一定のサイズ以上の粉塵が内部に侵入しない、といったテストが行なわれるが、最高レベルの「6」では、サイズに関係なく「粉塵が内部に侵入しない」ことが条件だ。

 水に対する保護等級の場合、水滴のあたる角度や水の勢いなどで分類され、そうした状況でも「有害な影響を受けない」ことが条件。最高レベルの「8」では、「一定の条件で継続的に水没した状況でも内部に浸水しない」ことが要件となっている。

 つまり、「IP68」という防水デジカメがあった場合、これは「粉塵が内部に侵入せず、一定時間水没していても内部に浸水しないカメラ」ということだ。XP150やXP50はもちろんIP68準拠で、一定の条件として「水深10m」「水深5m」が設定されている、ということになる。

 IP自体は「深度」は特に規定していないが、最近の防水デジカメは何メートルまで潜れるかの条件を提示しており、しかも防水性能が上がっているので、シュノーケリングであればほとんど問題になることはないだろう。


陸上・水中とも液晶モニターの明るさが重要

 規定内の深度であれば、安心して海の中で撮影を行なえる。地上と同じように撮影できるが、注意が必要なのはその画角。水中では、空気中と屈折率が異なるため、より大きく(近く)見える。数値にすると1.33倍程度になるといわれているが、要するに同じ画角で撮影しても、地上より狭い範囲しか撮影できないということになる。

 そのため水中で撮影する場合、広角側の画角が広いレンズの方が、魚の大群や広がるサンゴ礁を撮影したい場合に有効だ。例えばXP150/50だと、広角端は35mm判換算で28mmとなっており、水中では37mm程度になる計算。このくらいであれば十分広い撮影ができる。

 レンズの意外なポイントとしては、レンズ前のガラスに撥水加工をしているかどうかがある。水中で撮影したあと、簡単に水滴が取り除けるので、そのまますぐに地上での撮影ができるのだ。水中でも、ちょっと顔を出して撮影したい場合などで、水を弾いてくれるのは便利だ。


FinePix XP50のレンズ。撥水加工が施されているので、水滴が残りにくい

 また夏の炎天下、水中での撮影で大きなポイントになるのが液晶モニターだ。撮影や撮影画像の確認に必須の液晶モニターだが、炎天下や水中では見えにくくなる場合がある。XP150/50では、反射防止加工で直射日光の反射を抑え、さらにモニタ輝度を従来比2倍に上げたという。実際に試してみると、地上、水中どちらの環境でもきちんと画面が見えた。特に姿勢が安定しない水中では、パッと見ただけで画面が視認できるのは良かったし、沖縄の強い日差しの中でも、しっかりと画面を確認できた。


  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

FinePix XP150 / 撮影モード:水中 / 約5.7MB / 4,320×3,240 / 1/420秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm FinePix XP50 / 撮影モード:水中 / 約3.0MB / 4,320×3,240 / 1/200秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm
FinePix XP50 / 撮影モード:水中 / 約3.2MB / 4,320×3,240 / 1/420秒 / F4.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 6.9mm FinePix XP150 / 撮影モード:水中 / 約5.7MB / 4,320×3,240 / 1/280秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm
FinePix XP150 / 撮影モード:水中 / 約5.8MB / 4,320×3,240 / 1/250秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm FinePix XP50 / 撮影モード:水中 / 約5.7MB / 4,320×3,240 / 1/240秒 / F6.2 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm
FinePix XP150 / 撮影モード:水中 / 約5.7MB / 4,320×3,240 / 1/125秒 / F4.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 25mm FinePix XP150 / 撮影モード:オート / 約5.7MB / 4,320×3,240 / 1/480秒 / F4.6 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 9.5mm
FinePix XP150 / 撮影モード:オート / 約5.7MB / 4,320×3,240 / 1/420秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 9.5mm

 静止画撮影だけでなく、最近のデジカメは動画撮影機能が強化されている点も嬉しい。複数台のカメラをいちいち持ち出さなくても、1台で静止画も動画も撮れ、撮りたい場面を逃さず撮影できるのだ。水中で撮影すると、浮遊しているような、滑らかに流れるような動画になって、面白い動画が撮れる。吉野海岸のようにキレイな水中だと、特に楽しい。

 XP150/50の場合、1,920×1,080・30fpsのフルHD動画が撮影できるので、撮影後に大画面テレビに映しても、十分キレイな画質で水中動画を楽しめる。背面にはワンタッチ録画ボタンがあり、あまり複雑な動作がしにくい水中でも、すぐに動画撮影できるのもいい。



 海から上がったあとでも防水デジカメは活躍する。例えば手に水が付いた状態で砂浜にいると、当然のように砂が付く。そうした砂の付いた手で持っても、防水デジカメなら安心だ。


海やプールに、そして普段にも使える防水デジカメ

 便利な防水デジカメだが、水中での撮影にはそれなりに注意が必要だ。

 防水・防塵性能があるといっても、それは完全にボディの蓋が閉まっている場合に限られる。特にメディア室のカバーが開いてしまうと、そこから浸水してしまい、カメラやメディアが壊れる危険性がある。

 準備としては、まずビーチに下りる前に、カバーがきちんと閉まっていて、内部に砂や水が入り込まないかを確認しておく。最近は、カバーの開け閉めに二重のロックを採用し、より安全性を高めている場合があって安心感は高いが、それでも一度確認しておく方がいい。


FinePix XP50のバッテリー室のカバー。浸水を確実に防ぐため、ロックが2つ設けられている。さらに最近の防水デジカメでは、ロックを促す警告画面が出るようになった

 もちろん、水中でのバッテリーやメモリーカードの交換は不可能だし、陸に上がったとしても注意が必要。たいていの防水デジカメはバッテリー室のカバーがシーリングされているが、開けた瞬間、ボディについた水滴が内部に侵入する可能性は高い。バッテリーまたはメモリーカードの交換は、水滴をしっかり拭き取ってからにしたい。

 どちらかといえば、比較的容量の大きなメモリーカードを用意して、カバーを開けないようにした方が良いだろう。またバッテリーについては、水に入る前にしっかり充電しておきたい。

 使い終わったカメラは、ホテルや自宅に帰ったあとにでも真水で洗うといい。防水デジカメなので、流水で軽く洗い流す程度は問題なく、早めにカメラに付いた海の塩や砂を取り除いておいた方が安全だ。

 地上と同じカメラを、そのまま海中に持ち込み、いつもの操作性で、いつも通り撮影できる――それが防水デジカメの真価だ。

 もちろん、海やビーチで安心して利用できるだけでない。水があるところなら、プールでも渓流でも湖でも、それこそ普段の雨やその後の水たまりであっても、何も気にせず持ち出して撮影できる。砂場でどろんこ遊びをする子どもに近づいて、いきなり泥の付いた手で触られても、防水デジカメなら洗い流すだけでいい。

 海やプールをはじめ、この夏、さまざまなレジャーのお供として、防水デジカメを選んでみてはどうだろうか。

(協力:富士フイルム)






小山安博
某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。

2012/7/6 00:00