写真家4人の「ニコン COOLPIX P900」インプレッション

超望遠による強烈な圧縮効果を作品にとり入れる

ポートレート:河野英喜さん「美しい場所で思いっきり望遠にして撮ってみたい」

「都市風景」「自然風景」と続き、3回目を迎える本連載。世界最高・光学83倍ズームレンズ搭載の「COOLPIX P900」に挑戦した写真家4名に、そのインプレッションを聞くインタビュー企画です。

35mm判換算で2,000mm相当の超望遠撮影ができるこのカメラ。手にした写真家は、どんな印象を持ったのでしょうか。

今回は「ポートレート」編です。河野英喜さんの作品とインタビューをどうぞ!(編集部)。

作品写真:河野英喜 状況写真:編集部 人物写真:加藤丈博

COOLPIX P900 / 1/320秒 / F8 / ISO 800 / 357mm(2,000mm相当)
COOLPIX P900 / 1/400秒 / F6.3 / ISO 800 / 178mm(1,000mm相当)

最初にこのカメラを見たとき、どんな印象を受けましたか?

全体的には男性的かつ無骨で、レンズ部分が太めなポッチャリしたカメラだなぁ……というのが第一印象でした。

しかし最大焦点距離が2,000mm相当であることを意識して構えたら、このくらいの大きさは必然だと納得しました。

いままで600mmを超えるような超望遠撮影をしたいと思ったことはありますか?

超望遠で撮影したいシチュエーションは以前から具体的に考えていました。入江にある漁村の防波堤の突端でモデルに立ってもらい、カメラは海側からモデルを狙う。入江の向こう側にある漁村の家並みや、船などを強烈な圧縮効果で引き寄せて、ややノスタルジーな作品を撮影してみたかったのです。

河野英喜(こうのひでき):1968年島根県生まれ。人物写真をメインに撮影。現在は女優やタレントの撮影が多く、D3Sからのニコンユーザー。今はD810がメイン機種だが、銀塩写真もこよなく愛するハイブリッドな写真家。

5段分の手ブレ補正が搭載されています。効果はいかがでしたでしょうか。

手持ちでの撮影では大変重宝しました。ポートレート撮影はどうしても手持ちで微妙な角度を探る撮り方をしがちですが、1,000mmくらいまでは手ブレ補正機能と高速シャッターの併用で上手くいきました。

しかし1,000mmを超えるとわずかな揺れで絵が暴れるので、手ブレ以前に構図やフレーミングがきれいにまとまりません。可能な限り三脚の使用をお勧めします。

液晶モニターがバリアングル式です。使い勝手はいかがでしたか?

崖の上からモデルを撮影するときに使用しましたが、これは便利ですね。腕を伸ばせるポジションなら、画角やアングルを確認しながら撮影できます。特に三脚使用時や、ロケ撮影で足場の不安点な場所での撮影では大きなメリットになるでしょう。

EVFは使われましたか? 撮影時における液晶モニターとの役割分担は?

撮影ではEVFをベースに使用し、撮影後の画像確認に背面モニターを使用していました。さすがに光学ファインダーのように狙った表情を捉えるのはコツがいります。連写を併用したり、シャッターのタイミングを意識しながら撮影しました。

サイドズームレバーは使いましたか?

サイドズームレバーは手持ち撮影で大変重宝しました。24mm相当から2,000mm相当までボタンひとつでズーミングできます。右手の人差し指はシャッターボタンのために確保しておきたいですから、サイドズームレバーは理にかなっていると思います。

右側のレバーがサイドズームレバー。

動画記録もできます。超望遠での動画記録に魅力を感じますか? どのような作品・使い方が考えられますか?

現場でも広角端から望遠端へとズーミングをしながら動画に記録しています。再生すると圧倒的なインパクトでした。今までにないほど圧縮効果のかかった背景となり、よりモデルの存在を際立たせることができそうです。

具体的にはノスタルジーな邦画で、800mmくらいの焦点距離で描かれた回想シーンなどに威力を発揮するのではないでしょうか。

GPSによる位置情報記録に魅力を感じましたか?

撮影直後の記憶はあっても数年経つと場所も曖昧になりがちですが、位置情報が記録できれば、ロケ地を再度訪れる際に便利だと思います。

ただ……プライベートなカメラにはどうかなぁ。秘めごとの多い河野は、OFFにしちゃうかもしれませんね(笑)

一眼レフカメラのサブ機として使ってみたいですか? どのようなユーザーにおすすめできますか?

RAW撮影ができない点や、ピクチャーコントロールなど一部の機能が割愛されていることから、プロのサブ機としては少し不安が残ります。しかし、写真集の中でのバリエーションやスパイスとしては、とても魅力的なカメラだと思います。

AFモードのバリエーションが広く、広角から超望遠まで1台で撮れるカメラなので、写真愛好家のサブ機や、小さなお子さんのいるご家庭にお勧めしたいですね。僕も経験がありますが、学校の行事などで遠くから我が子だけを抜いて撮影したい場面などには絶対重宝します。

見た目はそれほど大げさではないのに超望遠撮影が可能な、ユニークなカメラだと思います。

今後COOLPIX P900で撮影したい被写体や撮影ジャンルがあれば教えて下さい。

北海道や沖縄など遠景の美しい場所でヌードでも撮影してみたいものですね。圧倒的な圧縮効果や、まろやかなボケを生かした優しいヌードです(笑)

COOLPIX P900 / 1/800秒 / F4 / ISO 800 / 4.3mm(24mm相当)
COOLPIX P900 / 1/400秒 / F6.3 / ISO 800 / 178mm(1,000mm相当)

モデル:桑田彩(office warm)
協力:株式会社ニコンイメージングジャパン

デジタルカメラマガジン最新号にもCOOLPIX P900が登場!

「デジタルカメラマガジン2016年4月号」では、河野英喜さんをはじめ、COOLPIX P900に挑戦した写真家4名による作品とテクニックが紹介されています。2,000mm相当の世界をぜひご覧ください!

デジタルカメラマガジン
2016年4月号

(デジカメWatch編集部/本誌:折本幸治)