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オールドデジカメの凱旋:オリンパスCAMEDIA C-5050 ZOOM(2002年)

〜XZ-1の先祖? 切れ味の良いF1.8レンズ
Reported by 吉森信哉

 この連載を開始するにあたって、あるカテゴリーのカメラ群がボクの脳裏に自然と思い浮かんだ。2000年台前半に発売された、高性能&高級コンパクトデジカメ達である。オリンパスCAMEDIAのC-3040 ZOOMやC-4040 ZOOM、キヤノンPowerShotのG3やG5、ニコンCOOLPIXの900番台や5000や5700、ミノルタDiMAGEの7シリーズやAシリーズ、などなど。いやぁ〜、あの頃の高性能コンパクトデジタルカメラの独創性や存在感って、デジタル一眼レフカメラとはまた違う魅力的があったからね。

 というわけで今回のテーマはオリンパス「CAMEDIA C-5050 ZOOM」。いつも立ち寄る新宿の中古カメラ店で見つけたモノで、元箱も付属品もない「本体+レンズキャップ」という商品。まあ、このカメラの電源は単3電池×4本だし、付属品がなくても特に困らないけど、そのぶん、お値段はお安くなっております。ええ、拍子抜けするくらいに。「3〜4人で入った居酒屋のワリカン代金かよ!?」というくらいの低価格だったのよね。

 C-5050 ZOOMは、2002年11月に発売された高級コンパクトデジタルカメラである。当時、CAMEDIAシリーズの最高峰モデルは、約1年前に発売された「CAMEDIA E-20」(※レンズ一体型のデジタル一眼レフカメラ)だったが、その高画質や操作性を継承しつつ、コンパクト化や機動性を追求したモデルなのだ。撮像素子は1/1.8型・有効500万画素CCDで、レンズには開放F値がF1.8-2.6と明るい焦点距離35-105mm相当(35mm判換算)の光学3倍ズームが採用されている。

ボリューム感のあるボディデザインと、マグネシウム合金の材質感がソソる。現行のXZ-1はスマートで女性が持っても似合いそうだが、コレはどう見ても野郎仕様だろう
デザインの趣味は“人それぞれ”だろうが、ボク個人としては、この無骨さがたまらんワケですヨ
上面部は、グリップとは反対側にはみ出すモードダイヤルが印象的。ファインダー部の出っ張りもカッコイイなぁ〜。反対側の底部は、四隅と三脚穴まわりに埋め込まれたラバー製のパーツが目につく。これによって、接地面との密着度が高まる
レンズ鏡筒の外枠には、ズームリング風の幅広ラバーと、フォーカスリング風のローレット加工を施した金属製リング。ええ、どちらも飾りですけどね

 ボディ素材はマグネシウム合金。液晶モニターは1.8型TFTカラーで、上下に可動するマルチアングル機能を備えている。あと、記録メディア用のスロットを2つ搭載している点や、各種のコンバージョンレンズや外部ストロボへの対応なども、このカメラの特長に挙げられる。デュアルスロット(このカメラでは、2つのスロットがそれぞれ2種類の記録メディアに対応)って、何だかリッチな気分が味わえるんだよね。

 CFスロットはCFとMicrodriveを使用可能。もうひとつのxD・SMスロットには、xDピクチャーカードとスマートメディアが……スマメ!!(驚)そうか、このカメラはスマメが使えたんだ。普段から128MBのスマートメディアを持ち歩いているボクとしては、何だかとっても嬉しいゾ(笑)。

グリップ部の横のカードカバーを開くと、メディアスロットが2つ並ぶ。撮影者手前側がCFスロットで、レンズ側がxD・SMスロット 2つのスロットにカードを同時に挿入可能。その際、どちらのカードスロットを使用するかは、背面の「カード切換えボタン」で瞬時に切り換えられる

 発売当時の価格(メーカー希望小売価格・税別)は12万8,000円であった。まあ、決して安くはないお値段だが、それでも22万円のE-20と比べると、少しはお手頃感があったんだよネ、当時としては。とにかく、そんな高級コンパクトデジカメのCAMEDIA C-5050 ZOOMが、居酒屋のワリカン代金並の「3800円」なら思わず買っちゃうでしょうよ、コンパクトデジカメ好きの自分としては!

 実は、ボクはこのC-5050 ZOOMを以前持っていた。購入したのは2003年6月だから、発売から約半年後の事だね。当時、すでにデジタル一眼レフカメラのキヤノン「EOS D60」やニコン「D100」を購入してたし、高性能&高級コンパクトデジカメのニコン「COOLPIX 5000」も持っていた。

 C-5050 ZOOMの購入に際しては、別の高性能&高級コンパクトの候補がもう1機種あった。キヤノンPowerShot G3である。どちらも高性能で明るいレンズが大きなウリだけど、C-5050 ZOOMのレンズは光学3倍の35-105mm F1.8-2.6で、PowerShot G3のレンズは光学4倍35-140mm F2-3。ん〜、G3の光学4倍も魅力だけど、最終的にはボディの素材や高級感、それに搭載機能の高さに惹かれて、C-5050 ZOOMを選んだのである。

 2000年代前半頃の高性能&高級コンデジは、全体的にボディのボリューム感がある。そのぶん、手にした時の重厚さや安定度はハンパなく高い。今年の春、オリンパス「XZ-1」を借りて使ったけど、XZ-1のスリムなボディと比べると、C-5050 ZOOMの存在感というか“メカ度の高さ”は別格! そんでもって、手にした際の「自然とフィットする感じ」も印象的。あ〜、ホント、お世辞や誇張抜きで安心感が違うわぁ〜。

左手側の横(メディアスロットの反対側)のコネクタカバーを開くと、上から「A/V出力端子」、「USB端子」、「DC入力端子」と並ぶ 電源は、リチウム電池パックCR-V3を2個、または単3電池4本。今回はニッケル水素電池を使用。予想以上に持ちが良く感じられた。だが、どういう訳か、電池を交換すると日時設定がクリアされてしまう
このレンズキャップ……C-5050 ZOOM用ではないだろう。取扱説明書には「レンズキャップの穴にレンズキャップ用ひもを通し、〜」って書いてあるけど、そんな穴はないし。ちなみに、レンズキャップを装着した状態で電源を入れると、警告音が鳴り響く。この音、止めてほしいわぁ〜、心臓に悪いから(苦笑)

 でも、操作してみて最初に感じるのは起動の遅さ。9年前のカメラという点を考慮しても、このC-5050 ZOOMは遅過ぎるんじゃない!? 実測してみると、電源ボタンを推してから起動に約5秒もかかっちゃうよ。でもまあ、この機種ばかり使っていると、いつの間にか慣れてくるから不思議。あと、電動ズームの動きもゆっくりなのも許すけど、可動中に「ジジジジ」と連続した細かい異音が入るのは、ちょっとイヤかも。

 それから、古いデジカメの共通の泣き所である液晶モニターの小ささに関しては、1.8型なので、まあギリギリ許す(個人的には1.5型でアウト)。ただし、上下に可動するマルチアングル機能は、下方向には20度しか可動しないので、ハイアングル撮影時の視認性はあまり期待できない。この点に関しては、自由に可動してタテ位置や自分撮りにも対応できる「バリアングル液晶」搭載のPowerShot G3には敵わない。まあ、サイズはどちらも1.8型だけど。

液晶モニターの角度を変えるには、まずモニターの上部を引き出す(下向き20度)。そして、下部を持って上向きに角度を変える(20度、45度、90度の位置でクリックストップ)

 AF測距点の移動に関しても、G3は「アクティブフレームコントロール」でスムーズに任意の位置に移動できる。一方のC-5050Zは「AF/マクロ/MFボタン」を押しながらの操作になり、しかも中央から十字方向にしか移動できない、という制約もある。…あ、手元にない“仮想ライバル機”と比較しても、あまり意味ないですかね(笑)。

左手側の横(上部)には、露出補正ボタンとストロボモードボタンが並ぶ。それらの機能の設定・調節は、各ボタン+背面のダイヤルで行なう。ちなみに両ボタンを同時に押すと、ストロボ補正になる
各ボタンを押すしたときに現れる表示例。そのうちストロボモードの設定画面は、最初のうちはダイヤル回転方向とモニター表示との感覚のズレが気になったり
上面の左手端(露出補正ボタンとストロボモードボタンの近く)には、AF/マクロ/MFボタンと測光ボタンが並ぶ
上面に配置されるコントロールパネル。光学ファインダー(視度調節機能付き)とあわせて、高性能&高級コンデジの証のようなモノかもね
撮影モード時の情報表示はけっこう多彩だが、約3秒後には左右の表示(ストロボモード、ストロボ補正、ドライブ、彩度、シャープネス、コントラスト)が消える。こうした以前のオリンパス機の時間差表示方法、けっこうイヤだったな
撮影モード時にOK/メニューボタンを押すと、こういう画面が表示される。上下左はショートカットメニューで、右が通常のメニューへの入口になる。ちなみに、上下右のショートカットの機能は「ショートカット設定」で変更できる スーパーコンパネ表示。まず、モードメニュー/設定の「スーパーコンパネ」をオンに設定しておく。すると、液晶モニターボタンの操作で、この表示を出すことができる

 その他、C-5050 ZOOMの撮影機能で特筆すべきは、4種類の画作り(標準、ポートレート、風景、夜景)を各撮影モードで活用できる「シーンプリセット機能」、撮影時と再生時におけるヒストグラム表示、被写体に3cmまで近づいて撮影できる「スーパーマクロ機能」、スーパーコンパネ機能、などである。どの機能も今となっては「フツー」ですナァ(笑)。

 それでも、記録メディア用スロットを2つ搭載している点を生かしてスロット間のデータコピーが可能な点や、撮影したRAWデータをカメラ内で「RAW編集」してTIFFやJPEGデータとして再記録できる点などは、今見てもかなり魅力的である。ただし、RAWモードは「RAWのみ」の撮影になり、「RAW+JPEG」で撮影できないのが残念。このあたりにも、ちょっと古さが感じられるねぇ……。

再生モード時にOK/メニューボタンを押すと、この画面が表示される
「情報表示」を選ぶと…たいした情報は表示されてない上、約3秒経つと情報表示が消えちゃう。「ヒストグラム表示」の方はまずまず好印象。約3秒で消えないのが素晴らしい(笑)
再生モード時の表示倍率は最大4倍。どーしても不満に感じてしまう。

 実写した画像をパソコンに取り込んで、モニター上でチェックする。第一印象は「500万画素の画像って意外と小さいのね」ということ。C-5050 ZOOMの最大画像サイズは2,560×1,920ピクセル。ボクが普段使用しているパソコンの液晶ディスプレイは、表示サイズが24型ワイドで、最大解像度は1,920×1,080ピクセルである。このモニターで1,000万画素以上の画像を全画面表示から100%表示に切り替えると、ドーンっと倍率アップするんだけど、C-5050Zの画像だとポヨって控えめにアップする感じなんだよね。「ポヨっ」って感じ。微妙な表現だけど。

 ただし描写はやたらとシャープ!。レンズの光学性能もあるだろうが、画像処理も「シャープさ重視」という味付けじゃないだろうか。その影響か、被写体や撮影状況によっては、そのシャープさが少し過剰に感じられることがある。個人的には、そういう描写傾向は嫌いじゃないけど、たわんだ電線などの斜め線にジャギーが目立ちやすいのは困った。まあ、シャープネスやコントラストを少し低めに設定すれば、ある程度は改善されると思うけどね。

 2〜3年も経てば、性能や仕様の古さが目立ってくるのが、デジタルカメラの世界である。だから、約9年前に発売された本機にも、当然いろんな部分で古さや物足りなさを感じてしまう。たとえば、いくら大口径がウリのレンズでも、広角端の画角が35mm相当じゃ不便だとか、ISO感度の最高値が400と低いとか。でも、このカメラを手にして操作してみると、ここまで紹介してきた機能や仕様、それに各部パーツの完成度などから、メーカーの気合いというか「本気度の高さ」が感じられるのである。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。

・画角

広角端 / C-5050 ZOOM / 約2.7MB / 2,560×1,920 / 1/60秒 / F2.3 / -0.3EV / ISO64 / WB:晴天 / 7.1mm 望遠端 / C-5050 ZOOM / 約2.4MB / 2,560×1,920 / 1/50秒 / F2.6 / -0.3EV / ISO64 / WB:晴天 / 21.3mm

・望遠端のF値

 広角35mm時のF1.8だけでなく、望遠105mm時のF2.6も立派。多くのコンパクトデジタルカメラだと、F5前後(F4.9とかF5.3とか)まで暗くなるからねぇ。

F2.6(絞り開放) / C-5050 ZOOM / 約2.4MB / 2,560×1,920 / 1/100秒 / 0.0EV / ISO64 / WB:晴天 / 21.3mm F5 / C-5050 ZOOM / 約2.5MB / 2,560×1,920 / 1/30秒 / 0.0EV / ISO64 / WB:晴天 / 21.3mm

・歪曲収差

 広角端の画角は焦点距離35mm相当と控えめ(当時としては一般的)だけど、樽型の歪曲収差はけっこう目立つ。現在のカメラのように後から補正しないから目立つのかも。

広角端 / C-5050 ZOOM / 約2.6MB / 2,560×1,920 / 1/125秒 / F4 / 0.0EV / ISO64 / WB:晴天 / 7.1mm

・感度

 最高感度はISO400と低いが、画質は予想以上に良好。全体のザラつき感はあるが、嫌らしい色ノイズは見られないし(この場面では)、細部の描写もけっこうしっかりしている。

ISO64 / C-5050 ZOOM / 約2.8MB / 2,560×1,920 / 1/125秒 / F4 / 0.0EV / WB:オート / 7.1mm ISO100 / C-5050 ZOOM / 約2.8MB / 2,560×1,920 / 1/200秒 / F4 / 0.0EV / WB:オート / 7.1mm
ISO200 / C-5050 ZOOM / 約2.8MB / 2,560×1,920 / 1/320秒 / F4 / 0.0EV / WB:オート / 7.1mm ISO400 / C-5050 ZOOM / 約3.0MB / 2,560×1,920 / 1/800秒 / F4 / 0.0EV / WB:オート / 7.1mm

・RAW現像

 画質モード「RAW」で撮影した画像は、撮影後に「RAW編集」を施して、TIFFやJPEGの各モードで新規画像として保存できる。RAW編集で設定可能な項目は、画質モード、ホワイトバランス、WB補正、シーンプリセット、シャープネス(±5)、コントラスト(±5)、彩度(±5)、ファンクション撮影、トリミング、である。被写体や撮影状況にもよるが、シャープネスやコントラストは少し控えめにした方がベター。

「SILKYPIX Developer Studio Pro5」で現像。全体の彩度を少し上げたうえで、空を印象的に見せるために青色の明度を暗めに調節した カメラ内「RAW編集」。標準的な設定。画質モード(SHQ)、ホワイトバランス(オート)、WB補正(-)、シーンプリセット(標準)、シャープネス(±0)、コントラスト(±0)、彩度(±0)ファンクション撮影(-)、トリミング(-)
カメラ「RAW編集」。何項目か調整。画質モード(SHQ)、ホワイトバランス(オート)、WB補正(-)、シーンプリセット(標準)、シャープネス(-3)、コントラスト(-3)、彩度(+3)ファンクション撮影(-)、トリミング(-)

・作例
C-5050 ZOOM / 約2.3MB / 2,560×1,920 / 1/160秒 / F1.8 / 0.0EV / ISO64 / WB:オート / 7.1mm C-5050 ZOOM / 約3.0MB / 2,560×1,920 / 1/30秒 / F1.8 / -0.7EV / ISO64 / WB:オート / 7.1mm
C-5050 ZOOM / 約2.7MB / 2,560×1,920 / 1/100秒 / F2.6 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 21.3mm C-5050 ZOOM / 約3.0MB / 2,560×1,920 / 1/50秒 / F2.6 / -0.3EV / ISO64 / WB:オート / 21.3mm
C-5050 ZOOM / 約2.9MB / 2,560×1,920 / 1/60秒 / F2.8 / +1.0EV / ISO64 / WB:オート / 7.1mm C-5050 ZOOM / 約1.9MB / 2,560×1,920 / 1/800秒 / F2 / 0.0EV / ISO64 / WB:オート / 11.9mm / スーパーマクロ


吉森信哉
(よしもりしんや)1962年広島県庄原市出身。東京写真専門学校を卒業後、フリー。1990年からカメラ誌を中心に撮影&執筆を開始。得意ジャンルは花や旅。1970年代はカラーネガ、1980年代はモノクロ、1990年代はリバーサル、そして2000年代はデジタル。…と、ほぼ10年周期で記録媒体が変化。でも、これから先はデジタル一直線!? 自他とも認める“無類のコンデジ好き”

2011/9/28 00:00