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【新製品レビュー】富士フイルムFinePix XP150

〜タフネス性能を強化。ツボを抑えたGPS機能付き防水モデル
Reported by 本誌:折本幸治

 今春より、富士フイルムの防水デジカメが強化された。これまで同社が市場で展開してきたFinePix XP30FinePix XP10は、他社製品よりもタフネス性能や撮影機能をシンプルにまとめ、見た目もカジュアルな防水モデルとして健闘していたが、今春からは路線を変更。見るからにアウトドアテイストなスタイリングのFinePix XP150を投入してきた。

 発売は2月11日。価格はオープン。実勢価格は2万600円前後。カラーバリエーションは、オレンジ、ブルー、ブラック。


アウトドアテイストを強調したボディデザイン

 まずは基本的な仕様をざっと紹介しておこう。撮像素子は有効1,440万画素の1/2.3型CMOSセンサー。XP30まではCCDだったので、CMOSセンサーは今回からの採用となる。

 レンズは焦点距離28-140mm相当(35mm判換算)F3.9-4.9の光学5倍ズーム。液晶モニターは2.7型23万ドットとなっている。手ブレ補正はセンサーシフト式。

 FinePix XP30から強化されたのが、防水性能と耐落下衝撃性能だ。それぞれ水深10m、2mを標榜する。FinePix XP30は5mおよび1.5mだったので、特に落下事故に対して安心度が増したのはうれしい。もちろんスキューバダイビングやスノーケリングにおいても、活用範囲が広がることだろう。その他、防塵防滴機構や-10度の耐寒性能をXP二桁系から継承している。

 また前述の通り、外観はXP二桁系からアウトドアギアっぽさがかなり強調された。ごついビスやストラップ取り付け部、そして上面、側面、底面を覆うブラックのパーツなど、これまでのカジュアル路線とは異なるデザインテイストが取り入れられている。どちらが好みかは人それぞれだが、売場において一目でタフネスモデルだとわかるのは、XP150の方だろう。

 外装はグロス仕上げながら滑りにくい表面処理で、最近各社の製品で採用されている。指掛けの位置もほどよく、自分にとっては気持ちのよいホールド感が得られた。

 防水モデルとあってボタン類の操作感は固め。ただし、かつてのようなげんなりするほどの固さはない。

 バッテリーおよび記録メディア室のロックは、他社でも採用例が見られる2重タイプ。万が一の浸水のことを考えると、安心感が高いと感じる。

 液晶モニターは2.7型約23万ドット。92万ドットクラス、あるいは46万ドットクラスに比べると精細感はいまひとつだが、抜群に明るくて見やすい。乾期のサイパン、それも晴天屋外で不自由なくフレーミングできたし、ただでさえ視認性が悪くなる水中でも表示がはっきりと見えた。防水デジカメとして何気にうれしいこだわりだ。

バッテリーおよびメディア室のカバーには2重ロックを採用している 記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカードに対応

実用度の高いGPS機能

 タフネスモデルの定番機能になりつつあるGPS機能だが、本機ももちろん内蔵している。特筆すべきは、2011年3月発売のFinePix XP30から、測位時間が大幅に短くなったことだ。

 頭上が開けているところなら、早ければ電源オンから数秒でコールドスタートを終了。ホットスタートならほぼ一瞬のこともあるほどだ。他社の今春モデルと同様、実用度は大幅に増している。

 また、電子コンパスを新たに搭載。撮影時の方位が記録されるようになった。地図表示こそ不可能だが、ランドマークの表示や登録にも引き続き対応。登録済みのランドマーク数は、XP30の50万件から100万件に増えた。ちなみに、FinePixシリーズでおなじみのピクチャーサーチ(再生モードでの画像絞り込み機能)の検索条件のひとつとして、ランドマーク名を利用した地名検索が用意されている。

 本体上面には、GPSメニューを呼び出す専用のボタンが設けられている。ここで測位優先のON/OFF、測位タイプなどの変更が可能だ。ここで「移動軌跡」をONにすると、メモリーカードにトラックデータファイルを記録できる。

本体上面に専用のGPSボタンを装備。GPS関連の機能をすぐに表示できる GPSボタンからGPSメニューを呼び出したところ
測位タイプの選択。測位時間を短縮したければ「常時ON」、バッテリー消費を抑えたければ「電源ON時のみ」といった具合に選べる 新機能の移動軌跡表示。トラックデータを液晶モニター上で表示する。地図表示がないのは残念
再生時の表示。緯度経度に加えて、電子コンパスによる方位の表示が可能になった

 測位タイプには、電源OFF時にも測位する「常時ON」と「電源ON時のみ」、「OFF」が用意されている。ペンタックスのOpito WG-2 GPSのように、指定時間(現在時刻から12時間など)のみONにする機能も欲しいところだ。

 残念ながらA-GPSには非対応。測位が大きく外れるときもまだあるので、より一層の改良を期待したいところだ。とはいえ一昔前を思うと、十分実用的に進化した思う。

測位をONにして撮影した写真をAperture 3で表示。たまに大きく位置が外れている写真もあるが、GPS機能は旅行のお供として強力なアピールポイントだ

防水デジカメのメインストリームに本格参入

 同じFinePixのEXRセンサー搭載ラインに比べると、撮影機能はシンプルだ。基本的には、シーンぴったりナビ(SR AUTO)で撮影すれば問題ないだろう。

 ただし工夫すれば、使いこなしにつながる機能も多い。例えば屋内など暗いシーンでは、適宜、連写重ね撮りやナチュラルフォトモードを選ぶと効果的だ。

 また、光の条件が良くないものの、旅行などでとにかく記念に撮っておきたいときは、CMOSセンサーになったことで得られた「ダイナミックレンジ優先」「連写重ね撮り」といった、連写合成系の機能が役立つ。

 動画は最大1,980×1,080ピクセル/30fpsでの記録が可能。圧縮方式はH.264で、マイクはモノラルだ。動画ボタンは大きめで独立しており、特に複雑な操作が面倒になりがちな水中でありがたい。動画記録中のズーム操作も可能となっている。

 いうまでもなく、アウトドア向けの防水デジカメとGPS機能は、すこぶる相性が良い。FinePix XP150はその両方を進化させたことで、完成度が増した印象だ。タフネス性能も見た目も本格的となり、画質も富士フイルムらしく自然な色調や階調に好感が持てる。シャッターボタンを押しながらカメラを振るだけでパノラマ写真を撮影できる「ぐるっとパノラマ360」も、旅行・アウトドア向けの機能といえるだろう。

 とはいえ、XP二桁系の小型カジュアルクラスにも需要はあると思うので、そちらの進化にも引き続き期待したい。なお海外ではXP二桁系の最新モデル、FinePix XP50が健闘中だ。


実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

・画角

広角端 / FinePix XP150 / 5.7MB / 4,320×3,240 / 1/550秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 25mm 望遠端 / FinePix XP150 / 5.7MB / 4,320×3,240 / 1/800秒 / F6.2 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm

・水中モード

FinePix XP150 / 5.7MB / 4,320×3,240 / 1/350秒 / F4.8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 13.1mm FinePix XP150 / 5.8MB / 4,320×3,240 / 1/300秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 25mm
FinePix XP150 / 5.8MB / 4,320×3,240 / 1/480秒 / F8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 18.1mm FinePix XP150 / 6.0MB / 4,320×3,240 / 1/340秒 / F4.4 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 7.7mm

・ダイナミックレンジ優先(HDR)

通常撮影 / FinePix XP150 / 3.2MB / 3,072×2,304 / 1/250秒 / F6.2 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm ダイナミックレンジ優先ON / FinePix XP150 / 5.7MB / 4,320×3,240 / 1/350秒 / F3.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm

・料理撮影

※料理モードがないのでSR AUTOで撮影

FinePix XP150 / 5.7MB / 4,320×3,240 / 1/42秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO800 / WB:オート / 8.6mm

・逆光

FinePix XP150 / 5.7MB / 4,320×3,240 / 1/350秒 / F6.2 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 5mm

・動画

  • 作例のサムネイルをクリックすると、未編集の動画ファイルがダウンロードされます。
  • 再生方法などについての個別のお問い合わせにはお応えできかねます。ご了承ください
38.8MB / 1,920×1,080 / 30fps / H.264





本誌:折本幸治

2012/5/8 00:00