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【新製品レビュー】パナソニックLUMIX DMC-FT3

〜GPS機能を搭載した防水・耐衝撃デジカメ
Reported by 本誌:折本幸治

 パナソニックが2009年3月に「LUMIX DMC-FT1」を投入してからはや2年。その後、2010年3月の「LUMIX DMC-FT2」を経て、今年は「LUMIX DMC-FT3」がLUMIXラインナップ唯一の防水・耐衝撃モデルとなっている。

 前モデルDMC-FT2との違いは、GPS機能の内蔵や、AVCHD準拠のフルHD動画への対応など。撮像素子も今期からお目見えした新センサー「ハイスピードCCD」になるなど、見どころは多い。

 発売は2月25日。実勢価格は3万7,200円前後。本体色はスプラッシュブルー、プレシャスシルバー、スパーキーレッド。


トップクラスの防水・耐衝撃性能

 本体のスタイリングは、従来シリーズの雰囲気を踏襲したもの。ただし、直線的なフォルムが特徴だったDMC-FT1とDMC-FT2と異なり、右手側にパームグリップ状のふくらみを持たせるなど、曲面を取り入れているのが眼をひく。実際、ふくらみのおかげで水中でも持ちやすくなったのはうれしい改善点だ。

 耐水深性能は10mから12mに向上した。これは、現行の防水デジカメではトップレベルのスペックになる。2mの対落下衝撃、-10度の耐低温スペックはDMC-FT2から変わっていない。

 屈曲光学式の光学4.6倍ズームレンズも、DMC-FT1およびDMC-FT2から引き継いでいる。焦点距離は、35mm判換算で28-128mm相当。28mm相当という広角端の画角は、ソニーサイバーショットDSC-TX10の25mm相当を除くと、2011年に登場した防水デジカメ共通のスペックだ。開放F値はF3.3-5.9。手ブレ補正機能ももちろん備えている。

 撮像素子は前述した「ハイスピードCCD」。CCDながら高速読み出しに対応することで、AVCHD準拠のフルHD動画記録1,980×1,080/60i(センサー出力60i)に対応する。DMC-FT2まではAVCHD Lite(1,280×720/30fps)だった。動画記録中の光学ズームも可能だ。本機は旅行での利用が大いに考えられるので、動画記録の充実は喜ばしい。ただし音声がモノラルで、かつ音質がいまひとつなのは、穴という穴を塞がないと成り立たない、防水デジカメだけあり仕方がないところだろう。

 DMC-FT2から操作面で大きく変わったのは、モードダイヤルがなくなったことと、本体上面にあったズームレバーは独立した2つのボタンになったこと。また、動画ボタンは本体背面から上面に移動した。モードダイヤルがなくなったのは驚いたが、いまやこの手の製品は、自動でシーンモードを切り替えてくれる「おまかせiAモード」での撮影がメインになるわけで、特に問題はないだろう。動画ボタンの移動も誤操作を防ぐ意味で好ましい。

焦点距離28mm相当からの光学4.6倍ズームレンズを搭載。レンズバリアはない 記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカードに対応。分厚いパッキンが防水性を物語る
バッテリー/メディア室の蓋はロックつき。ロックをしていないと、朱色の警告色が眼につくようになっている
シーンモードを「ビーチ&シュノーケリングモード」に変えると、防水に関する警告表示が現れる

アウトドアと相性の良いGPS機能

 今年発売された防水・耐衝撃デジカメの特徴のひとつして、GPS機能の内蔵があげられる。もともとアウトドアユースを強くした製品ジャンルだけに、同じくアウトドアで使用するGPS機能との相性はよい。待望の機能といえるだろう。

 本機のGPS機能は、同時発表の高倍率ズーム機「LUMIX DMC-TZ20」と同等だ。地名やランドマークの漢字表示が可能で、地名候補の編集も行なえる。詳細は、以前掲載した奥川浩彦氏執筆の新製品レビューに譲りたい。

 位置情報を持っていない状態からGPS衛星を補足して、位置情報を記録できるまでの時間は、約45秒から1分強。状況によってはもっと長いこともある。一度測位したあと、位置情報がカメラに残っている状態からは、8〜15秒程度で位置情報の記録が可能だ。速度面ではスマートフォンに比べてまだまだといったところだが、他メーカーのGPS搭載カメラもカシオを除くと似たり寄ったりであり、もう少し進化を待つことになりそうだ。

水中モードでの画面表示のひとつ。日時、緯度、経度、気圧、水深、方位などが表示される。気圧センサーは同じくGPSを搭載するDMC-TZ20にないポイント 再生モードでは、撮影地の地名やランドマークを表示可能。漢字表示が可能

 なお、カシオEXILIM EX-H20GやキヤノンPowerShot SX230 HSと異なり、撮影していないときの位置情報を書き出すロガー機能はない。ロガー機能があれば、同時に持ち歩いた本機以外のデジタルカメラの撮影画像に後から位置情報を付与できるので、電力消費の問題を解消次第、ぜひ対応してほしい。もともとネイチャーカメラマンが常に持ち歩くサブカメラとして、防水・耐衝撃デジカメの親和性は高い。さらに位置情報を記録できるとなると、単体GPSロガー以上に便利な存在になるはずだ。


完成度の高い防水・耐衝撃デジカメ

 撮影機能では、前述したおまかせiAモードが優秀。それで不満が生じれば、適宜プログラムオートやほかのシーンモードを試すパターンになるだろう。手ブレ補正の効きも良い。旅行で家族に手渡して撮影してもらう場合でも、安心してまかせられると思う。

 小サイズセンサーだけあって、画質に過度の期待をするのはナンセンスだろう。ただし今春から新たに投入されたハイスピードCCDは、期待以上の解像感だった。超解像による不自然さも以前より目立たなくなっている。高感度ノイズについても、昨年の製品からかなり低減されているのがわかる。

 液晶モニターは2.7型23万ドット。3型クラスに比べると一回り面積が狭く、解像度も低い。ただし、屋外での視認性は良く、ゴーグル越しの水中でも見やすいのは助かった。シンプルな操作性とあいまって、シュノーケリング中にストレスを覚えないのはうれしい。撮影可能枚数も約310枚と多めで、プールや海辺で使うと、簡単に電池交換できない防水デジカメの泣き所を多少なりともカバーしてくれる。

 本体重量は約197g(撮影時)。現行の防水デジカメではオリンパスのTG-810に次ぐ重さであり、陸上ではずっしりと重く感じる。耐水深12mというトップクラスのスペックを考えると納得できるものの、3〜5m程度の防水性能で、もう少し軽量な兄弟機があっても良いと思った。

 パナソニックの防水・耐衝撃デジカメは本機で3代目だが、画質も含めて着実に進化しているのがわかる。GPSや防水・耐衝撃関連以外のスペックを考えると、4万円弱という実勢価格は少々高価に感じるが、防水・耐衝撃デジカメとしての完成度は高い。アウトドア派にはおすすめの製品だ。


実写サンプル


・画角
広角端 / DMC-FT3 / 約4.7MB / 4,000×3,000 / 1/1,300秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.9mm 望遠端 / DMC-FT3 / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/400秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 22.8mm

・歪曲収差
広角端 / DMC-FT3 / 約5.1MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:曇り / 4.9mm 望遠端 / DMC-FT3 / 約4.8MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F5.9 / 0.0EV / ISO100 / WB:曇り / 22.8mm

・感度
DMC-FT3 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/40秒 / F5.8 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 20.3mm DMC-FT3 / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F5.8 / 0.0EV / ISO200 / WB:オート / 20.3mm
DMC-FT3 / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F5.8 / 0.0EV / ISO400 / WB:オート / 20.3mm DMC-FT3 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/320秒 / F5.8 / 0.0EV / ISO800 / WB:オート / 20.3mm
DMC-FT3 / 約4.7MB / 4,000×3,000 / 1/640秒 / F5.8 / 0.0EV / ISO1600 / WB:オート / 20.3mm

・マクロ
DMC-FT3 / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F5.5 / +0.7EV / ISO400 / WB:オート / 13.4mm

・逆光
DMC-FT3 / 約4.8MB / 4,000×3,000 / 1/500秒 / F5.5 / 0.0EV / ISO160 / WB:オート / 13.4mm

・撮影モード(一部)
インテリジェントオート / DMC-FT3 / 約4.7MB / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.9mm 通常撮影 / DMC-FT3 / 約4.6MB / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:晴天 / 4.9mm 夕焼け / DMC-FT3 / 約4.7MB / 3,000×4,000 / 1/160秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 4.9mm
ピンホール / DMC-FT3 / 約2.9MB / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO160 / WB:オート / 4.9mm サンドブラスト / DMC-FT3 / 約4.9MB / 3,000×4,000 / 1/160秒 / F10 / 0.0EV / ISO1600 / WB:オート / 4.9mm ハイダイナミック(STD) / DMC-FT3 / 約3.6MB / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F3.3 / 0.0EV / ISO400 / WB:オート / 4.9mm

・水中
DMC-FT3 / 約5.0MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 8.4mm DMC-FT3 / 約5.1MB / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F4.9 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 9.8mm
DMC-FT3 / 約4.5MB / 4,000×3,000 / 1/100秒 / F5.7 / 0.0EV / ISO100 / WB:オート / 17.4mm

・動画
通常撮影 / 19.8MB / 1,980×1,080 / 60i / AVCHD
ピンホール / 19.3MB / 1,980×1,080 / 60i / AVCHD
サンドブラスト / 19.3MB / 1,980×1,080 / 60i / AVCHD




本誌:折本幸治

2011/5/18 00:00