ポートレートの新しい教科書

第5回:ざらついたモノクロ調にポートレートを仕上げる

粗いモノクロの描写は、画像加工ソフトでも演出できます。ポイントになるのが粒子の表現方法。なるべく自然な雰囲気で仕上げていくことが非常に大事な要素になります。

完成画像。色調補正パネルの「白黒」でモノクロ化しました。色みを少しだけセピア調に傾け懐古的な雰囲気を演出。「ノイズ」を加えていますが、粗さが目立ちすぎないように、「ぼかし」や「オーバーレイ」で微調整しています。
元画像

モノクロのざらついた質感を自然なトーンで表現する

画像加工ソフトを使ったモノクロ表現にはいくつかの方法がありますが、おすすめは色調補正パネル内の「白黒」。単に画像をモノクロにするだけでなく、色調を自分好みに調整できたり、カラーフィルターを被せたかのような表現が試せたりします。

粒子の粗い質感はフィルターの「ノイズ」を使って演出します。この際は「ぼかし」のフィルターも合わせて活用します。これを設定することで、粒子の粗さを自然な風合いで仕上げられるようになります。

そして、最後は描画モードを「オーバーレイ」に変更します。この描画モードを設定すると画像のコントラストが上がります。描写に濃淡がつくため、より自然な立体感と共にざらついた質感が表現できるようになります。なお、ここでも描画モードは不透明度を調整しながら効果を馴染ませましょう。ノイズの見え方を基準に調整を行うのがポイントです。

Step.1:ノイズを加える

背景をコピーし、メニュー内「ノイズ」→「ノイズを加える」(1)で画像にノイズを入れます。ここでは30パーセントに(2)。

Step.2:ぼかしを加える

自然な粒子感になるように、少しだけぼかしを。ここでも「ぼかし(ガウス)」(1)を使用。半径は1ピクセル程度に設定します(2)。あまりぼかすと単にピントが甘くなるだけなので注意。

Step.3:モノクロ化する

色調補正パネルから「白黒」(1)を選び、着色にチェックを入れると(2)、ボックス内でマークがつけられるように(3)。好きな色みに変更できます。ここでは少しセピア調に。

Step.4:描画モードを「オーバーレイ」に

レイヤーを追加し、ここで描画モードを「オーバーレイ」に(1)。コントラストの強い仕上がりになりました。

Step.5:不透明度で調節

不透明度のパーセンテージを下げて、画像に「オーバーレイ」の効果を馴染ませます。ここでは40パーセントに(1)。

Step.6:トーンカーブでコントラストを微調整する

最終的にトーンカーブで少しコントラストを抑え、マットな調子に仕上げました。このようにぼかし効果や描画モードを使うと粒子感はさまざまに調整できて楽しいです。

モデル:八木絵璃奈(nikolaschka)

MdN刊「ポートレートの新しい教科書」(著:河野鉄平)税別2,200円。11月24日発売

本連載は、MdN刊「ポートレートの新しい教科書 きちんと学べる人物撮影のスタンダード」(著:河野鉄平)から抜粋・再構成しています。

初心者に向けた基礎知識から、屋外・屋内・スタジオでの撮影をそれぞれカバー。ライティングの組み方や、便利なライティングアクセサリーの使い方、撮影後のレタッチのワークフローまで総合的に紹介されている1冊です。

また、本書の発売を記念して「思いどおりのポートレートを撮る〜 『ポートレートの新しい教科書』発売記念セミナー 〜」が2016年1月16日(土)に開催されます。参加費1,000円、定員50名で参加申し込みを受け付けています。

(河野鉄平)