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OLYMPUS PEN E-P3【第3回】

新しい単焦点中望遠はすごい実力派

Reported by 北村智史


 手持ちのマイクロフォーサーズレンズは、広角が純正のM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6、標準はパナソニックLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.の2本である。となれば、次は望遠系。もちろん、新発売のM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8である。このレンズ、E-PL3の新製品レビューのときにも少し使ってすごくよかったので、発売が待ち遠しくて仕方がなかった。

M. 45mm F1.8付きのE-P3。やっぱブラック欲しいよぉ。でも、シルバー買っちゃったし。ブラック出さないでよねって思うんである

 なにせ、写りはバリバリにいいくせに、お値段が説得力がないくらいに安いんである。世の中には高くて性能のいいレンズは数あるが、安くて写りのいいレンズはそんなにない。

 とは言っても、最初は正直ナメてました。Webサイトに「ママのためのファミリーポートレートレンズ」って書かれてるんである。世間のお母さん方をアマく見ちゃいけないことくらい重々承知しているが、キャッチコピーに「ママの」とか「ファミリー」とかが付いている商品って、たいてい少しユルいところがあるし、だからちょっとじゃなく眉唾気味で見ていたわけである。

 そのうえ、この安さ。レンズ本体が税込み3万6,750円。大手量販店だと実売で3万円を切るくらい。別売のフードが4,200円もするのは少々おもしろくないが、レンズを買ったポイントでゲットできる程度なので、トータルの出費も3万円弱で抑えられる。これはもう、はっきり言って安いです。

 安いからって性能がよくないとはかぎらない。かぎらないとは思うものの、3万円でおつりが来るF1.8の中望遠レンズにどこまで期待できるかは推して知るべし。そんなふうに考えるのが普通ではないか。見た目もそんなに高そうじゃなかったし(実際のところ、プラスティックマウントだと思い込んでた人も多かったようだ)。

 MTFのデータから受ける印象も、平凡もしくはややそれを下まわるレベル。60本/mmのラインが60%をやっと超えるくらいというのは、オリンパスのほかのレンズと比べてもよくはない。絞り開放はちょっと優しいふんわりアマめの描写で、少し絞ればそれなりにシャープになってくれるかな。実質F2.8くらいのレンズだと思っておけばがっかりせずにすむだろう。そんな感じだった。

 それがまあ、撮ってみたらびっくりである。絞り開放から、これはもう何か間違ってるに違いないと言いたくなるくらいにキレる。四隅は少し解像が落ちるけれど、少しふわっとするくらいで、しょぼい標準ズームの四隅みたいに、トリミングしたくなるような見苦しい落ち方ではない。それもF2.8あたりまで絞ればもうばっちり。思い切り見くびっていただけに、驚きも大きかった次第である。

 口径食がとても少ないのもすごい。絞り開放での点光源ボケは、画面中央のは丸くても、四隅に近いところではラグビーボール状にゆがんで写るものだが、このレンズのはしっかり丸い。普通、口径食を少なくするには、光学的に余裕を持たせた設計をする必要があるが、そうするとたいてい大きく重いレンズになっちゃうから、必然的にお高くなってしまう。でも、このレンズは小さくて軽くて安い。なのに、口径食がとても少なくて、だから周辺光量もたっぷりである。そこがまたすごい。

 たぶん、いろんな意味でバランスがいいのだろうと思う。フランジバックと画面サイズ、焦点距離、口径比など。いろいろな条件がうまく重なり合って、まるで魔法のようにこのレンズが生まれたのだろう。

 少しばかりマウントが硬くて、着脱のときによいしょって感じになるのが気になったけれど、まあ、そのうちに馴染んでくれるんではないかと思う。あとはブラックが出なきゃいいなぁと思ってたりする。発売まではブラック出してくれって思ってたけど、もうシルバー買っちゃったし、ブラック出たらくやしいから。待ってる人多いみたいだから出そうな気もするけど。うーん……。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
ガラス越しなので少しフレアっぽいけど、袖口あたりのテクスチャーの出方とかはなかなか。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F2.2 / 1.0EV / ISO200 / WB:オート 少し絞り気味(F3.2だけど)なので四隅までばっちり。もちろん、歪曲収差はほとんどなし。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/640秒 / F3.2 / 0EV / ISO200 / WB:オート
画面の隅々までシャープだと、ピクセル等倍で見るのが楽しい。ファインディテール処理の力もあるんだろうけど。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/2000秒 / F4.5 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート ポートレートレンズとうたうだけあって、ボケは優しくやわらかい。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/80秒 / F2.5 / 0.3EV / ISO200 / WB:太陽光
こういうの撮るときって、まっすぐに撮れなくて恥ずかしい思いをすることが多いのだけれど、デジタル水準器があるとほんと助かる。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 こちらの消火栓はなぜか黄色が定番である。しかも、なぜか地面から少し浮いているのがまた不思議だったりする。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/1000秒 / F2 / 0.7EV / ISO200 / WB:太陽光
手ブレ補正に頼り切っている自分をいましめる意味もあって、最近なるべくオフにしている。で、明るいレンズがありがたかったりするわけ。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 絞り開放。なのに、こんなに解像してるし。それに画面の端のほうでも点光源ボケがちゃんと丸いし。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/160秒 / F1.8 / 0.7EV / ISO200 / WB:太陽光
壁面びっしりのツタで窓まで埋もれそうになっている。そのツタがすでにもう色づきはじめていたりする。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F3.2 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 最短撮影距離の50cm付近で撮ったカット。もう少し寄れるとうれしいけど。やっぱりクローズアップレンズがあったほうがいいかも。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F1.8 / 0.7EV / ISO200 / WB:太陽光




北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。

2011/9/26 00:00