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パナソニックLUMIX DMC-LX3【第11回】

ファームウェアVer.2.1の新機能「ハイダイナミック」を試す

Reported by 安孫子卓郎


 DMC-LX3のファームウェアが大幅にバージョンアップし、Ver.2.1となりました。Ver.2.0で公開が中止されるなど騒動がありましたが、現在は無事公開されています。

 前回のVer.1.3も大きな機能追加を伴うものでしたが、今回のアップデートで、ほぼ新しい機種になったといっても良いでしょう。Ver.2.1での新機能は次の通りです。

 


  • オートホワイトバランス性能の改善。
  • オートフォーカス高速化。
  • 「1:1画像横縦比撮影」機能の追加。
  • 「ホワイトバランスブラケット」機能の追加。
  • シーンモード「ハイダイナミック」機能の追加。
  • 「レンズ位置メモリー(ズーム位置メモリー、MF位置メモリー)」機能の追加。
  • 「メニュー位置メモリー」機能の追加。
  • 露出補正・オートブラケット幅:±3EVへの設定範囲拡張。
  • 「可動ガイドライン」機能の追加。
  • 「再生時ハイライト」機能の追加。
  • 「ユーザー名記録」機能の追加。
  • デジタル赤目補正の[ON]/[OFF]切り替え設定メニューの追加。
  • カスタム設定の保存項目の変更。

 なかでも「1:1画像横縦比撮影」機能の追加とシーンモード「ハイダイナミック」機能の追加は特に大きな機能追加です。ハイダイナミックは2009年秋モデルのLUMIX DMC-FX60などに搭載されている新機能ですから、それを既存のDMC-LX3に入れてくれたというのは、類例に記憶がないほどの画期的な出来事です。

 1:1撮影は要望が高かっただけに、うれしく思うユーザーは多いのではないでしょうか。DMC-LX3のアスペクト比変更は、レンズについたレバーで行ないます。16:9、3:2、4:3の3種類を切り替えるようになっています。1:1はメニューの中に新たな設定が現れ、オンにするとどの位置でも1:1に切り替わります。ハードウェアのレバーが優先されるのはやむを得ないのでしょう。ほかの位置にレバーを動かすとアスペクト比は変更され、また1:1に設定した場所に戻しても、本来のレバーでの設定、たとえば16:9などになります。まあこの程度のことは、機能追加してくれたありがたみに比べれは些細なことです。

 ただ、ここでわかるのは、1:1は本来の仕様設計に入っておらず、当初の選択肢は16:9、3:2、4:3の3種類に割り切ったものを、後からの要望に応えて変更を行ったのだと言うことが推測されます。これは大きなことだと思います。ファームウェアのアップデートで機能追加される場合でも、多くの場合は元々の設計に含まれており、検証や操作性などに問題があって発売時に見送られたものが、後から追加されることが多いように思うからです。当初の設計に入っていなかったと推測される機能が追加されるのは、かなり画期的なことと思います。1:1撮影機能で、ピンホールやサンドブラストといった機能も、よりいっそう楽しめるようになりました。

 なお1:1撮影は、インテリジェントオートと動画では設定できません。シーンモードでは、種類によって画素数は制限されます。マルチアスペクト撮影も、従来の3種類から4種類での撮影に増えました。

撮影メニューから「1:1画像撮影」を選べるようになった 新機能の一つ「ハイダイナミック」

 ハイダイナミックは前述の通り、今シーズンのコンパクト系LUMIXの一部に搭載された新機能です。ISO400に固定され、RAW画像には適応されないといった条件付きではありますが、従来の暗部補正よりさらに効果は高く、使っていておもしろい機能です。感度が上がることもあり、多少ノイズっぽくはなりますが、利便性は勝ります。

 「スタンダード」、「アート」、「B&W」の3種類から選択できますが、通常はスタンダードで問題ないでしょう。アートはかなり彩度が高くなるため、ここぞと言うときに使うと良いでしょう。

 繰り返しになりますが、感度がISO400固定になることに注意が必要です。特にISOオートで常に使う方は、通常なら増感されてISO1600やISO3200になるような場面でもISO400のままなので、手ブレや被写体ブレの可能性が高くなります。こうした機能の場合、最低感度の増加を気にしがちですが、増感されないことも覚えておきたいものです。

 そのほか使い出のある新機能としては、ホワイトバランスブラケットがあります。ブラケットは、緑・赤方向か、黄・青方向の、いずれか片方、シャッターは1回のみ。インテリジェントオートと動画、シーンモードの一部では設定できないなど多少の制限があります。

 ガイドラインの位置変更も特徴的な新機能といえます。従来は構図の中央に十字のガイドラインが表示されていましたが、それを上下左右に変更できます。レンズ位置メモリーとMF位置メモリーも便利な機能です。従来は電源オンにするたびにレンズが広角端かつ無限遠のポジションになりましたが、これを望遠端や最短撮影距離に設定して起動することができるわけです。

 また、メニュー位置がメモリーできるようになったことで、頻繁に設定を変えて撮影する人は使いやすくなったと思います。地味なようですが大きい進歩です。

 なお、新ファームウェアではAFが高速化しています。実際のところファームウェアを更新してしまうとすぐ慣れてわからなくなってしまいますが、通常距離では確かに速くなっています。ただしマクロ撮影では、特に速くなった印象でもありません。

 昔は、カメラメーカーはユーザーを大切にするが、家電メーカーは使い捨て、などと偏見に満ちた発言が横行していたものです。もちろん、フォーサーズやマイクロフォーサーズを擁するパナソニックは、充分大手のカメラメーカーといえますが、旧来のカメラメーカー以上にユーザーを大切にする部分を感じます。今後とも、このような姿勢を持ち続けてほしいものです。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

ハイダイナミック(比較)

プログラムAE
DMC-LX3 / 約2.5MB / 2,736×2,736 / 1/800秒 / F4 / -0.3EV / ISO80 / WB:オート / 5.1mm
ハイダイナミック(スタンダード)
DMC-LX3 / 約3.5MB / 2,736×2,736 / 1/800秒 / F4 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 5.1mm
ハイダイナミック(アート)
DMC-LX3 / 約3.5MB / 2,736×2,736 / 1/800秒 / F4 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 5.1mm
ハイダイナミック(白黒)
DMC-LX3 / 約2.4MB / 2,736×2,736 / 1/800秒 / F4 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 5.1mm
プログラムAE
DMC-LX3 / 約3.7MB / 2,736×2,736 / 1/500秒 / F3.5 / -1EV / ISO125 / WB:オート / 7.9mm
ハイダイナミック(スタンダード)
DMC-LX3 / 約3.5MB / 2,736×2,736 / 1/640秒 / F4 / -1EV / ISO400 / WB:オート / 7.9mm
ハイダイナミック(アート)
DMC-LX3 / 約3.5MB / 2,736×2,736 / 1/640秒 / F4 / -1EV / ISO400 / WB:オート / 7.9mm
ハイダイナミック(白黒)
DMC-LX3 / 約3.0MB / 2,736×2,736 / 1/640秒 / F4 / -1EV / ISO400 / WB:オート / 7.9mm

ホワイトバランスブラケット(G→R)

共通データ:DMC-LX3 / 約3.5MB / 2,736×2,736 / 1/100秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 5.1mm
共通データ:DMC-LX3 / 約3.2MB / 2,736×2,736 / 1/30秒 / F2 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 5.1mm

ハイダイナミック(スタンダード)

DMC-LX3 / 約3.5MB / 2,736×2,736 / 1/160秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO400 / WB:オート / 12.8mm DMC-LX3 / 約3.5MB / 2,736×2,736 / 1/100秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 12.8mm
DMC-LX3 / 約2.5MB / 2,736×2,736 / 1/250秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 5.1mm DMC-LX3 / 約2.8MB / 2,736×2,736 / 1/30秒 / F2 / -1EV / ISO400 / WB:オート / 5.1mm
DMC-LX3 / 約3.6MB / 2,736×2,736 / 1/50秒 / F2.8 / -1EV / ISO400 / WB:オート / 12.8mm DMC-LX3 / 約3.1MB / 2,736×2,736 / 1/30秒 / F2 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 5.1mm

ハイダイナミック(アート)

DMC-LX3 / 約3.6MB / 2,736×2,736 / 1/50秒 / F2.8 / -1EV / ISO400 / WB:オート / 12.8mm DMC-LX3 / 約3.6MB / 2,736×2,736 / 1/200秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO400 / WB:オート / 5.1mm




安孫子卓郎
(あびこたくお)きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。

2009/11/9 00:00


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