PINHOLE ART「PINHOLE LENS 025」

ハードなルックスの針穴写真用ツール

D90との組み合わせ例

 写真の原点とも言えるのが、いわゆる針穴写真だ。時間をも写し込んだような穏やかな描写が受け、時代を問わず多くの愛好者が存在していることでも知られる。

 針穴写真を撮るカメラとして愛好者が用意するのがピンホールカメラだが、最近はデジタルカメラでトライする人も多い。銀塩カメラでもデジタルカメラでも原理は同じで、一番手軽なのはボディキャップ中央に小さな穴を開け、長時間露光するだけ。ただし、穴が大きすぎると絵がシャープにならないし、失敗するとボディキャップが無駄になるところも気になる。

 そんな針穴写真にうってつけのアイテムが、今回紹介する「PINHOLE LENS」だ。PINHOLE ARTというブランドの製品のようで、最近Webショップで頻繁に見かけるようになった。パッケージにある大量のハングルからもわかる通り、韓国の製品らしい。

 同様の製品としては、国内ではケンコーの「ピンホールレンズ」シリーズが古くから存在していた。ただし、今回の製品は従来製品に比べて、見た目のインパクトがものすごい。

パッケージ。左がキヤノンEFマウント用、右がニコンFマウント用ニコン用の外観。分厚い金属板が目をひく
中央の穴が肝心要のピンホール

 仕組みは簡単。ボディキャップの中央に金属板が重ねてあり、その中央の最も薄い箇所に0.25mmの穴が開いているだけだ。基本的にはケンコーの製品と同じだが、金属板を組み合わせた見た目が強烈で、所有欲をくすぐられる。

 編集部ではキヤノン用とニコン用の存在を確認した。価格はスマイルカメラ社の場合、ともに4,400円となっている。お手製レンズキャップの製作費に比べるとべらぼうに高く感じるが、見た目のインパクトと簡便さを考えると、それなりに納得できるかもしれない。

 キヤノン用は黒色、ニコン用は金色の金属板を装備。特にニコン用の見た目が派手で格好良い。もちろんどちらもAFは不可。というよりフォーカス操作は必要ない。絞りを操作する必要もなし。晴天屋外でないとファンダー内が見づらいが、ライブビュー機能を備えたデジタル一眼レフカメラなら、ライブビューをブースト表示することで構図を確認できる場合がある。合わせて高感度撮影に強い機種なら、ISO6400で手持ち撮影、なんてことも可能だ。

 穴が開いているだけなので、製品名の“LENS”はちょっとどうかと思うし、0.25mmとはいえ開きっぱなしなことを考えると、ボディキャップ代わりに常時装着するのもためらわれる。それでもついつい人に見せびらかしたくなる一品だ。

 なお、純正レンズ以外の製品の使用や、ピンホール撮影のようなイレギュラーな使用法は、メーカーが想定した使い方ではないため、くれぐれも自己責任での利用をお願いしたい。

・作例

※撮影に試用したカメラはD90です。
※いずれも800×600ピクセルにリサイズしています。
撮影:鈴木誠(デジカメWatch)

(本誌:折本幸治)

2010/6/22 00:00