- ボディ:キヤノン EOS M
- レンズ:フォクトレンダー カラースコパー X 50mm F2.8
- マウントアダプター:Rayqual DKL-EOS
- マウントアダプター:キヤノン EF-EOS M
- ケース:レザーファクトリーロベル ミラーレス一眼専用ガンホルダー&ベルトセット
9月29日、キヤノン初のミラーレス機「EOS M」が発売になった。キヤノンは最後発でのノンレフレックス機参入となり、マウントアダプターメーカーにとってEF-Mマウントは、いわば最後のフロンティアだ。すでにレイクオールが10月中旬に各種EF-Mマウントアダプターを発売するとアナウンスしており、本稿が掲載される頃にはいくつかのメーカーからEF-Mマウントアダプターが登場しているだろう。
このようにEF-Mマウントアダプターは順次市場に登場するが、出そろうまでには多少の時間がかかる。しかし、EOS Mに関しては、必ずしも対応マウントアダプターを待たなくてもよい。純正マウントアダプター「EF-EOS M」と既存のEOS用マウントアダプターを組み合わせれば、いますぐにでもオールドレンズ撮影が可能だ。キヤノンEOSはフランジバックが44mmで、これは35mm一眼レフのなかで短い部類だ。そのためオールドレンズのベースボディとして人気があり、EF/EF-S用マウントアダプターは各社から多様なタイプが発売されている。これらを組み合わせれば、EF-Mマウントアダプターを待つことなく、手持ちのオールドレンズを活用できる。むろん、すでにEOSでオールドレンズ撮影をしていた人であれば、マウントアダプターの流用が可能となる。要はEF/EF-Sマウントをユニバーサルマウントと見なそうというわけだ。
今回はEOS用のデッケルマウントアダプターをEF-EOS Mに装着した。デッケルマウントアダプターは絞りリングを搭載した手の込んだタイプで、EF-M用が登場するには少し時間を要するだろう。こういうレアなマウントは、アダプター二段重ねで利用する価値が高い。アダプターの二段重ねは無限遠が気になるところだが、今回の組み合わせではレンズの∞マークでおおむね無限遠が出ていた。
なお、EOS用マウントアダプターには電子チップを搭載したものがある。この電子チップはMFレンズでフォーカスアシストを実現するためのものだ。この手のマウントアダプターをEF-EOS Mに装着したところ、通信エラーを起こして撮影できなかった。すべての電子チップ付きマウントアダプターで同様の現象が発生するかは判然としないが、二段重ねで使う際、この点は留意しておいた方がよいだろう。
EOS Mはノンレフレックス機のなかでも小ぶりなので、コンパクト鏡胴のレンズが似合う | マウントアダプターの二段重ねで、デッケルマウントのカラースコパーを装着している |
純正のEF-EOS Mはダブルレンズキットに同梱されている。単体販売は1万2,600円だ | ローレットをまわすと三脚座が取り外せる。耐重性はむろん、使い勝手にも気配りが感じられる |
レイクオールのDKL-EOSは3万4,650円。絞りリング付きなので、いくぶん値が張るアダプターだ |
ドレスアップはレザーファクトリーロベルのガンホルダー&ベルトセットを合わせてみた。ガンホルダーケースは標準ズーム付きのノンレフレックス機がちょうど収まるサイズで、付属のベルトで腰にさげて携行する。カバンからカメラを取り出すよりもスピーディに構えることができ、速写性を重視したカメラケースだ。マテリアルは同社オリジナルのグランドレザーを使っている。ヌメ革をタンニン鞣ししたやわらかいレザーだ。さらに表面に削り加工を施し、マットな風合いに仕上げてある。ノスタルジックな雰囲気を醸し、オールドレンズ付きのノンレフレックス機と相性のよいカメラケースだ。
ロベルのガンホルダー&ベルトセットは1万8,900円。ガンホルダー単体は1万2,600円だ | カメラの外寸が116×73×42mm(横×縦×奥行)で、レンズ幅72mm以内の機種が収納できる |
特製フィンガーストラップが付属する。小指などに引っかけてホールドしよう | キャメルに加え、ブラック、ダークブラウンをラインナップ。どれもマット仕上げとなる |
カラースコパーX 50mm F2.8は、フォクトレンダーの普及価格帯レンズだ。シャープネスとコントラストはマイルドで、そつなく写るタイプのレンズである。ボケ味があまり暴れないため、どんなシーンでも合わせやすい。
今回の作例はすべてJPEG撮って出しを掲載している。EOS MのイメージセンサーはEOS Kiss X6iがベースになっており、JPEG撮って出しは彩度とシャープ処理がややきつめだ。ただし、今回のようにマイルドな描写のレンズを合わせると、JPEG撮って出しのメリハリ感が画をほどよく引き締めてくれる。レンズでJPEGとRAWを使い分けるのも一興だろう。
EOS Mでオールドレンズ撮影する際は、前もってカスタム機能の「レンズなしレリーズ」を「1:する」に設定しておく。これを忘れるとシャッターが切れないので注意しよう。社外製マウントアダプター使用時も内蔵露出計が動作し、絞り優先AEの実絞りで撮影が可能だ。ピーキング機能は未搭載だが、5倍/10倍の拡大表示に対応する。液晶モニターの拡大マークにタッチすると、拡大表示に切り替わる仕組みだ。シャッター半押しで通常表示に復帰できない点は惜しまれるが、オールドレンズのベースボディとして申し分ないモデルといえるだろう。
2012/10/24 00:00