デジカメドレスアップ主義
大口径なのにコンパクト、という快挙
FUJIFILM X-T1 + Speedmaster 35mm F0.95 II
Reported by澤村徹(2016/2/15 08:00)
昨今、大口径レンズと言えば中一光学のスピードマスターシリーズが人気だ。APS-C向けのスピードマスター35mm F0.95を皮切りに、フルサイズ対応の50mm F0.95、85mm F1.2、135mm F1.4と話題性の高い大口径レンズを立て続けに発表している。さて今回、Speedmaster 35mm F0.95 IIが登場することになった。従来モデルよりもコンパクトな鏡胴で、画質面でも大きな進化が見て取れる。X-T1との組み合わせでレポートしよう。
- ボディ:FUJIFILM X-T1
- レンズ:中一光学 Speedmaster 35mm F0.95 II
- ストラップ:ホールドファスト RUCK STRAP-DUCK CANVAS AND LEATHER CAMERA STRAP(ブラック)
- サムグリップ:レンズメイト FUJIFILM X-T1専用サムレスト(ブラック)
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Speedmaster 35mm F0.95 IIはAPS-C向けの大口径MFレンズだ。マウントはソニーEマウント、富士フイルムXマウント、マイクロフォーサーズマウントに対応する。従来モデルは2013年に「中国製大口径レンズの妙味」でレポートしたが、それと今回のマークIIを比べると、圧倒的な小型軽量化に驚かされる。従来モデルが680g、58mm径だったのに対し、マークIIは440g、55mm径と大幅な小型化に成功した。
実際にX-T1に取り付けると、ごく普通の標準レンズといった外観だ。これで35mm F0.95という大口径仕様なのだから恐れ入る。大口径は大きくてもやむなし、という常識はもはや過去のものである。
描写面は解像力の向上と色収差の解消がポイントとなる。従来モデルが10枚羽根の7群10枚だったのに対し、マークIIは9枚羽根の8群11枚構成だ。同名のレンズだが、中身は別ものである。実写してみると、開放で滲みが少なく、堅実なシャープさだ。従来モデルは色収差がそれなりに目立っていたが、マークIIはよく抑えられている。何よりも、開放で周辺部にピントを合わせた場合もしっかりと結像してくれる。絞りの状態を問わず、構図の自由を得られるのはありがたい。外観デザインの凡庸な印象は否めないが、6万円台でF0.95の明るさを我が物にできるのは貴重である。
今回は黒ボディに黒レンズの組み合わせなので、ドレスアップも黒いアイテムを集めてみた。ホットシューに付けたのはレンズメイトのサムレストだ。サムグリップはライカのように軍艦部がフラットなカメラ向けという印象が強いが、本製品はペンタ部のあるX-T1にフィットするように設計されている。EVFのラバーフードを付けたまま装着でき、背面のボタン操作を妨げることなくホールド感を向上する。実用性重視のX-T1と相性の良いアクセサリーだ。
ストラップはホールドファストのRUCK STRAP-DUCK CANVAS AND LEATHER CAMERA STRAPを組み合わせた。同メーカーの初期の頃からラインアップされている製品で、幅65mmという超ワイド仕様が特徴だ。随所にポケットやラバーバンドがあり、予備バッテリー、メモリーカード、眼鏡など、小物類をストラップに収納できる。ストラップのボディはキャンバス、取り付け部はレザーを用いている。ミラーレスだけでなく、デジタル一眼レフと組み合わせてもバランス良く使えるストラップだ。