デジカメドレスアップ主義

コンタックスNレンズが無改造で復活

ソニーα7 + Vario-Sonnar T* 24-85mm F3.5-4.5

  • ボディ:ソニーα7
  • レンズ:カールツァイス バリオゾナー T* 24-85mm F3.5-4.5(コンタックスNマウント)
  • マウントアダプター:KIPON C/N-NEX E
  • カメラケース:ユリシーズ α7/7Rボディスーツ

 オールドレンズファンにとって、コンタックスNマウントは長らく鬼門だった。コンタックスNシステムは完全電子制御のAFカメラだ。2000年にコンタックスN1が登場し、2年後の2002年にはフルサイズイメージセンサーを搭載したコンタックスNデジタルが発売された。レンズはむろんカールツァイス製で、ズームを主体にラインアップしている。比較的新しいツァイスレンズということもあり、他機種で流用したいという要望が持ち上がる。

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 しかしながら、コンタックスNレンズは電子制御のAFレンズだ。マウントアダプターでフランジバックを合わせても、絞り制御ができない。キポンが絞り内蔵型のコンタックスNマウントアダプターを発売していたが、後絞りになるため被写界深度を稼ぎづらいという運用面の難しさがあった。また、カナダのConeos Imaging Corporationという会社がEOS改造を行なっており、この改造を施したレンズは、EOSボディに付けるとAFと絞りをボディ側で制御できるようになる。ただし、改造費が高額な上に、レンズを海外に送る必要があり、日本のオールドレンズファンにはハードルの高い世界だった。

 さて、このようなコンタックスNレンズだが、手軽に復活させるアイテムが登場した。それがキポンのEマウント用電子接点付きコンタックスNマウントアダプターだ。マウントアダプターの前面と背面に電子端子があり、コンタックスNレンズをソニー製ミラーレス機で絞り制御できるようになる。絞り制御はボディ側で行ない、自動絞りで撮影可能だ。さらに絞り値とレンズの焦点距離がEXIFに記録され、画像データの管理という面でも大きなアドバンテージがある。AFこそ使えないが、α7/7Rと組み合わせることで、コンタックスNレンズがフルサイズで復活するわけだ。

キポンのC/N-NEX Eは、焦点工房にて2万6,800円。α7/7Rに対応している
本製品は電子接点を搭載し、ボディ側でレンズの絞り制御を実現している
マウントの前面と底面、双方に電子接点を備えている。電源はボディから供給される仕組みだ
赤く大きなロゴマークが入る。キポンの代表者によると、今後電子接点付きマウントアダプターの複数リリースを予定しているという

 実際にα7でバリオゾナー T* 24-85mm F3.5-4.5を本製品を介して使ってみると、純正レンズをMFで操作するような感覚だった。絞りをカメラボディのダイヤルで制御できる快適さに加え、自動絞りだからファインダーは常に明るい。オールドレンズを使い慣れている人なら、いつもよりラクをさせてもらえることに気づくだろう。マウントアダプターへの電源供給はボディから行なわれるため、充電などの手間はない。ただし、カメラに本製品を装着すると、電源オフ時でもバッテリーが消耗する。また、撮影時のバッテリー消耗も激しいので、長時間にわたる撮影では予備バッテリーを携行した方が安心だろう。

 ドレスアップはユリシーズのα7/7Rボディスーツを合わせてみた。今回ユリシーズは、オープンタイプとフルカバータイプ、2種類のα7/7Rボディスーツを発売する。オープンタイプは背面が大きく開き、α7/7Rの液晶モニターのチルトに対応する。一方、フルカバータイプは背面をしっかりと覆うユリシーズ十八番のスタイルだ。フルカバータイプは言うまでもなくフィット感抜群のケースだが、オープンタイプもグリップ部分をタイト目にすることで、ボディにしっかりとフィットしている。装着は付属ネジで三脚穴に固定する。バッテリーやメモリカードの交換が面倒だが、端子カバーに直接アクセスできるデザインなので、USB経由でスマートにデータ転送や充電が可能だ。使い勝手に配慮した設計が好印象である。

ユリシーズのα7&7Rボディスーツは1万6,800円。グリップの半分を覆うデザインを採用した
オープンタイプとフルカバータイプ、どちらもフロント面のデザインは共通している
オープンタイプはα7/7Rの液晶チルトが可能だ。上下方向とも支障なく可動する
底部をオフセットして、液晶モニターを起こしやすいように配慮している
端子カバーに直接アクセスできるように、側面にえぐりを設けている
フルカバータイプは背面を覆うデザインだ。保護性を重視するならこちらを選びたい

 レンズはバリオゾナー T* 24-85mm F3.5-4.5を選んでみた。コンタックスNシステムには2本の標準ズームがあり、本レンズは上位モデルという位置づけだ。ただし、当時は下位モデルのバリオゾナー T* 28-80mm F3.5-5.6と描写的に大きなちがいが見られないという評価で、あまり人気がなかった。

 本レンズの評価が上がったのは、コンタックスNレンズのEOS改造以降だ。高解像度なデジタル環境でこのレンズを使うと、下位モデルよりもやはりシャープな描き方で、3〜4万円という中古価格にわりによく写る。特に階調性にすぐれており、ツァイスレンズの高描写を十分に満喫できるだろう。キポンから電子端子付きコンタックスNアダプターが登場したおかげで、こうした優秀なレンズが無改造で使えるようになった。ツァイスファンにとって魅力的なマウントアダプターにちがいない。

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α7 / Vario-Sonnar T* 24-85mm F3.5-4.5 / 6,000×4,000 / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 49mm
α7 / Vario-Sonnar T* 24-85mm F3.5-4.5 / 6,000×4,000 / 1/640秒 / F4 / +1.3EV / ISO100 / WB:オート / 46mm
α7 / Vario-Sonnar T* 24-85mm F3.5-4.5 / 6,000×4,000 / 1/800秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 63mm
α7 / Vario-Sonnar T* 24-85mm F3.5-4.5 / 6,000×4,000 / 1/800秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 55mm
α7 / Vario-Sonnar T* 24-85mm F3.5-4.5 / 6,000×4,000 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 24mm
α7 / Vario-Sonnar T* 24-85mm F3.5-4.5 / 6,000×4,000 / 1/1,250秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / 85mm

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp