デジカメドレスアップ主義:フードペイントで質感アップ

GXR MOUNT A12 + Russar 20mm F5.6
Reported by澤村徹

  • ボディ:リコーGXR MOUNT A12
  • レンズ:ルサール 20mm F5.6
  • LMリング:フォクトレンダー ヘリアー50mm F2付属品
  • レンズフード:ユーエヌ スクエアーフード専用キャップ付(49mm)
  • フード塗装:ルミエール レザートーン塗装
  • ストラップ:アクリュ カシェ タイプII for GXR(肩パッド付き)
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 レンズフードといえば、クラシックカメラ用のメタルフードが人気だ。特にライカの世界ではフードコレクターがいるほどで、レンズと負けず劣らず奥深い世界である。その一方で、昨今は市販の汎用フードにもデザインに長けた製品が増えてきた。ユーエヌのスクエアフードもそうした製品のひとつだ。今回はこのスクエアフードにひと手間かけ、オリジナルスタイルを目指してみよう。

 ユーエヌのスクエアフードは、スーパーアンギュロン用のライカ12501を彷彿とさせるデザインだ。事実、同社はスーパーアンギュロン用フードをラインナップしており、それを汎用品にリファインしたのがこのスクエアフードである。樹脂製のフード部とアルミ製のリング部に分かれ、リングは37/46/49mmと3つのバリエーションを用意しているのが特徴だ。スーパーアンギュロン用フードはライカ独自のフック式だが、スクエアフードはリングにねじ切りを設け、レンズのフィルター枠に直接装着できる。ここではルサール20mm F5.6のフィルター径に合わせ、49mm用を選んだ。オールドレンズだけでなく、リコーGR DIGITALやFUJIFILM X10など、高級コンパクト機と組み合わせてもよいだろう。

 スクエアフードはそのままでもインパクトのある外観だが、樹脂製ゆえに高級感があるとは言い難い。そこでルミエールに依頼して、スクエアフードにレザートーン塗装を施してみた。ルミエールはライカのカスタマイズで有名なショップで、ライカ本体はもちろん、フードの塗装も数多く手がけている。レザートーン塗装はニコンF2チタンの外装をモチーフにしており、オールドレンズと相性のよいシックな雰囲気だ。塗装自体は十分な耐久性があり、フードに付属するキャップを着脱しても剥がれることはない。

 今回のセットアップで唯一惜しまれるのは、ルサール20mm F5.6はピントリングといっしょにフィルター枠が回転するため、ピント調整にともなって角形フードが傾いてしまう。広角レンズなのでF8あたりまで絞り、ピントを固定してパンフォーカスで撮るなどの工夫が必要だろう。

無骨なGXRとスクエアフードの相性は抜群だ。ライツの28mmファインダーを合わせてみた絞りがレンズ前面にあるため、フィルターを付けると絞り調整できなくなってしまう
肉厚で存在感のあるフードだが、フード自体の厚みはそれほどでもないルミエールのレザートーン塗装は7,000円から。フードの形状によって価格が異なる
ユーエヌのスクエアフードは、フードとリングに分かれている。実勢価格は6,480円ピントリングを回すとフードが傾いてしまう。フードの位置によって、若干のケラレが発生するので要注意だ

 ストラップはアクリュのカシェタイプIIを選んでみた。このストラップはGXRに最適化されており、狭いスリットにスムーズに装着できる。また、GXRはストラップ取り付け部の高さが左右異なっているが、この差を考慮している点も特徴だ。装着時にストラップの取り付け部が左右ちゃんとそろうため、首から提げたときに違和感がない。汎用ストラップと異なり、現行の特定機種にフィットした設計がなされているわけだ。GXRユーザーには貴重な選択肢といえるだろう。

アクリュのGXR用カシェタイプIIは8,715円。オプションのクッション入り肩パッドを装着しているカメラ本体に装着したとき、取り付け部が左右同じ位置にくるように設計されている
すべての金具をレザーで覆い、カメラを傷つけないように配慮しているカラーバリエーションは全7色をラインナップ。肩パッドなしの場合は6,405円だ

 ルサール20mm F5.6はロシア製の広角レンズだ。後玉がせり出しているため、ボディを選ぶレンズとしてよく知られている。GXR MOUNT A12はこのレンズの装着に対応しており、一切制約なく撮影可能だ。ロシアレンズはツァイスをデッドコピーしたものが少なくないが、本レンズはロシアオリジナルの設計である。描写は個体差が比較的大きいものの、しっかり絞るとすみずみまでシャープで、周辺光量落ちも少ない。特にGXR MOUNT A12と組み合わせると、開放からシャープでポテンシャルの高さを実感できた。ロシアレンズは「安くてよく写る」がアドバンテージだが、ルサールに関しては安い個体でも4万円ほどだ。ロシアレンズのなかではそれなりに値の張るレンズである。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしの撮影画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
GXR MOUNT A12 / Russar 20mm F5.6 / 4,288×2,848 / 1/180秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 20mmGXR MOUNT A12 / Russar 20mm F5.6 / 4,288×2,848 / 1/100秒 / F8 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / 20mm
GXR MOUNT A12 / Russar 20mm F5.6 / 4,288×2,848 / 1/850秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 20mmGXR MOUNT A12 / Russar 20mm F5.6 / 4,288×2,848 / 1/140秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 20mm
GXR MOUNT A12 / Russar 20mm F5.6 / 4,288×2,848 / 1/18秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 20mmGXR MOUNT A12 / Russar 20mm F5.6 / 4,288×2,848 / 1/540秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 20mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2012/1/10 00:00