デジカメドレスアップ主義:エキザクタ開放無限遠の快感

ソニーNEX-5 + アンジェニュー 35mm F2.5 R1
Reported by澤村徹

  • ボディ:ソニーNEX-5(ブラック)
  • レンズ:アンジェニュー 35mm F2.5 R1
  • フード:MSオプティカル M51.5システムフード
  • マウントアダプター:レイクオール LeicaM-SαE
  • マウントアダプター:ハンザ L39-EXAKTA
  • LMリング:近代インターナショナル LMリング3枚セット
  • ストラップ:ユリシーズ グランデ(チョコ)

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 エキザクタマウントのオールドレンズは、マウントアダプター経由でEOSに付けるというのが一般的だ。ただし、これはちょっとした落とし穴がある。キヤノンEFマウントのフランジバックは44mm、それに対しエキザクタマウントは44.7mmで、その差は0.7mmしかない。その上、一部のエキザクタマウントレンズは後玉がせり出しており、そのまま取り付けるとボディ側のミラーと干渉する危険がある。そのためEOS-エキザクタマウントアダプターは、アダプターを若干厚めに作り、ミラー干渉を防ぐタイプが多い。つまり、厳密にはフランジバックが44.7mmを超えており、無限遠撮影ではF8以上に絞り込まなくてはならない。エキザクタマウントはアンジェニューやクセノンが比較的安く買える反面、操作面で制約があるわけだ。

 そこで今回は、NEX-5で開放から無限遠が出るエキザクタシステムを考えてみた。キーアイテムはライカ用のエキザクタマウントアダプターだ。ライカL/Mはフランジバックが短いため、古くから様々なマウントアダプターが製造されてきた。ここで取り上げるハンザ製のL39-EXAKTAは、距離計非連動のアダプターだ。ライカに付けた際はボディの距離計と連動しないため、目測での撮影となる。ただし、NEX-5ならライブビューでしっかりとピント合わせでき、操作面での面倒はない。このL39-EXAKTAをLMリングでライカMマウント化し、NEX用ライカMアダプターに装着。マウントアダプターの3段重ねというやや酔狂なシステムだが、これで開放から無限遠撮影が可能だ。ライカMマウントを汎用マウントととらえることで、NEXに付くオールドレンズの幅が一気に広がるだろう。

このレンズはフィルター径が51.5mmと特殊な上に、オリジナルフードはレアだ。MSオプティカルのM51.5システムフードがお薦めだM51.5システムフードは、内側に市販の58mm径フィルターが装着できる。価格は9,800円
L39-EXAKTAはゼブラ柄のアダプターだ。アンジェニューのデザインと相性がよいレンズとマウントアダプターの口径が近いため、ボディからレンズにかけての連なりが美しい

 ドレスアップ面は、幅広のレザーストラップを合わせてみた。アダプターを3つも重ねているため、小型軽量なNEXといえどもそれなりのウェイトになる。このユリシーズ「グランデ」は肩パットが4cm幅と広く、デジタル一眼レフにも対応したレザーストラップだ。ダメージ加工を施したイタリアンバケッタレザーを用い、ビンテージテイストを前面に押し出している。NEXとの組み合わせでは取り付けがやや窮屈だが、重量のあるレンズを付けたときは安定感のあるストラップだ。

レイクオールのLeicaM-SαEは新旧問わずライカMレンズが装着可能。価格は1万4,700円ハンザのL39-EXAKTAは2万1,000円。近代インターナショナルのLMリングは3枚セットで2万5,200円
ユリシーズのグランデは、クラシコシリーズの最上位モデルという位置づけだ。価格は7,035円ブラウン、チョコなど、全5色をラインナップ。サイズもS/M/Lの3タイプから選択できる

 アンジェニュー 35mm F2.5 R1は軟調なレンズとして有名だ。コントラストがやさしい上にボケ味が浅く、開放気味で撮っても背景の様子がよくわかる。その一方で、ピントの合った部分はカミソリで削いだように鋭く、オールドレンズの中でもひときわ個性的だ。NEXに装着すると35mm判換算52.5mm相当で撮影でき、標準画角で使いやすい。なお、作例はRAWで撮影し、Image Data Converter SRでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
NEX-5 / アンジェニュー 35mm F2.5 R1 / 4,592×3,056 / 1/100秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mmNEX-5 / アンジェニュー 35mm F2.5 R1 / 4,592×3,056 / 1/800秒 / F2.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 35mm
NEX-5 / アンジェニュー 35mm F2.5 R1 / 4,592×3,056 / 1/200秒 / F2.5 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 35mmNEX-5 / アンジェニュー 35mm F2.5 R1 / 4,592×3,056 / 1/30秒 / F2.5 / -0.7EV / ISO400 / WB:オート / 35mm
NEX-5 / アンジェニュー 35mm F2.5 R1 / 4,592×3,056 / 1/1,000秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mmNEX-5 / アンジェニュー 35mm F2.5 R1 / 4,592×3,056 / 1/25秒 / F2.5 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 35mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/9/1 00:00