フォトアプリガイド

Blux Camera Pro(iOS)

豊富な機能を未来的なインターフェイスで操る

 iPhoneのカメラといえば、シンプルなインタフェース&機能が特徴だ。さらに言えば、その簡便な操作性は、ユーザーを選ばないという“ウェアラブルデバイス”としての必要条件を満たしたものともいえる。

 簡単な話、カメラ操作が苦手な人であっても簡単に扱えるようになっているわけだ。また、詳しい人であれば高機能カメラアプリを導入することにより、標準カメラアプリに搭載されていない機能も利用可能。つまりカメラを制御するアプリは、ユーザーが任意に選択できるのである。

 さて、今回紹介する「Blux Camera Pro」は、色温度やコントラスト、ブライトネス、シャープネスなどの任意調整に対応したほか、タイマー撮影、音シャッター、フィルター効果など豊富なカメラ支援機能を搭載する。

 試用したのはバージョン1.0.7。価格は250円だった。

各種機能へは上下左右のスワイプ操作でアクセスできる

 昨今ではタッチパネルを搭載したデジタルカメラが多く出回っているが、このアプリも機能面でいえば、まさにコンパクトデジタルカメラ同等といっても過言ではない。それくらい充実している。

撮影画面。「Temp」部を上下にスライドすると、色温度を任意に調整できる

 基本操作は実に簡単。ピントを合わせたい部分をタッチして、シャッターボタンをタップするだけだ。さらに、被写体をロングタッチすると「AE/AF Locked」と表示され、露出とピントが固定される。これらの操作方法はiPhoneの標準機能でも搭載されているので、感覚としてわかりやすい。

画面をロングタッチすると「AE/AF Locked」と表示され、露出とピントが固定される

 ちなみに本アプリでは、一歩踏み込んだ使い方が可能だ。具体的には、露出とピントを合わせたいポイントを別々に設定できるということ。撮影画面で2カ所タッチすると、はじめにタッチした部分が露出、次にタッチした部分にピントというように設定できる。

2カ所タッチすることで露出とピント位置を別々に設定できる

 基本的な撮影機能としては、「通常シャッター」のほか、「音シャッター」「タイマー」「手ブレ防止」「画面シャッター」「連写」などが用意されている。これら機能は、シャッターボタン部をロングタッチすることで表示でき、それぞれのアイコンをタップすることで、切り替えられる。

シャッターボタンをロングタッチすると、撮影機能を選択できるようになる
「タイマー撮影」は「2秒」「5秒」「10秒」から選択可能

 そのうちの「音シャッター」は、シャッターボタンをタップした後の音に反応してシャッターを切る機能。「画面シャッター」は、撮影画面の任意箇所をタップしてシャッターを切る機能となる。

 なかでも「音シャッター」は特徴的な機能だ。手を叩くまたは大声を出すといった“いきなり大きな音”という状況に反応してシャッターを切るため、徐々に大きな音を出す、または集音(シャッターボタンを押した)状態から大きな音が鳴っている場合などでは反応しない。また、集音状態では、シャッターボタンアイコンがレベルメーター化され、45度を超えるとシャッターが切れるようである。

 さすがに集合写真など、ある程度離れた場所からアクションを起こしシャッターを切るとなると、現実的ではなさそうだが、iPhoneを固定中のガサガサ音などで反応するわけでもなく、そういった意味では使いやすい印象だ。

「連写」は「3枚」「4枚」「5枚」から選べる

 試用していて、すごいと思ったのが「Adjustments」に属する調整機能。撮影画面の「Temp」や「ズーム」と同様に上下のスライダ調整で、「Saturation」(彩度)、「Contrast」(コントラスト)、「Brightness」(明るさ)、「Sharpness」(シャープネス)を操作できるのだ。

撮影画面で左から右にスワイプすると「Adjustments」モードとなる

 じっくり操作するには、iPhoneを固定することが前提となるが、リアルタイム調整の反応速度は上々で、手持ちでも十分サクサク操作できる。

 また、撮影画面の上部にある「▽」をタップするとカメラの切り替え(イン/アウト)やフラッシュ、ぼかしの設定が行なえる。

撮影画面の上部にある「▽」をタップするとカメラの切り替え、フラッシュ、ぼかしの設定が可能
フラッシュは、オート、強制発光、発光禁止の3種類
ぼかし効果は、円形とラインの2種類

 撮影画面で右から左にスワイプ(もしくは、シャッターボタンの上に表示された「Modes&Filters」アイコンをタップ)すると、「Modes&Filters」モードに切り替わる。

右から左へのスワイプにより、「Modes&Filters」モードとなる。表示された2つのダイヤルは、右が「モード」、左が「フィルタ」となっている

「Modes&Filters」では、画面右側に「モード」と「フィルタ」という2つのダイヤルが表示される。「フィルタ」は、「Normal」「Toronto」「Delhi」「Moscow」「Cairo」「Sydney」「Seattle」「Gotham」「Rio De Janeiro」「Seoul」「London」「Kyoto」「Milan」「Shanghai」の14種。「モード」も「Auto」「Landscape」「Night」「WhiteBoard」「Portrait」「Backlit」「Cloudy」「Sunny」「Rainy」「Snowy」「Food」「HighKey」「Macro」「HDR」という14種が用意されており、それぞれ任意の設定を組み合わせて利用できる。例えば、文字の撮影に適した「WhiteBoard」と“デイドリーム&トイフォト”チックなフィルタである「Sydney」を組み合わせて撮影するといったことが可能。フィルタ名が都市名であり、効果の程がイメージしにくいものの、組み合わせによる効果自体はリアルタイム表示されるので、さほど問題にはならないだろう。

「モード」と「フィルタ」の組み合わせは自由だ
シャッターボタンの下に表示された「シャッフル」アイコンをタップすると、ランダムに組み合わせられた「モード」と「フィルタ」の効果が付加される
設定したフィルタ効果などを初期状態に戻したい場合に便利なのが、上から下にスワイプして表示できる「Settings」の「Shake to Reset」だ。この機能をオンにしておくと、iPhoneを振ることで、初期設定にすぐさま戻せるようになる
撮影したデータは、撮影画面で下から上にスワイプすることで確認可能。表示中のデータはFacebookやTwitterなどに投稿(紙飛行機アイコン)できるほか、カメラロールへの保存(フロッピーアイコン)も行なえる

 撮影したデータがカメラロールに保存されず、Blux Camera Proの管理下におかれる点に本アプリの難しさを感じるが、標準アプリからの“乗り換えアプリ”候補として十分に期待できるデキだ。多機能だけど多機能と感じさせないシンプルなインターフェイスは、初心者でもある程度直感的に操作できることだろう。

 標準アプリの機能に不満を覚えたなら、ぜひともオススメしたい1本である。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。