写真展
渡邊耕一写真展 言葉とイメージVol.1「Moving Plants」
(Kanzan gallery)
Reported by 本誌:河野知佳(2016/4/29 19:00)
「Moving Plants」は、渡邊耕一が「イタドリ」という雑草を、10年以上の歳月をかけて追い続けたシリーズである。私たちの日常のどこにでもあるこの雑草は、実はシーボルトによって日本からヨーロッパに持ち込まれ、その強い生命力で欧米各地の生態系を狂わせ、大繁殖していた。渡邊は、人の手によって移動(Moving)させられた日本の名も無き雑草の数奇な運命を、写真だけでもテキストだけでもなく、その組み合わせによって表した。それは、可視化されにくい歴史や複雑さを極める現代社会を表現する、新たな可能性のように思える。
会場・スケジュールなど
- ・会場:Kanzan gallery
- ・住所:東京都千代田区東神田1-3-4KTビル2F
- ・会期:2016年5月10日(火)〜6月4日(土)
- ・時間:11時〜20時
- ・休館:月曜日
- ・入場:無料
OPENING TALK:港千尋(写真家・著述家)×渡邊耕一(写真家)
日時:2016年5月15日日曜日17時~
定員:20名
作者プロフィール
大阪府生まれ。大阪市立大学文学部心理学専攻卒業(1990年)、IMI研究所写真コース修了(2000年)。2015年12月に「Moving Plants」(青幻舎)を発行。
<言葉とイメージ>
2016年5月から全4回の展示を通して、「言葉とイメージ」について考える展覧会シリーズ。マグリットやフーコーをはじめ、さまざまな試みや論考がすでに存在しているが、未だに多くの表現の可能性を残しているこのテーマに、現在の作家たちがどのように向き合っているのかを探る。