写真展

染谷學写真展「道の記」II

(ギャラリー蒼穹舎)

此岸を撮って彼岸を見せようとするのは、多くの先達によってもなされてきた写真の定型である。

そういった意味では凡庸とも言える私の写真たちであるが、この一枚一枚が他ならぬ私の視線であることは大切に思う。

「寂しさとエロさ」 言葉にしてみると、いささかおかしな感じもしないではないが、私が旅をしている時の感情はそのようなものだ。

写真を撮るために訪れているとはいえ、知らない街の夕暮れは寂しい。灯り出すネオンや怪しげな暗がりに胸をざわめかせながらも、
いっそうの寂しさを抱えてひとり宿で酒を飲むのが常である。

しかし、その習性のような「寂しさとエロさ」が私の写真を作ってくれているのならば嬉しいと思う。

私が、人は生きて死んでいくものであると感じるのはそのような寂しさの行きつく果てだからであり、そこに彼岸を垣間見るからである。

(写真展情報より)

  • ギャラリー蒼穹舎
  • 住所:東京都新宿区新宿1-3-5 新進ビル3F
  • 会期:2013年10月14日月曜日〜2013年10月27日日曜日
  • 時間:13時〜19時

(本誌:折本幸治)