写真展

西村陽一郎写真展「見る影がある」

(Roonee 247 photography)

西村陽一郎は1967年東京生まれ。これまで植物や水、ヌードや昆虫などをモチーフにした作品を数多く発表してきました。また、カメラを使わないフォトグラムと呼ばれる物体の影を直接感光材料に焼き付ける手法を使った作品でも知られています。

今回ルーニィでは、女性の身体を撮影した「唖子」「ヌード」「脚」と命名されたブルーの単色で表現されたシリーズから約40点。フォトシンセシスでは、カメラとレンズのフォトグラム作品の「Y氏の光学装置」カラーの鳥の羽のフォトグラム「青いイカロス」をそれぞれ約20点ずつ展示いたします。カメラで撮影した作品、使わずに直接影を定着した作品共に共通する西村陽一郎作品の魅力とは、写真術の基本的な原理である「光が当たったところが黒くなる」という現象から生まれる図像そのものの美しさです。シンプルで最もベーシックな手法を用いながらも、誰もが驚く独創的な発想と極めて鋭敏な感覚によって、馴染みあるモチーフを深遠な宇宙に転化させるその作品にこれまでも多くの人々が虜になってきました。

写真における黒の部分とは、影のことであって、写真家は常にこの影を見つめています。「見る影もない」とは、面影もなく見るに堪えないという意味に使われますが、西村陽一郎は自身が生み出し続けてきた光が刻み込んだ「写真=影」にかつて見たこともなかった美しさを発見し「見る影がある」と静かに語りかけてくるかのようです。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:Roonee 247 photography
  • ・住所:東京都新宿区四谷4-11みすずビル1階
  • ・会期:2015年11月3日火曜日~2015年11月15日日曜日
  • ・時間:12時~19時(最終日16時まで)
  • ・休館:月曜日
  • ・入場:無料

(本誌:河野知佳)