写真展

長島大三郎写真展「GENZABURO ~My Grandfather~」

(Roonee 247 photography)

2011年に私が祖父の写真を撮り始めたのは、「遺影を撮らなければならない」という義務感に似た想いからだった。

何度も祖父のもとへ足を運び、カメラを向け続ける内に、 私はレンズを通して初めて「祖父の死」をリアルに感じ始めていた。 そして2014年6月20日、祖父はこの世を去った。 享年90歳。

祖父の写真を撮り始めてから、3年以上もの時が流れていた。 悲壮感のようなものを感じることはなく、 むしろ祖父を撮り切ったという充実感のようなものが心を満たしていた。

人は死ぬということ――。

祖父はただレンズの前に佇むことで、リアルにそれを感じさせてくれた。

一方で、私は「生きているということ」を記録する喜びに触れた。 遺影を撮るという本来の目的から遠く離れて、無我夢中でシャッターを切った。

今にして思えば、私は死にゆく祖父の写真を撮りながら、 祖父の生命力をこそフィルムに焼き付けようとしていたのかもしれない。

「GENZABURO ~My Grandfather~」。

これは亡き祖父への鎮魂歌〈レクイエム〉ではなく、 祖父が生きた〈生命の痕跡〉にほかならない。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:Roonee 247 photography
  • ・住所:東京都新宿区四谷4-11みすずビル1階
  • ・会期:2015年7月28日火曜日~2015年8月2日日曜日
  • ・時間:12時~19時(最終日16時まで)
  • ・休館:月曜日
  • ・入場:無料

(本誌:河野知佳)