写真展告知
山田新治郎写真展「ある建築家のかたち」
(ニコンサロン)
2016年12月5日 15:00
建築写真の世界に入った27年程前から建築家山田守が設計し現存している建物を記録している。山田守は祖父であるが、私が生まれる3年前に亡くなっているので会ったことはない。祖父との唯一の繋がりは、残された建物の前に立ち、感じ、写し込む、ことだった。
建築家山田守は1894年に岐阜に生まれた。東京帝国大学建築学科卒業直前に同窓の有志と日本で初めての近代建築運動「分離派建築会」を結成し、卒業後は逓信省に入り、技師として多くの逓信省関係の建物を設計した。1949年に山田守建築事務所を設立し、代表作として東京逓信病院、長沢浄水場、東海大学校舎、京都タワー、日本武道館などを残した。初期の頃は、インターナショナルスタイルを取り入れながら曲線を多用したモダンなデザインで評価を得たが、晩年の日本武道館などでは和の要素を取り入れ、京都タワーでは景観問題で批判を受けるなど、そのすぐ後に亡くなったこともあってか、没後の評価は微妙だと感じていた。だが、撮影で立ち会った建物たちは、周りの風景に馴染み、時が経つことで評価も変わり、人々にいとしまれているのを感じた。
建築家が亡くなってから50年が経ったが、残された建物たちはそれぞれしなやかに生き続け、建築家も思っていなかった表情を見せているのではないだろうか。
カラー、モノクロ 56点
会場・スケジュールなど
- ・会場:銀座ニコンサロン
- ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
- ・会期:2016年12月21日(水)~12月29日(木)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
作者プロフィール
写真家。1969年東京生まれ。東京工芸大学短期学部卒業。写真家村井修氏に師事。ドイツに3年間滞在、スタジオ村井を経て、2003年よりフリーランスとして建築写真を中心に活動。
《個展》
「たゆたい 長沢浄水場」青山蔦サロン、東京1996年
「TOKYO のかたち」ギャラリー伝、東京1997年
「浮遊」TIME&STYLE 南青山、東京2008年
《コレクション》
清里フォトアートミュージアム
日本建築写真家協会 会員