写真展
望月茂写真展「神と仏の風景」
(ニコンサロン)
2016年9月23日 15:00
日本人の祖先たちは、遥かな遠い昔から自然との関わりの中で、森羅万象の全ての中に神が宿ると信じてきた。自然崇拝を根本とする信仰に仏教が伝来し、古来の神と仏が共存し、または一部では習合して修験道などが生まれ、土俗的な神々は地域の風土の中で生まれ、民衆の中で信仰されてきた。
2015年、新宿ニコンサロンにおいて写真展「野に在る神仏像」を作者は開催したが、それは神や仏を信仰する人々が作り願を掛けてきた、野に在る神仏像が主体のテーマであった。今回は、神や仏たちを信仰する人々が生み出した世界、宇宙を風景として捉え表現した。
日本人は、周囲を海に囲まれ四季の織りなす美しい自然の中で、長い歴史と独自の文化を育ててきた。私たちは何かを一心に祈る時に、ふと「神様仏様」と願う。神と仏は全く別なものであるのに、何の疑問もなく受け入れているこの不思議さ。
赤い鳥居や注連縄、田園の中にある鎮守の森、野辺に佇む石仏たち。これらは信仰する人々によって生み出された世界である。人工物のこれらも長い時の流れの中で自然と溶け合い美しい日本の原風景を形作っている。今もこの風景は人々に安らぎを与え、心を癒し、願いを託す場である。
日本の神々は、美しい自然の中に宿る。仏もまた然り。
悠久の時の流れの中にある世界の前では、自分は瞬きの間に佇む旅人のごとくではあると作者は思う。古より信じられてきた素朴な信仰の心に寄り添う気持ちで、作者は一瞬のシャッターを切る。
カラー52点。
会場・スケジュールなど
- ・会場:新宿ニコンサロン
- ・住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
- ・会期:2016年10月4日(火)~10月17日(月)
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休
- ・入場:無料
作者プロフィール
1946年静岡県静岡市生まれ。千葉県東金市在住。76年東京綜合写真専門学校卒業。写真展(個展)に、2015年「野に在る神仏像」(新宿ニコンサロン)がある。受賞歴に16年JPS展奨励賞がある。