イベントレポート

【CP+】カメラ機材シェアサービス「Take's One」が出展

ローンチは3月 Android版も開発中

個人が所有する資産(遊休資産)を一時的に貸し出す「シェアリングエコノミー」という概念は、配車サービス「Uber」や民泊手配サービス「Airbnb」といった海外生まれのサービスが日本で提供され始めたことで、少しずつ認知されつつある。

そうした状況の中、日本市場においても、シェアリングエコノミーを事業展開するベンチャーが登場してきている。CP+2017に出展していた「Take's One」もその中の一つだ。

Take's Oneは、カメラやレンズをはじめとした撮影機材全般を、ユーザー間で貸し借りできるアプリ。ユーザーは必要に応じて「貸し手」と「借り手」の2つの立場を行き来する。3月からベータ版サービスを開始する予定だ。

具体的なメリットとして、貸し手は普段使わない機材を貸し出すことで使用料を得られ、借り手は高価で買えない機材を試せたり、カメラ機材を所有していなくても、必要なときにだけ機材を借りて使うことができる。収益は主に利用時の手数料で計上する。

撮影関連の機材であれば、カメラや交換レンズ以外にも、ストロボ、三脚などの機材を貸し借りできる。ベータ版では個々に単体の機材だけに対応している。また、iPhone版のみの提供となっており、Android版は現在開発中とのこと。ちなみに借り手側の人気機材はα7系のフルサイズミラーレスカメラだという。

ブースではサービスの概要を聞けるとともに、ベータ版アプリの操作などを試せた
貸し手側設定画面の一部。レンタル価格などを設定できる
借り手側画面の一部。決済情報などを入力できる
借り手側画面。各カテゴリから借りたい機材を絞り込める
用途によっても借りる機材を選べる
カメラ機材の「お試しレンタル」などを展開するフジヤエービックに貸し手への参加を呼びかけているという
トラブル時の保証金のほか、機材の受け渡し方法、受け渡しエリアなども設定できる

Take's One代表の和田泰弘さんが目標のひとつとして掲げているイメージは、「ユーザー同士が観光地で貸し借りできるようにしたい」。

クルマや住宅のシェアが普及する中で、国内においてカメラ機材のシェア事業が存在しないことに着目。死蔵している機材を貸したい貸し手側の思いや、新製品を店頭以外の自由な場所で試したいという借り手側の思い、そして既存のカメラレンタル系サービスよりも気軽に機材を借りたいという複数の点にニーズを見出し、事業の展開を決めた。

今後の展開については、カメラとレンズのセットなど、複数の機材を組み合わせたパッケージや、アプリからのプッシュ通知、機材が気に入ったらアプリ内から購入できる機能も追加していきたいと話している。将来的には個々の機材に対するユーザーの所感を、メーカーにフィードバックする仕組みも組み込みたいという。イベントやメディアには積極的に露出していきたい意向も明らかにしていた。

「シェアリングエコノミーを当たり前にするには、いろんなことをやっていくしかないと思っています。まず興味を持ってもらって、実際に使ってもらわないと、良さや便利さもわかりません。最初の壁をいかに越えていただくかが重要です。一度使ってもらえれば、リピートしたいと思ってくださるお客様も増えていくと考えています」(和田さん)

Take's One代表の和田泰弘さん

関根慎一