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マンフロット株式会社10周年記念イベントが開催
募集後5日で定員に 好評につき次回開催も検討
2016年10月20日 13:03
写真用品ブランド「マンフロット」(Manfrotto)やジッツオ(GITZO)などを取り扱うマンフロット株式会社は、「マンフロット10周年記念ファン感謝デー」を9月に開催した。
同社によるマンフロットブランドの取扱い10周年を記念する主旨のイベント。10周年というのは、2006年、当時のボーゲンイメージング株式会社がマンフロットやジッツオといった写真用品ブランドを他社より承継し、2009年より現在の社名に変更した経緯による。
本イベントの主な内容は、アウトレット品の販売、写真家によるセミナー、最新製品の展示およびタッチ&トライ、写真用品が当たる抽選くじ。会場は港区芝浦にあるイベントスペース「SHIBAURA HOUSE」。参加費は無料だが事前予約制で、定員は約220名。
イベント告知後約5日で申し込み人数が定員に達し、イベント当日は会場前に参加者が列をなすほどの人気を博していた。
会場はアウトレット品などを販売する1階フロアと、写真家のセミナーを行なう5階フロアからなり、来場者はセミナーの合間の休憩時間などにアウトレット品を探したり、入場時にもらえるチケットを使って抽選をすることができた。
スタッフによれば、アウトレット品は展示会などに置いた展示品が中心で、価格も店頭に並べられているものより1〜2割程度安価とのことだった。
1階フロアには三脚、雲台、カメラバッグを中心に、同社が取り扱うマンフロット、ジッツオ、ラストライト、ナショナルジオグラフィックといったブランドの製品が置かれていた。
講師陣による実践的なセミナーも実施
5階フロアで実施していたセミナーは4つ。野鳥撮影、ネイチャーフォト、鉄道写真、ポートレート撮影の各テーマにそれぞれ講師を招いて行なっていた。
野鳥撮影についてのセッションでは、神田・小川町に店舗を構えるデジスコ・バードウォッチング専門店「Hobby's World」店長の志賀眞さんが登壇した。
野鳥撮影では鳥の瞳や1枚1枚の羽根、羽根についた水滴など、細部にいたるまでしっかりと解像することが重要なポイントの1つとみなされる一方、数十〜百メートル先にいる小鳥を撮ることも多いことから、超望遠撮影に対応したシステムを用意するのが一般的。遠くを撮影する時ほどブレの影響も大きいため、撮影時の足回りも重要な要素だ。
セッションでは志賀氏の撮影した野鳥写真を紹介して野鳥の魅力を伝えていた。また志賀氏は最後に、野鳥撮影やバードウォッチングをこれから始める人に向けて、"お願い"を述べている。
「デジタル化の恩恵で、最近は安くて高性能な機材が増え、野鳥を撮る人も増えてきています。以前ほどお金もかからず、簡単に始められるようになったし、鳥の名前と大体の地域をネットで検索すると、ヒットする数も非常に多いです」
「私としても、ひっそりとやっていた趣味がメジャーになって嬉しいという気持ちはもちろんあるのですが、人が増えると、どうしてもモラルが低下する側面もあって、入ってはいけないところに入ってしまうなどの事件が起こることもあります」
「例えば明治神宮ではここ数年の間に三脚が禁止になりました。三脚使用者が鳥を見るために三脚を立てて、参道を塞いでしまった結果、揉め事が起きて禁止になったという流れです。こういう話ってあちこちで聞きますよね」
「こういったマナーの話は、知っている人は知っているけど、知らない人はまず知ろうとしない。だからショップとしても、継続して啓蒙していかないといけないことだなと思っています。機材メーカーでもこうした啓蒙活動に協力してくださっていますが、私達業界の人間や、メーカーさんの力だけでは多分十分ではないので、皆さんもまわりの方に、マナー面での配慮を呼びかけてくださるとありがたいです」
ネイチャーフォトのセミナーを担当したのは、写真家の斎藤裕史さん。三脚を使ったアングルや構図を中心に、望遠レンズの圧縮効果やスローシャッターを使った水面の流れの表現テクニックなども解説していた。
「三脚がないと、構図がいい加減になりがちです。自分の意図した構図で撮影したいのであれば、まず足回りはカメラ機材に見合った、しっかりしたものを用意しましょう。望んだ光の質や"いい風"は、待つことによって初めて訪れますので、視点を固定してシャッターチャンスを待つときにも三脚は有効です」
鉄道写真家の広田尚敬さんは、近年取り組んでいる鉄道風景の動画を中心に作品を披露した。
動画撮影で愛用している機材は一眼レフ、マイクロフォーサーズ機、コンパクトデジカメまで幅広く、足回りはマンフロットやジッツオの三脚にザハトラーの雲台を取り付けたものを使っている。カメラバッグの中身はレンズやカメラ機材のほか、必要に応じて小型三脚のPIXIも使うという。
「最近は、4Kで撮影した動画の中から1枚の静止画を切り出してみたりもしています。これは車両が来るタイミングを狙って連写した中から一枚を選ぶのにも似ていますが、やっぱりフィルムで写真を撮っていた頃に比べたら、撮るのも、その後の処理も、ずいぶん簡単になったなと感じます。動画もやってみると色々できて面白いんですよね。いずれ鉄道写真のジャンルでも、動画の面白さに気づいて、はまる方が増えてくるのではないかなと思っています」
最後のセッションを担当したのは山田慎二さん。ポートレート撮影に使う機材や、必要な光を生み出すためのテクニックを紹介・解説していた。
このセッションでは、1灯〜3灯までのクリップオンストロボを使った写真の撮り方を説明した。
次回以降の開催も検討中
本イベントの開催経緯について、マンフロットのスタッフに話を聞いたところによれば、前身のボーゲンイメージングから社名を変えて10年の節目を迎えるにあたり、ユーザーに感謝を伝える目的で実施を決めたという。
「当社にとって、今年はボーゲンイメージングから名前を変えて10年目という重要な年。CP+などの展示会以外で、普段あまり接点のないユーザーとの交流がしたいと考えていました」
「なにしろ初めての試みだったので、きちんと参加者が集まるかどうかの予測がたたず、実のところ若干の不安もあったのですが、蓋を開けてみれば、当初設定した枠をこえる数の申込みを早々にいただくことになり、結果としては嬉しい悲鳴といったところです」
「アウトレットの評判もよく、手応えもありましたので、次は10年後の開催、ということはないと思います。今回のフィードバックを受けて、次回の開催内容も構想中です。複数日程でやってみても面白いかもしれないですね」
今年いっぱいまで10周年キャンペーンを実施
なお、マンフロット株式会社は10周年記念企画の一環として、対象製品購入者にアウトドアグッズを進呈する10周年キャンペーンを開催している。期間は10月3日〜12月31日。10月、11月、12月の月ごとに100名、合計300名の応募者に賞品が当たる。
賞品は購入金額で応募できるコースが分かれており、3万円以上の購入でAコースとしてドゥカティ・ロードバイク(5名)、1万5,000円以上の購入でBコースとしてコールマン・カペラ(テント、15名)、2,000円以上の購入でCコースとしてオリジナルレジャーシート(280名)にそれぞれ応募可能となる。
対象製品はManfrotto、Gitzo、Avenger、Lastolite、National Geographic、Genustechブランドの三脚、雲台、バッグをはじめとした全製品。詳細についてはキャンペーンサイトを参照されたい。