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PENTAX初の35mmフルサイズデジタル一眼レフ「K-1」
有効3,640万画素ローパスレス 5軸手ブレ補正の「SR II」も
Reported by 本誌:鈴木誠(2016/2/18 10:03)
リコーイメージングは、35mmフルサイズフォーマットのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-1」を4月下旬に発売する。店頭予想価格は税込27万円台後半の見込み。
ペンタックス初となる35mmフルサイズフォーマットのデジタル一眼レフカメラ。2015年2月5日に開発発表し、2016年春の登場を予告していた。昨年のCP+2015では開幕初日にお披露目されたモックアップが注目を集めたが、今年のCP+2016ではいよいよ「PENTAX K-1」として実機がお目見えする。
ローパスレスのフルサイズセンサーを搭載。5軸手ブレ補正
撮像素子は有効3,640万画素のCMOSセンサー。感度はISO100〜204800。超音波振動によるセンサークリーニング「DR II」を搭載する。画像処理エンジンは「PRIME IV」。RAWは14bit記録。
センサーシフト式の手ブレ補正機構「SR II」を搭載。従来の角度ブレに加え、シフトブレ、回転ブレに対応する5軸補正とした。効果は同社最高というシャッタースピード5段分。流し撮り時には、切り替え操作なしでSRユニットが最適な制御を行うという。
また、SRユニットを用いたモアレ低減機能「ローパスセレクター」や、内蔵GPSユニットと組み合わせて簡易的な天体追尾撮影が可能な「アストロトレーサー」、回転方向にセンサーを動かす「構図微調整」、「自動水平補整」も既存のKマウントAPS-Cデジタル一眼レフカメラから継承する。
1ピクセルずつセンサーを動かし、連写合成することで超解像効果を得る「リアル・レゾリューション・システム」も搭載。K-3 IIから搭載の同機能に加え、合成時に動体の影響を低減する動体補正の有無を選べるようになった。
ライブビューAFはコントラスト検出式。顔検出、追尾、多点オートなどが使える。
動画記録は最大1,920×1,080:60i/30p。ステレオマイク端子、ヘッドホン端子を備える。4Kサイズのインターバル動画も記録できる。
ダイヤルの機能を決めるダイヤル「スマートファンクション」
カメラ上部の「ISO」「+/-」といった項目が並ぶダイヤルは、背面右上に新設された設定ダイヤルの割り当て機能を選ぶための新装備。例えばマニュアル露出時に「ISO」を選んだ場合は、前後ダイヤルで絞りとシャッター速度、新ダイヤルでISO感度をダイレクトに操作できるようになる。
いっぽう、ISO感度や露出補正の設定画面を呼び出す物理ボタンもシャッターボタン付近に残っており、従来のスタイルを好むユーザーへの配慮だとしている。
新機構の可動モニター
液晶モニターは3.2型約103.7万ドット。上下約44度、左右約35度まで可動するフレキシブルチルト式の可動モニターとした。台座部から4本のステーで繋がったモニター部を引き出し、ウエストレベルでの撮影にも対応するという新方式。
また、背面方向キー下ボタンに割り当てられた「アウトドアモニター」設定では、環境光に合わせて画面の明るさを±2段階で調整可能。明るさに合わせて表示コントラストも調節されている。
暗所撮影で便利な「操作部アシストライト」
暗いシーンでの操作に配慮し、レンズマウント上部、SDカードスロット部、レリーズソケット部、液晶モニター背面の四隅にLED照明を備えた。本体上面の照明ボタンに連動して、メニュー内で設定した箇所の照明が点灯する。
撮影モードに、リコー中央研究所の技術を活用
K-1では「肌色補正」モードを新たに搭載。肌の範囲を認識して、好ましいと方向に肌色を変えるというモードで、背景などには影響を与えない。
AFは「SAFOX 12」に
AFシステムは33点測距(中央25点クロス)のSAFOX 12。中央およびその上下3点はF2.8光束に対応。輝度範囲はEV-3〜18(ISO100)。
AFモードは、スポット、セレクト、セレクトエリア拡大(S、M、L)、ゾーンセレクト、33点オートを選べる。
シャッター速度は1/8,000秒〜30秒。リアル・レゾリューション・システムでは電子シャッターを使用する。ストロボ同調速度は1/200秒(内蔵ストロボは非搭載)。シャッター耐久テストは30万回をクリア。
連写速度は最高約4.4コマ/秒(フルサイズ。17コマまで)、約6.5コマ/秒(APS-C。50コマまで)。
ファインダーは視野率約100%。倍率は0.7倍(50mm F1.4レンズ、無限大)。アイレリーフ長は約20.6mm(見口枠より)、約21.7mm(レンズ中心より)。
スクリーンはナチュラルブライトマットIII(非交換式)。