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小林惠写真展「風景色 フクシマノート」

(銀座ニコンサロン)

国は福島第一原発事故後、同心円で20㎞までを警戒区域、30㎞までを計画的避難区域とし、それに続く放射線量の高い飯舘村や川俣村の一部も避難区域に指定した。そして今年の4月、これらの区域は新たに帰宅困難地域・居住制限区域・避難指示解除準備区域と線引きを見直した。

帰宅困難区域は絶望的な立入り禁止区域で、居住制限区域は空間放射線量が年間被ばく積算20〜50mSv(ミリシーベルト)のエリアで、立入りは可能だが住むことはできない。単純計算では2.28〜5.7μSv/h(マイクロシーベルト/時)を計測する区域だ。

作者は、震災の1カ月後から三陸の被災地を数度取材した。その都度帰路は、国道6号を南下し、南相馬から飯舘村の道を選んだ。人気の無い村を通過するたびに、「見てゆくのはフクシマだ!」と確信するようになった。そして、翌月から立ち入り可能な20〜40㎞圏を毎月のように訪ね、線量をノートしながら『沈黙の風景』を撮ってきた。

これらの写真は、震災を含め、「先祖から託され、子孫に託す暮らし」、その普遍の約束事が断たれた里の光景である。モノクロ約60点。

(写真展情報より)

  • 名称:小林惠写真展「風景色 フクシマノート」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータギンザ)1階・2階「ニコンプラザ銀座内」
  • 会期:2012年12月19日〜2012年12月28日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)