カシオ、ISO12800レベルの“HSナイトショット”搭載「EX-ZR20」


 カシオは、最大ISO12800レベルの暗所撮影機能を搭載したレンズ一体型デジタルカメラ「EX-ZR20」を発売する。発売日は3月16日。価格はオープン。店頭予想価格は4万円前後の見込み。

 本体色はパープル、ブラック、ホワイト。

 高速撮影機能を特徴とする「EX-ZR15」(2011年9月発売)の後継モデル。現行モデルの中では、同じく「EXILIM ENGINE HS」を搭載した「EX-ZR200」の下位モデルにあたる。EX-ZR200よりズーム倍率を抑え、モードダイヤルやA/S/M露出モードなどを省略した小型軽量タイプという位置付け。「サクサク撮れる」「快速シャッター」などのキャッチフレーズも、EX-ZR15から引き続き使用するという。撮影間隔は約0.26秒、AF時間は約0.13秒。

 本機固有の主な新機能としては、「HSナイトショット」と「アートショット」が挙げられる。

 HSナイトショットは、従来のHS夜景と同様、暗い場所での撮影時に、連写合成で感度を稼ぐもの。ただしなるべく低感度の撮影画像を合成していたHS夜景と異なり、HSナイトショットでは最初から増感して連写・合成を行なう。結果、ISO12800レベルでの暗所撮影が可能なったという(標準出力感度は最高ISO3200)。夜間の屋外など、これまで撮影できなかったシーンの撮影が楽しめるとしている。

 HSナイトショット時、AF補助光は強制オンとなる。連写枚数は10枚程度。高速連写した画像に対し、位置合わせやノイズ低減処理を行ないつつ合成する。

 もうひとつのアートショットは、他社でいうところのアートフィルターなどに相当するエフェクト系の機能。「トイカメラ」「ソフトフォーカス」「ライトトーン」「ポップ」「セピア」「モノクロ」「ミニチュア」から選択でき、それぞれに3段階の強弱や色調を設定できる。モノクロはセピアは退色具合、粒状感をコントロールできる。

 「プレミアムオートムービー」もEX-ZR20のみの新機能。動画記録時にもシーン認識が働き、カメラが自動的に撮影モードを決定する。適用されるモードは、「人物」「夜景」「風景」「風景+青空」「マクロ」「風景+緑」。

 EX-ZR15から、レンズが広角化・高倍率化したのもトピック。焦点距離28-196mm相当から、25-200mm相当(ともに35mm判換算)になった。開放F値はF3.3-5.9。

 また、シーン自動認識の「プレミアムオート」が、EX-ZR200と同様の「プレミアムオートPRO」になった。逆光を自動判定してHDR処理を行なう。

 その他、EX-ZR200にもあった「背景ぼかし」「HDRアート」などを装備する。

 撮像素子はEX-ZR200およびEX-ZR15と同じスペックの1/2.3型裏面照射型CMOSセンサー、有効1,610万画素。フル解像度での最速連写性能は30枚/秒。

 動画はH.264でフルHD記録に対応。他のEXILIM ENGINE HS搭載機と同じく、ハイスピードムービーも楽しめる。


主な仕様

製品名EX-ZR20
撮像素子1/2.3型有効約1,610万画素裏面照射型CMOSセンサー
レンズ焦点距離25-200mm相当(35mm判換算)F3.3-5.9
最短撮影距離約2cm(マクロ広角)
手ブレ補正CMOSシフト式
感度ISO80-3200
露出プログラムプログラムAE
測光方式マルチパターン、中央部重点、スポット
シャッター速度4-1/10,000秒(プレミアムオートPRO)
液晶モニター3型約46万ドット
記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカード
動画記録H.264(最高1,920×1,080/30fps)など
バッテリーNP-110(USB充電可)
撮影可能枚数約335枚
外形寸法99.9×59×25.7mm
質量約166g(バッテリー、メモリーカード含む)、約139g(本体のみ)



(本誌:折本幸治)

2012/2/2 16:09