宮嶋康彦写真展「東京起源」(新宿ニコンサロン)
東京に暮らし始めてずいぶん歳月が流れた。
四十を過ぎたころから、この街で果てることを夢想するようになっていた。
東京郊外の家が、終の棲家になるのか、と。
その頃から、東京は、のっぴきならない撮影のフィールドになった。
東京、とは、どこ、か。
私が発生した母胎の闇から、遠いのか…。
ぼくが生まれた長崎の海辺から、北東1340キロメートル地点にある東京。
いつからだろう…二つの都市を繋ぐ闇のありようを考えるようになった。
闇をまさぐる情動が東京撮影の後ろ盾となった。
ぼくは、てんでに東京の夜を徘徊する。暗がりに溶けこもうとしてきた。
けれども、東京は明るい。あまりに昼化された都市に遭遇することになる。
きみの双眸や耳の奥にさえ、この街の光彩が射しこんだ。
それでも、闇らしきを見つけたときには、慰安のシャッターを切った。
東京、とは、どこ、か。
私が発生した母胎の闇から、遠いのか…。
プラチナ・パラジウムプリント40点。(写真展情報より)
- 名称:宮嶋康彦写真展「東京起源」
- 会場:新宿ニコンサロン
- 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1新宿エルタワー28階
- 会期:2012年1月17日〜2012年1月23日
- 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
- 休館:会期中無休
2011/12/22 17:04