ペンタックスフォーラム、勝田尚哉写真展「築く II」


 ペンタックスフォーラムは、勝田尚哉写真展「築く II」を6月8日から実施する。


大変に込み入ったプロセスを背景にこれら写真それぞれの状況があり、これらの状況自体がまた完成に向けたプロセスである。そして立場・役割を異にした実に沢山の人がそれら状況に関っている。彼等の一部が画像内にいる。写真上はあたかも世間を俯瞰したごとく、ごく等価に写るのみである。しかしこれらのヒト一人々々が、込み入った現実と己が人生にそれぞれ悩み、苦しみ、それでも闘いひとつの建物は出来上がっていく。やがて建物が完成すると、かつて蜂の巣のようであった鉄骨の小部屋のそれぞれにヒトが入り、新たな「ヒトの営み」が級数的に展開していく。 古来人々はこうした「築く」という営みを連綿と積み重ねてきた。建設人として現場に身を置くと、それはもうお互いに憎たらしくて大変なのであるが、写真で俯瞰なぞしてみると、ヒトとは何と切なく、可憐な、いじらしい存在であることか、などとある種の愛情にも似た気持ちを禁じ得ないのだ。

(写真展情報より作者コメントを引用)

  • 名称:勝田尚哉写真展「築く II」
  • 会場:ペンタックスフォーラム
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-25-1新宿センタービルMB(中地下1階)ペンタックススクエア内
  • 会期:6月8日~6月20日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日16時まで)
  • 休館:毎週火曜日


(本誌:鈴木誠)

2011/5/24 16:55