【 2016/05/31 】
【 2016/05/30 】
【 2016/05/27 】
【 2016/05/26 】
【 2016/05/25 】

富士フイルム、「FinePix X100」など春モデルの発表会


 富士フイルムは8日、デジタルカメラ新製品の発表会を都内で行なった。

 主な発表機種は、APS-Cサイズの撮像素子を搭載するデジタルカメラ「FinePix X100」、裏面照射型CMOSセンサー「EXR CMOS」を搭載する「FinePix HS20EXR」、「FinePix F550EXR」など。デジタルフォトフレームの新製品2モデルも発表した。

 なお、各機種の詳細については既報の関連記事を参照されたい。

「Xシリーズは今後も充実させていく」

 同社取締役常務執行役員電子映像事業部長の樋口武氏は、CIPAの統計に基づき2010年度の経過と見通しについて説明した。

取締役常務執行役員電子映像事業部長の樋口武氏

 ワールドワイドでのデジタルカメラ出荷統計は2008年から右肩上がりに伸びており、同社シェアも10%に到達。BRICsや新興国を中心に販売台数が拡大したことを要因に挙げた。リーマンショック以前の出荷実績からも32%の増加になるという。先進国において高倍率ズーム機のFinePix Sシリーズが好調だったことも、シェア増加に影響しているという。

 国内シェアは2008年、2009年の10.7%から13%に到達。高速AF、画質、デザインなどが支持を得たと分析する。2010年度の第3四半期までの販売台数は890万台(2009年度は年間で900万台)で、前年比24%増、170万台の増販という。

ワールドワイドでの2010年度の経過と見通し 2010年度国内市場の経過と見通し

 樋口氏はデジタルカメラ市場の展望と同社の戦略についても説明。デジタルカメラ市場は、日本と欧米において需要が鈍化しているものの、新興国の需要が旺盛なことからワールドワイドではなだらかな成長を続けると予測。数量の成長率は鈍化する一方、高付加価値カメラの販売構成が上昇すると予測した。

 同社の2011年度の事業戦略としては、FinePix X100による「最高級コンパクトカメラ市場への参入」、先進国の買い替え需要取り込みと新興市場での販促強化による「コンパクトカメラ市場でのシェアアップ」、自社開発のレンズ、センサー、プロセッサーによる「差別化技術の進化」を挙げた。

 最高級コンパクトカメラ市場については「Xシリーズを今後充実させていく」とし、今後の展開もうかがわせた。質疑応答の中では「具体的には話せないが、FinePix X100は高級路線の1機種目。今後は声を聞いて検討する」としていた。

発売日が3月5日に決定したFinePix X100。店頭予想価格は12万8,000円前後の見込み

 また、ニーズへの対応として「最高画質」、「明るいファインダーで撮影を楽しみたい」、「小型・軽量」の3点を挙げ、これらを叶えたのが今回発表のFinePix X100という。樋口氏は「今後も最高画質で明るいファインダーにこだわりたい」と語った。

 FinePix X100は、プロの写真家の意見を取り入れて最高のコンパクトカメラを作るというコンセプトのもとに開発した。樋口氏は「B0でプリントしても良さがわかる」とし、性能面以外の部品や外観へのこだわりもアピールした。

 FinePix HS20 EXRおよびFinePix F550EXRは、センサーとLSIの進化がポイント。いずれも1,600万画素の裏面照射型CMOSセンサー「EXR CMOS」を搭載し、「A0に耐える画質」(樋口氏)とした。

 そのほかにも防水・耐衝撃機種など春モデルの多様なラインナップに触れ、「今後ともニーズに応えるカメラでシェアアップを図っていきたい」と締めくくった。

X100は「丹誠込めたメイド・イン・ジャパン」

 同社電子映像事業部商品部長の西村亨氏は、FinePix X100について「フォトキナでの開発発表以来、大きな反響を頂いた」と前置いた。丹誠込めてメイド・イン・ジャパンで作ったカメラと話し、レンズ固定式ならではのセンサーとのマッチングについては「一眼レフを凌駕する最高画質」と自信を見せる。

電子映像事業部商品部長の西村亨氏

 ハイブリッドビューファインダーは、レンジファインダーカメラなどが採用する明るくて見やすいと言われるブライトフレームに最先端のデジタル技術で挑戦したものという。

 レンズ構成は非球面レンズ1枚を含む6群8枚。9枚の絞り羽根も備え、コンパクト機として贅沢な仕様である点を強調した。使用頻度が高いとするF4からF8付近の絞りでも、周辺まで高い解像度を実現したとしている。最短10cmまでのマクロ撮影が可能な点もポイントとした。

FinePix X100のレンズ構成図 レンズに合わせてカスタマイズした撮像素子を採用
FinePix X100のデザイン アクセサリーも用意する

 本体デザインは、ダイヤルのクリック感まで緻密に計算し「音や感触までデザインした」(西村氏)という。プロやハイアマチュアをメインターゲットとする機種だが、上質な物にこだわる本物志向のユーザーにも使ってほしいと話した。

オプションのレンズフードを装着したところ。アダプターを介して取り付ける レンズは35mm相当、開放F2。3EV相当のNDフィルターを内蔵する
専用ケースとストラップを取り付けたところ。ケースの固定に三脚穴を使わず、装着時でも自立するようこだわったという 側面から見たところ。上カバーはホックで下側のケースに固定する
ケース装着時の背面。背面右手側に備えるシーソー式のボタンは、押し込むことでEVFを拡大表示できた 上カバーを取り付けたところ。上カバーの固定にレンズを傷つけないマグネットを採用するなど、利用シーンも意識。レンズ部を覆う筒状の部分を鋭角に処理できる加工業者を見つけるのにも苦労したという

 コンパクトデジタルカメラについては、EXRセンサーを裏面照射型に進化させた「EXR CMOS」センサーを紹介。裏面照射型の高速読み出しを活かし、フルHD動画記録にも対応した。EXR CMOSの搭載機種は、AF合焦速度0.16秒、シャッタータイムラグ0.01秒、8コマ/秒の連写(8M記録時は11コマ/秒)を実現したという。

EXR CMOSの特徴。シーンに応じて画素混合によるノイズ低減や、フル画素での高解像度撮影が行なえる オブジェクト認識など49パターンの「プレミアムEXRオート」も搭載
フルHD動画もより明るく撮影できるという

 30倍のマニュアルズームレンズを搭載する「FinePix HS20EXR」は、従来機種「FinePix HS10」(2010年4月発売)で好評だったダイレクトファンクションを継承したという。発売は3月5日。店頭予想価格は5万円前後の見込み。

FinePix HS20EXR
クリップオンストロボを装着したところ。いずれもFinePix X100でも使用できる

 15倍ズームレンズを搭載する「FinePix F550EXR」は、同社初のGPS搭載モデル。世界約50万件のランドマーク、都市名表示が可能で、撮影時にEXIFに記録する。また、付属ソフトを利用することでGoogle Map上に撮影画像を並べることができるという。

26日に発売するFinePix F550EXR。店頭予想価格は4万円前後の見込み
ブラックに速写ケースを取り付けたところ。ケースはブラウンとブラックも用意する。ストラップも付属

 防水・耐衝撃モデルの「FinePix XP30」もGPSを搭載。1.5m耐落下、5m防水、防塵、-10度の耐寒性能を有する。レンズは広角端28mm相当からの5倍ズーム。

FinePix X30。発売日は3月12日。店頭予想価格は2万5,000円前後の見込み
GPS搭載機種は電源オフ時の移動軌跡も記録可能。トラックデータはメモリーカードに記録する 記録したトラックデータは付属ソフト「MyFinePix Studio」で表示可能

 また、デジタルフォトフレームにも新製品を投入。8型の「DP-801SH」と7型の「DP-701SH」の2モデルは、いずれもシャープと共同開発した24ビット表示が可能な「クリスタルフォト液晶」を搭載。アンティークデザインのフレームを特徴とするほか、5パターンの「立体表現スライドショー」も搭載した。赤外線通信機能も引き続き搭載する。

デジタルフォトフレームはいずれも26日に発売。店頭予想価格はDP-801SH(下段)が1万6,000円前後、DP-701SH(上段)が1万3,000円前後の見込み

CP+2011ではトークショーも

 同社コンシューマー営業本部長の四宮啓司氏は、9日にパシフィコ横浜で開幕する「CP+2011」における催しなど、FinePix X100関連のイベントを紹介した。

コンシューマー営業本部長の四宮啓司氏

 CP+2011の富士フイルムブースでは、FinePix X100を展示するほかプロカメラマンによるトークイベントも開催。世界で唯一のハイブリッドビューファインダーの使用感やレンズの表現力など、同機の魅力を大いに語る趣旨だという。

 また、東京と大阪で開催する写真展「FinePix X100展 〜先鋭なる原点〜」についても告知した。

CP+のイベントと、富士フイルムスクエアで実施する写真展の告知も行なった
発表会の会場にもFinePix X100の作例を展示していた


(本誌:鈴木誠)

2011/2/8 18:09