パナソニック、1080/60i・24p対応の「LUMIX DMC-GH2」
パナソニックは、マイクロフォーサーズシステム規格のレンズ交換式デジタルカメラ「LUMIX DMC-GH2」を10月29日に発売する。カラーはブラックとシルバーの2色。
ブラック | シルバー |
ボディ単体に加え、ボディと「LUMIX G VARIO 14-42mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」をセットにした標準ズームレンズキット(DMC-GH2K)、「LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH.」をセットにしたレンズキット(DMC-GH2H)を用意する。
価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格はボディのみが10万円前後、標準ズームレンズキットが11万円前後、レンズキットが15万円前後の見込み。
2009年4月に発売した「LUMIX DMC-GH1」の後継機種。DMC-GH1比で約2倍の「世界最速レベル」とする高速AFや、1080/60i(センサー出力60コマ/秒)や1080/24pのAVCHD動画記録機能を特徴とする。
ブラック |
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撮像素子は有効1,605万画素のLiveMOSセンサー。マルチアスペクトに対応する。感度はISO160からISO12800。DMC-GH1に搭載の撮像素子より高画素化したものの、回路の微細化により受光部を確保したという。映像処理エンジンは「Venus Engine FHD」を搭載。
新しいLiveMOSセンサーは、高速読み出しに適した新規画素と専用ADCを内蔵。「DMC-GH1」(2009年4月発売)と比較して約3dB以上のノイズ改善と約2倍の高感度化を実現した。
AFは、LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH.の装着時(18mm)、無限遠から2mまでの駆動時間が最も速く0.099秒といい、「0.1秒高速AF」として訴求する。従来機種のDMC-GH1では同条件で0.2秒かかるため、およそ2倍のスピードとした。
従来は常時60fpsのセンサー駆動だったが、DMC-GH2ではAF時のセンサー駆動を120fpsとすることでAFの高速化を図った。加えてフォーカスの動作予測処理や起動シーケンス短縮により、高速AFを実現したとしている。LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH.のようなレンズでは、レンズ駆動より演算のほうが長くかかっていたため、特に効果があるという。カメラの起動時間もDMC-GH1比で約30%短縮した。
動画記録は、AVCHDの1080/60i記録(センサー出力60コマ)に対応した。DMC-G2に引き続きタッチAFを利用できる。また、動画ユーザーからの強い要望で1080/24p(24Mbps)のネイティブ記録にも対応した。「シネライクガンマ」の適用でシネマカラーを使った映画的撮影も行なえるという。ライブビュー時のHDMI出力も可能とし、映像撮影の現場ではマスターモニターと接続できるようになった。
動画撮影中の静止画記録は、メニューから2種類の挙動を選択可能になった。「写真優先」を選択すると、シャッターボタンを押した時点で14M(16:9)の静止画記録を行ない、記録中の動画は少しフリーズする。いっぽう「動画優先」を選択している場合は、動画がフリーズすることなく2Mの静止画記録(切り出し)を行なう。
また、「クリエイティブ動画」も新機能。動画の撮影時と記録時のフレームレートを可変することで、シネライクな遅回しや早回しを可能とする。スピードは80%、160%、300%などが選択可能。
「EXテレコン」(クロップ機能)を利用すると、装着レンズの焦点距離を望遠側にシフトしたような撮影ができる。静止画と動画の両方で使用でき、LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH.装着時は望遠端で最大1,092mm相当の720p動画を記録できるという。
静止画撮影の新機能として、「インテリジェントDレンジコントロール」を搭載。従来の暗部補正に加えハイライト部の補正も同時に行なうことで、白飛びや黒潰れを抑えた画像を撮影できる。
また、超解像技術を利用した「新超解像」も新搭載。等倍鑑賞にも堪えるエッジ強調を行ないつつ、プリント時の解像感バランスを写真全体で最適化するという。
連写はフル画素で5コマ/秒。DMC-GH1は3.5コマ/秒だった。電子シャッターを使用する場合、4M記録で40コマ/秒の撮影も可能。
EVFは、マルチアスペクトに対応した152万ドット相当の「マルチワイドLVF」を搭載。駆動方式の変更により、カラーブレイク(色割れ)も大幅に改善したという。解像度は従来の800×600ドットから852×600ドットに拡大。アスペクト比が3:2および16:9の時に上下を切り詰めることなく横方向に伸びるようになり、16:9の時に最大倍率となる。
3型46万ドットのタッチ式フリーアングル液晶モニターは、高演色高コントラストLCDを採用。色再現性を従来比25%向上したという。液晶モニターとEVFを切り替えるアイセンサーには、感度調整機能を追加。「弱」と「強」の2段階を選択できるようになった。
本体上面と背面に合計3つのFnボタンを配置。「フィルムモード」、「ワンショットRAW+JPG」、「ワンショット スポット測光」、「フラッシュ光量調整」など、18種類の機能を任意に割り当てることができる。
DMC-GH1ではグリップ部の前後にダイヤルを備えていたが、DMC-GH2はDMC-G2と同様、背面に1つだけとした。回転と押し込み操作に対応する。また、グリップ部にはエラストマー材を採用。ホールド性を向上した。
付属ソフトは「PhotofunStudio 6.0 BD」を同梱。素材とシナリオのテンプレートを選択する「ショートムービーストーリー機能」を新たに搭載し、これまで以上にストーリー性を持った作品を作れるようになったという。
同時発表の3D対応交換レンズ「LUMIX G 12.5mm F12 3D」との組み合わせで3D静止画を撮影可能。.MPO形式で保存し、2DのJPEG画像も同時記録する。パナソニックの3D対応テレビ「3Dビエラ」(2010年春モデル以降)やHDDレコーダー「DIGA」(2010年秋モデル以降)で再生できる。
電源はリチウムイオン充電池の「DMW-BLC12」を新たに採用。従来機種との互換性はない。
本体サイズは124×89.6×75.8mm。重量は392g(ボディのみ)。
DMC-GH2 | DMC-G2 | DMC-GH1 | |||
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発売時期 | 2010年10月 | 2010年4月 | 2009年4月 | ||
撮像素子 | 総画素数 | 1,831万 | 1,310万 | 1,398万 | |
有効画素数 | 約1,605万 | 約1,210万 | 約1,230万 | ||
タイプ | Live MOSセンサー | ||||
サイズ | 4/3型 | ||||
最高感度 | ISO12800 | ISO6400 | ISO3200 | ||
映像エンジン | ヴィーナスエンジンFHD | ヴィーナスエンジンHD2 | ヴィーナスエンジンHD | ||
ダスト対策 | スーパーソニックウェーブフィルター | ||||
手ブレ補正機構 | レンズ内 | ||||
動画フォーマット | AVCHD | ○ | - | ○ | |
AVCHD Lite | - | ○ | - | ||
Motion JPEG | ○ | ||||
ライブビューファインダー | ドット数 | 約153万 | 約144万 | ||
倍率 | 約1.42倍 | 約1.4倍 | |||
液晶モニター | サイズ | 3型 | |||
ドット数 | 約46万 | ||||
フリーアングル | ○ | ||||
最高シャッター速度 | 1/4,000秒 | ||||
連写 | 約5コマ/秒 | 約3.2コマ/秒 | 約3.5コマ/秒 | ||
記録メディア | SDXC SDHC SD | SDHC SD | |||
内蔵ストロボGN | 13.9(ISO160) | 11(ISO100) | |||
電源 | DMW-BLC12 | DMW-BLB13 | |||
本体サイズ(mm) | 幅 | 124.0 | 約124.0 | 124.0 | |
奥行き | 75.8 | 約74.0 | 約45.2 | ||
高さ | 89.6 | 約83.6 | 約89.6 | ||
本体重量(g) | 約392 | 約371 | 約385 |
2010/9/21 16:03