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ソニー、APS-Cミラーレス機「NEX」シリーズの発表会

〜世界最小ボディで潜在ユーザーにアピール

 ソニーは11日、Eマウントを採用した新型のミラーレスデジタルカメラ「NEX-5」と「NEX-3」の発表会を東京港区の本社で開催した。

NEX-5(シルバー) 会場の様子

 ここでは、発表会の模様を中心にお伝えする。製品の詳細については別記事を参照いただきたい対応レンズについての詳細はこちら

 なお、発表会にはメッセンジャーを担当する女優の北川景子さんと俳優の浅野忠信さんが登場した。この模様も別記事「ソニー、「NEX」シリーズのテレビCMに北川景子さんと浅野忠信さんを起用」で掲載している


オプションの光学ファインダーを装着したNEX-5(ブラック) NEX-3。右端はオプションの外部マイクを装着したところ

 

センサーサイズに妥協なし

NEX-5を持つソニー業務執行役員SVPパーソナルイメージング&サウンド事業本部長の今村昌志氏

 冒頭、ソニー業務執行役員SVPパーソナルイメージング&サウンド事業本部長の今村昌志氏が挨拶した。

 今村氏は新型カメラを「一眼レフカメラを使ったことのない方にも、持つ喜びを感じていただける。デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラの長所を兼ね備えたカメラ」と紹介。金属を採用したレンズ鏡胴やボディの高い質感などに触れた。また、撮像素子、画像処理エンジン、レンズというキーデバイス3つを内製することで、新たなカメラの価値を提案するとした。

 オリンパスやパナソニックが手がけているマイクロフォーサーズ機に対しては、「圧倒的な小型化を実現している。さらにAPS-Cサイズ相当のセンサーとAVCHDによる動画という3つが大きな特徴になっている」(今村氏)とした。妥協することなくAPS-Cサイズ相当のセンサーで行くことは最初からこだわっていたとしており、マイクロフォーサーズシステム規格を採用するつもりは無かったという。「“小型のボディに大型センサー”という難しい課題に敢えて挑んだ」(今村氏)。

 市場投入のタイミングについては、1年半以上前から2010年6月頃の発売を目指して開発してきたとのこと。「技術的に可能になったため、たまたま発売が今になったというわけではない」(ソニーコンスーマープロダクツ&デバイスグループ コミュニケーション担当部長の寺尾徳郎氏)。


デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラのメリットを融合した 共通の特徴

 NEXシリーズにおける今後の展開については、「さまざまな展開を考えてはいるが、現時点ではいろいろな要望を聞いていきたい」(今村氏)と答えるに留まった。NEXに対応するEVFについても、「要望は聞いている」(今村氏)としているが具体的な製品化は明らかにしていない。

 レンズ交換式デジタルカメラ(αシリーズ)のシェアについては、「ステップアップを目指すユーザーを新規に取り込んでマーケット自体を広げていく」(今村氏)とした上で、現在ワールドワイドで約10%のシェアを15%まで引上げたいとする。国内シェアも同様に今の10%から15%程度に伸ばしたい考え。

 既存の一眼レフタイプのαも継続する。「NEXシリーズで既存のαを置き換えることは全く考えていない」(今村氏)。引き続き、年内に一眼レフタイプのα投入を強調していた。

・NEX-5

  E 16mm F2.8を装着したところ
同E 18-55mm F3.5-5.6 OSS
液晶モニターは上下可動式 同梱の外部ストロボを装着したところ
NEX-3(左)とNEX-5(右)の厚さの比較 NEX-5を分解したところ

・NEX-3

E 18-55mm F3.5-5.6 OSSを装着したところ
マウント部 上面にはストロボなどを接続するコネクターを備える

・そのほか

新機能の「ぼかしコントロール」。ダイヤルで背景のボケ具合をコントロールできる。左は全体にピントを合わせたところ。右は背景をぼかしたところ
E 16mm F2.8に装着可能なフィッシュアイコンバーターの「VCL-ECF1」(左)とウルトラワイドコンバーター「VCL-ECU1」(右) 外部ステレオマイク「ECM-SST1」の装着例
E 16mm F2.8用光学ファインダー「FDA-SV1」
αマウントをMFで使用できるマウントアダプター「LA-EA1」 LA-EA1のの使用例
スイングパノラマを利用した3D撮影のデモも実施していた。デモでは、アクティブシャッター式の眼鏡を掛けることでディスプレイの写真を立体視できた
専用ボディケースなどもラインナップする 参考出品ながらカラフルなレンズキャップやカメラケースも

 なおソニーは同日、NEXシリーズに搭載しているキーテクノロジーを活用したAVCHD記録に対応したハイビジョンビデオカメラの開発を発表した。価格を始め詳細なスペックなどは不明だが、2010年秋の発売としている。会場ではコンセプトモックアップを展示した。

 開発中のハイビジョンビデオカメラにはNEX-5およびNEX-3に搭載している「Exmor APS HD CMOSセンサー」を採用する。レンズマウントはNEXシリーズと同じEマウント。マウントアダプターを使用すれば、既存のαマウントレンズも使用可能としている。

Exmor APS HD CMOSセンサーを採用するというハイビジョンビデオカメラを開発発表した 会場に展示されたモックアップ

 

「ソニースピリットでやれることはすべてやった」

 続いて、ソニーパーソナルイメージング&サウンド事業本部 統括部長の手代木英彦氏が製品の説明を行なった。

ソニーパーソナルイメージング&サウンド事業本部 統括部長の手代木英彦氏 デジタル一眼レフカメラ同等の高画質という

 NEXシリーズは、デジタル一眼レフカメラの画質で静止画と動画を撮影できるとする。「ソニーの技術を結集して大判イメージセンサー(APS-Cサイズ相当)をコンパクトなボディに収めた。持つと、あたかもレンズだけを握っているように見える」(手代木氏)。フォーサーズやマイクロフォーサーズよりも大型のセンサーのため、高画素化に対応しやすいほかノイズも少ないとしている。

 より小型のNEX-5は、レンズ交換式デジタルカメラとして世界最小最軽量を謳う。コンパクトデジタルカメラからのステップアップユーザーのうち、大きい、重いといった理由でデジタル一眼レフカメラの購入を躊躇していた層に訴求する。

 型番の“NEX”は「エヌイーエックス」と読む。「New E Mount Experience」の略という。マウント名を「Eマウント」としたのは、フランジバックが世界最短という18mmであることから18を表す“eighteen”から名付けた。「短いフランジバックによる小型のカメラで新しい体験をして欲しいという意味を込めた」(今村氏)。

 サイバーショットで搭載していた「スイングパノラマ」機能も搭載する。また、7月にはスイングパノラマを利用した3D撮影機能(静止画のみ)をファームウェアアップデートにより提供するという。「2眼式の3Dカメラに比べて、ボディが小型になるなどのメリットがある」(手代木氏)。

 手代木氏は、NEXシリーズを「ソニーだからできる製品。デジタルカメラはデバイスの組み合わせになりがちだが、それを超えて1つの商品になった。ソニースピリットでやれることはすべてやった。さらにユーザーを増やしたい」と意気込みを語った。

APS-Cサイズ相当のセンサーを採用。低ノイズやボケ表現などの優位性をアピール 世界最小最軽量を謳う
デジタル一眼レフカメラに比べてレンズ込みの厚みを削減したとする
Eマウントのフランジバックは18mm。マイクロフォーサーズの約20mmより短い

 レンズのバリエーションが少ないとの声には、「大口径、望遠レンズなども用意していきたいが、まずは製品の特徴を一番表せるレンズとしてパンケーキ、標準ズーム、高倍率ズームのレンズを出した。今後レンズのバリエーションは増やしたいが、現時点では具体的なプランはお話しできない」(手代木氏)とした。

 また、マウントアダプター「LA-EA1」で既存のαレンズを使用した際にAFが使用できない点については、「何とかAFを動かしたいと考えているが、αレンズは多種に及んでいて性能を保証するには技術的な制約がある。そのため現在はMFでの使用となっている」(手代木氏)と答えた。

 

コンパクト機からのステップアップをサポート

ソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部 統括部長の下野裕氏

 ソニーマーケティング デジタルイメージングマーケティング部 統括部長の下野裕氏からは国内での販売戦略説明があった。

 下野氏は、2007年以降はデジタルカメラの出荷台数の前年割れが続いており、魅力ある製品で業界の活性化が急務だと述べた。

 現在、買い換えや買い増しの需要が8割を占める。その中でコンパクトデジタルカメラを購入したユーザーの3割はデジタル一眼レフカメラの購入も検討していた層という。「大きい、重い、高い、操作が難しいというデジタル一眼レフカメラの4つの障壁を解決してステップアップを図れるようにするのがソニーの使命。さらに動画など新しい楽しみ方を提案し、新しいマーケットを創造する」(下野氏)とした。


コンパクトデジタルカメラユーザの3割はデジタル一眼レフカメラの購入を検討するという デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラの間にある市場の創造を狙う
広告宣伝には女優の北川景子さんと俳優の浅野忠信さんを起用した
プロモーションプラン 発売前にも体験イベントなどを実施する
発表会を開催したソニー本社(東京港区)


(本誌:武石修)

2010/5/11 20:23