ソニー、第3四半期は黒字に転換。通期見通しを上方修正


 ソニーは4日、2009年度第3四半期(2009年10月1日~12月31日まで)の連結業績について発表した。

 売上高は2兆2,379億円(前年度同期比3.9%増、以下同)、営業利益は1,461億円(前年同期は180億円の赤字)、純利益は792億円(660.6%増)。コンスーマープロダクツ&デバイス分野における減収があったものの、金融分野および映画分野における増収により売上高は増加となった。営業損益は売上の増加と売上原価および販売費・一般管理費の削減により黒字に回復した。

 デジタルカメラなどを含むコンスーマープロダクツ&デバイス分野の売上高は9,698億円(10.7%減)、営業利益は494億円(前年同期は198億円の赤字)。価格競争の激化の影響を受けた液晶テレビ「ブラビア」などが減収となった。コスト削減の効果があった液晶テレビ、コンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」などは損益が改善した。

 ネットワークプロダクツ&サービス分野は、売上高6,061億円(1.9%増)、営業利益194億円(前年同期は59億円の赤字)。PCの「VAIO」は増収だったものの、ゲーム事業はPS2およびPSPの売上数量が減少し減収。PS3はコスト改善などにより損益は前年同期並みとなった。

 B2B&ディスク製造分野は売上高1,435億円(0.5%減)、営業利益は101億円(21.5%増)。ディスク製造事業はブルーレイディスクの売上が好調で増収。B2B事業は先進諸国において放送・業務用機材の売り上げが減少したことなどにより減収となった。

 映画は売上高2,032億円(16.0%増)、営業利益141億円(9.1%増)。「2012」および「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」が劇場興行収入に貢献し増収。ソフト収入は「天使と悪魔」および「ターミネーター4」の貢献により増加した。テレビ番組も増収となった。

 音楽は売上高1,635億円(2.0%増)、営業利益231億円(8.2%増)。スーザン・ボイルの「I Dreamed A Dream/夢やぶれて」や、映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のサウンドトラックなどのヒットにより増収。

 金融は売上高2,056億円(99.5%増)、営業利益350億円(前年同期は374億円の赤字)。ソニー生命の増収などにより売上増となった。

 ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは売上高17億5,000万ユーロ(40%減)、営業損失1億5,900万ユーロ(13.2%減)。世界の携帯電話市場の縮小やタッチ・スクリーン対応端末へのシフトが想定外に早く起こったことにより減収となった。

 通期の予想は売上高が7兆3,000億円(6%減)で2009年10月30日の発表と同じだが、営業損失を50%減の300億円に、純損失は27.3%減の700億円に上方修正した。テレビおよび半導体の好調、金融分野の市場環境の継続的改善などによる見通し。

 当四半期の設備投資額は436億8,100万円(40.6%減)、研究開発費は1,067億3,300万円(8.9%減)だった。通期ではそれぞれ2,200億円(34%減)、4,500億円(10%減)となる見通し。



(本誌:鈴木誠)

2010/2/4 20:30