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ポラロイド、国内イメージング事業を復活

〜インスタントカメラも「完全復活」目指す

 サミット・グローバル・ジャパンは3日、日本における「ポラロイド」ブランドのイメージング事業を開始すると発表した。デジタルカメラなどの新製品をはじめ、ポラロイドカメラ「SX-70」や「ポラロイド1000」、ポラロイドフイルムの再販開始も予告した。

 米ポラロイドは2008年12月に連邦破産法第11条(チャプターイレブン)の適用を申請。経営の再建を進めていた。その後、2009年4月にGordon Brothers GroupとHilco Consumer Capitalが買収、2009年6月にSummit Global Groupが親会社2社と、ポラロイドのイメージング関連製品(デジタルカメラ、デジタルフォトフレーム、モバイルプリンターなど)における生産・販売権を5年契約で締結。

 日本においては、2009年9月に日本ポラロイドが米ポラロイドからのMBO(Management Buy Out、経営陣の株式取得による事業経営承継)により分離・独立。2010年1月1日付けで「株式会社フロントランナー」に社名を変更し、従来販売していたポラロイド製品のアフターサービスを除いて、取扱いを終了した。今後はSummit Grobal Groupの一員であるサミット・グローバル・ジャパンが製品の生産・販売を行なう。

 都内で開催した発表会では、サミット・グローバル・ジャパンによる日本での販売戦略と新製品の発表を行なった。

 発表したのは、プリンター付きデジタルカメラ「Polaroid Two」(店頭予想価格1万9,800円前後)のほか、コンパクトデジタルカメラ「t1235」(1万5,800円前後)、「i1237」(9,800円前後)、「a930」(8,800円前後)、デジタルフォトフレーム「i1201」(1万9,800円前後)、デジタルビデオカメラ「DV130」(5,480円前後)。価格はすべてオープンプライス。発売時期はいずれも2009年12月下旬から2010年1月上旬予定。

 Polaroid Twoは、インスタントモバイルプリンターを内蔵したデジタルカメラ。カラーはブラックとグレー。500万画素の撮像素子や3型液晶モニターを搭載する。内蔵プリンターはZINKフォトペーパー専用。プリントサイズは5×7.5cm。プリントは耐水性を有するシールとしても使用できる。BluetoothおよびPictBridgeに対応。「クラッシーかつ機能的で、現代においても意義のある製品」とアピールしていた。2010年中には7.5×10cmのプリントを出力できる「Polaroid Three」も発売予定という。

 このほか、「ガラス」、「翡翠」、「金属」からコンセプトの着想を得たというインスタントモバイルプリンター「PoGo Pro」も発表。発売時期・価格ともに未定。

Polaroid Two
背面液晶モニター部分を開いて給紙する メニュー画面
メモリーカードスロットとバッテリー室。電池はリチウムポリマー充電池 DV130
i1201 操作ボタン
PoGo Pro

 なお、ポラロイドのWebサイトでは日本法人の立ち上げを記念して、3日からモバイルプリンター「PoGo」(実勢価格1万7,000円前後)を9,800円で限定販売している。

 また、直販サイトも4日にオープンしており、今後は大手通販サイト、大手家電量販店、コンビニエンスストアなどでも販売を開始する予定。

SX-70 歴代のポラロイドカメラを展示していた
今後も旧製品の復刻と新製品の発売を行なうという フイルムの生産はImpossible b.v.が担当する

ポラロイドのインスタント写真は「完全復活」する

サミット・グローバル・ジャパンCEOのジョヴァンニ・トマセーリ氏

 サミット・グローバル・ジャパンCEOのジョヴァンニ・トマセーリ氏は、ポラロイドブランドの特徴を「楽しい」、「自発的な」、「インスタント」と説明。特に「インスタント」という点が重要と強調する。

 ポラロイドカメラはBtoBの分野でも使用されていた経緯があり、日本においてはコンシューマ層をメインターゲットとしながらも、BtoBの重要性についても認識しているという。

 同氏は2008年にポラロイドの旧経営陣がフイルムの製造をやめたことに関しても言及。「ポラロイドフイルムの製造を中止した理由はわからないが、おそらく旧経営陣は、ポラロイドのコアが『インスタント』であることを忘れ、『デジタルの夢』を追いかけてしまったのではないか」と振り返る。実際、製造中止の発表後には世界中から「やめるべきではない」という声が上がったという。

 そのうえで同氏は、ポラロイドカメラおよびフイルムの再販を発表。ポラロイドによるインスタント写真の「完全復活」を宣言した。

 ポラロイドカメラ「ポラロイド1000」は、2010年夏以降に発売。コンシューマー向けインスタントカメラの「SX-70」も2010年中に復刻する予定。

 フイルムはオランダのImpossible b.v.が製造を担当。国内では「ポラロイド600」と「同1000」の販売を再開する。モノクロを2010年春以降、カラーを2010年秋以降に発売するという。

「ポラロイド」ブランドをアピール 倒産にともない、フイルムの製造を中止していた
フイルムの製造は2010年から本格的に開始する ポラロイドの歴史

世界の「ポラロイド」認識率はほぼ100%

 Gordon Brothers Groupの日本法人、ゴードン・ブラザーズ・ジャパン代表取締役社長の金城亜紀氏は、ポラロイド買収の背景について説明した。

 金城氏によれば、「ポラロイド」という名前の認識率は世界中で極めて高く、ほぼ100%といってもいいくらいで、ブランドイメージも非常に良いという。

 その観点から、在庫など有形の資産だけでなく、ポラロイドの長い歴史や実績といったブランドを無形の資産とみなし、顧客として事業を蘇らせるに至ったという。

 同時に「ポラロイドの名とブランドは、世界中の写真愛好家にとってかけがえのない響きと愛着のあるものになっている」とし、「ポラロイドと言うブランドを改めてスタートできるのは大変感慨深く、また名誉あることだと思う」と感想を述べた。

ゴードン・ブラザーズ・ジャパン代表取締役社長の金城亜紀氏 「ポラロイド」ブランドの認知度

ターゲットは10台後半から30代前半

サミット・グローバル・ジャパン リテール・法人事業部長の高田克之氏

 日本でのビジネス戦略についてはサミット・グローバル・ジャパン リテール・法人事業部長の高田克之氏が説明した。

 国内一般消費者向けには、10代後半から30代前半の若者層をターゲットとしてデジタル製品を展開。Polaroid TwoやPoGoといったインスタント製品は、30代後半からアクティブシニアに向けて訴求しつつ、若年層に対してもアナログ製品として紹介していくという。

 BtoB市場に対しては、すでに警察、医療、教育、保険、建設などの産業に対して世界的に高い実績を残しているため、引き続き同様の産業を中心に展開していくという。すでに一部の事業者からは「これを求めていた」と強い引き合いがあったという。また、日本のカメラ・フイルムメーカーの取次代理店としてのビジネスも展開していく。

 また高田氏は販売戦略を説明するにあたり「3つのF」をキーワードとして掲げた。それぞれ「Fun」、「Fashionable」、「Feasible」を意味しており、写真をその場でプリントする楽しさとファッション性、手軽に入手できる利便性を強調。「ポラロイドが日本に上陸して50年目となる節目の年に、ポラロイドの製品を、再び愛される製品としてお客様にお届けしたい」と意気込みを語った。

 新製品はメインターゲットを若者層としたファッション性の高い製品であることから、家電量販店だけでなく、従来とは異なる販路の開拓も行なっていくという。3年目時点での売上目標は約120億円。3年目の内訳はインスタントフイルムが約40億円、デジタルカメラが約36億円、インスタントデジタルカメラが約30億円、デジタルフォトフレームが約8億円、デジタルビデオカメラが約8億円。

「Fun」、「Fasionable」、「Feasible」を販売戦略のキーワードとした 「Polaroid Two」や「PoGo」にはZINKのペーパーを採用している
2010年中には7.5×10cmのプリントが可能なタイプも発売予定 年末から年始にかけて新機種を発売予定
2010年中にはインスタントフィルムの販売も再開する 売上目標は1年目40億円、2年目80億円、3年目120億円

プリントに勝る感動はない

サミット・グローバル・ジャパン取締役の小島佑介氏

 続いて、サミット・グローバル・ジャパン取締役の小島佑介氏が、日本における事業の再スタートに際して挨拶した。

 小島氏は、1996年に当時在籍していたオリンパスでデジタルカメラの開発に従事。当時業界初だった81万画素の「CAMEDIA C-800L」を生み出し、民生用デジタルカメラの市場を開拓した。オリンパス退社後は米イーストマン・コダックのバイスプレジデントを経て、コダック日本法人の代表取締役社長に就任。コダックの国内撤退後は、フレクトロニクス・インターナショナルの代表取締役社長を務めていた。

「私は『絶対プリント主義』です。なぜ私が画素数競争をリードしてきたかというと、それはプリント画質にこだわったからです。PCやTVに表示する分には何百万画素という解像度は不必要で、プリントの感動にこだわるからこそ、技術競争をずっと仕掛けてきました。いまやデジタル画像は携帯電話やPCだけでなく、ネット上にも保存され、その楽しみ方も多岐にわたっています。でも私は、プリントに勝る感動はないと考えています」

 また小島氏は、「ポラロイドは商品ではなくファイナンスで躓いた」とも言及。デジタル時代を迎え、ポラロイドの機能を代替するものはたくさんあっても、「インスタントプリントに勝るものはありません」と強調していた。

「ポラロイドの黒ちゃん」と呼ばれた40年前

 会場にはゲストとして、俳優の黒沢年雄さん、モデルの小森純さん、元「ギャル社長」で最近では「ノギャルプロジェクト」などで知られる藤田志穂さんが登場。実際にPolaroid Twoを使ってのトークショーを行なった。

「機械音痴の僕にも使えそう」と終始感心していた黒沢さん 「簡単だし、人にも教えやすいし、友達と旅行に行く時に持っていくと良さそうです」と小森さん
普段はデジカメを持ち歩かないという藤田さん。「ポラロイドはプリントをその場ですぐ見られて、みんなで盛り上がれるところが良いと思います」

 黒沢さんは、40年前に当時珍しかったポラロイドカメラでたくさんの女性と知り合いになれたというエピソードを披露。その時ついたあだ名が「ポラロイドの黒ちゃん」だったという。「当時は写真を撮ってあげると喜ばれる時代。フイルム代がかさんで大変だったけれど、駐留米軍に安く譲ってもらいました」と思い出を語った。

 小森さんがPolaroid Twoを使って黒沢さんを撮影し、実際にプリントを出力するという場面も見られた。黒沢さんはプリントの画質が「デジタルというよりもアナログみたい」としきりに感心していた。

 小森さんと藤田さんはPolaroid TwoとPoGoを手に「持ち運びも便利だし、(本体の)色もかわいい。ギャルがデコりそう」と盛り上がっていたが、薄いピンクが日本で発売されないと知るとジョヴァンニ・トマセーリCEOに「お願いします!」と揃って頭を下げ、トマセーリCEOも「OK!」と笑顔で答えるシーンもあった。

ポラロイドにまつわる思い出を語る黒沢さん PoGoに写真を送信して、実際にプリントを試していた


(本誌:関根慎一)

2009/12/4 12:52


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